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市場調査レポート

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健康意識と市販薬の購買行動に関する実態把握調査(2026年)

株式会社クロス・マーケティンググループのグループ会社でソーシャル&セールスプロモーションサービスを展開する株式会社エクスクリエ(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:小笠原 亨)は、全国に住む15歳~69歳男女(1,200人)を対象に「健康意識と市販薬の購買行動に関する実態把握調査(2026年)」 をWeb アンケートにて2026年6月29日(月)に実施しました。 自身を健康と評価する人は7割超、女性30代以上は男性よりも低い傾向 「リフレッシュ」「食事」「睡眠」「運動」は健康状態による実践率の差が50pt以上 健康習慣に対する重要度と満足度に大きな乖離、特に「睡眠」でギャップが最大 軽い体調不良時は「数日様子をみる」が最多、健康状態の自己評価が低い層は「漢方・サプリ」が高い 市販薬の購入は「同じ商品を購入することが多いが、たまに違う商品も購入する」が最多 【全調査結果は、以下よりダウンロードいただけます】 健康状態の自己評価として「健康だと思う」または「まあ健康だと思う」と回答した人(以下、「健康層」)は72.3%であり、約7 割が自身を健康と評価しています。健康層の割合は10代において高く、女性10代が80.0%、男性10代が77.0%でした。女性30代以上は男性に比べて健康層の割合が低い傾向があり、特に女性40代は65.0%と最も低い結果となりました。(図表1) 健康習慣の実践率を健康状態の自己評価別にみると、健康だと思う層と健康でないと思う層の差が特に大きいのは、「趣味やリフレッシュの時間を作る」「三食きちんと食べたり、栄養バランスを意識した食事をしたりする」「運動をする」「十分な睡眠時間、質の良い睡眠をとる」の4項目で、いずれも50pt以上の差があります。これらの項目において、健康だと思う層は他層に比べて「できている」の割合が高く、実践率にも差が生じています。(図表2) 健康習慣に対する重要度と満足度について、いずれの項目においても重要度TOP2(とても重要である+やや重要である)と満足度TOP2(満足している+やや満足している)に大きな差があります。特に「睡眠」においては、44.1pt の差が生じており、5項目中最も「重要だと思っているものの満足していない」項目となりました。(図表3) 軽い体調不良時の初期行動は「特に何もせず、数日様子をみる」が46.0%と最も高くなりました。健康でないと思う層は「特に何もせず、数日様子をみる」と「市販薬を服用・使用する」において他層を大きく下回っています。一方、「漢方・サプリを服用・使用する」は30.3%と全体を21.1pt 上回っており、4層の中で唯一異なる傾向が見られました。(図表4) 市販薬を購入する際、「同じ商品を購入することが多いが、たまに違う商品も購入する」が55.5%と過半数となっています。「いつも同じ商品を購入する」については、女性10代が51.5%と全セグメントで最も高くなりました。(図表5) 上記に加えて、「日頃の健康の悩み」や「セルフメディケーション税制の認知・利用経験」について聴取しています。 【全調査結果は、以下よりダウンロードいただけます】 健康状態の自己評価(単一回答) 日頃の健康の悩み(複数回答) 健康習慣の実践状況(単一回答) 健康習慣に対する重要度(単一回答) 健康習慣に対する満足度(単一回答) 健康情報の入手方法(複数回答) 意識して摂取している栄養素(複数回答) 健康食品やサプリメントの摂取目的(複数回答) 食品や飲料のパッケージで惹かれる訴求表示(複数回答) ヘルスケアアイテムやサービスの認知・利用経験(単一回答) 軽い体調不良時の初期行動(単一回答) 軽い体調不良時の初期行動の理由(自由回答) 自宅に常備している薬(複数回答) 市販薬購入時の情報収集方法(複数回答) 市販薬を選ぶ際の重視点(複数回答) 市販薬の主な購入場所(複数回答) 市販薬のブランドスイッチの有無(単一回答) セルフメディケーション税制の認知・利用経験(単一回答) 引用・転載時のクレジット表記のお願い 本リリースの引用・転載時には、必ず当社クレジットを明記いただけますようお願い申し上げます。 <例>「株式会社エクスクリエが実施した調査によると・・・」 本リリースに関するお問い合わせ先 株式会社エクスクリエ リサーチサポート部 嶋津 TEL : 03-6261-0178  FAX : 03-6859-2341  E-mail : excrie-press@excrie.co.jp 【全調査結果は、以下よりダウンロードいただけます】

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ビール類の飲用・購買実態と酒税改正の影響に関する調査(2026年)

株式会社クロス・マーケティンググループのグループ会社でソーシャル&セールスプロモーションサービスを展開する株式会社エクスクリエ(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:小笠原 亨)は、ビール類を自分で購入し週1 回以上飲用していると回答した、全国 20歳~69 歳男女(966人)を対象に「ビール類の飲用・購買実態と酒税改正の影響に関する調査(2026年)」を Web アンケートにて 2026年 6月22日(月)~26日(金)に実施しました。2026年10月に予定されているビール類の酒税改正では、ビール・発泡酒・新ジャンルの税率が統一されることから、生活者の動向が注目されています。 ビール類の飲用率は32.1%、若年女性層の約6割は飲酒習慣が未定着 最もよく飲むジャンルはビールが約7割、新ジャンルは中高年女性層が中心 ビール飲用者の76.0%は「このジャンルが好き」、新ジャンル飲用者の約4人に1人は妥協的な購入 酒税改正の認知率は80.1%も、「内容まで知っていた」は3割にとどまる 発泡酒・新ジャンル飲用者の約半数が酒税改正後のジャンル変更を検討、ビール飲用者は約4人に 3人が継続意向 【全調査結果は、以下よりダウンロードいただけます】 スクリーニング調査(全国に住む20歳~69歳男女6,000人)において、普段飲むアルコール飲料を聴取したところ、ビール類が32.1%と最も高くなりました。一方、「お酒やノンアルコール飲料は飲まない」と回答した割合は、全体で50.1%でした。また女性30代では63.2%、女性20代では58.3%が「お酒やノンアルコール飲料は飲まない」と回答し、若年女性の約6割は飲酒習慣が定着していないことがうかがえます。(図表1) ビール類を自分で購入し週1回以上飲用していると回答した人(966人)に、最もよく飲むビール類のジ ャンルを聴取したところ、ビールが68.6%と最多であり、新ジャンルが18.4%、発泡酒が12.9%となりました。ビールを最もよく飲む割合は、男性30代が82.0%と最も高く、女性30代(79.5%)と女性20代(78.6%)が続き、20~30代のビールを飲む割合が相対的に高くなっています。新ジャンルにおいては、女性50代が27.0%と最も高く、女性40代(25.0%)と女性60代(25.0%)が続き、中高年女性の割合が高い結果となりました。(図表2) ビール類を購入する時の気持ちを飲用ジャンル別(最もよく飲むと回答したビール類のジャンル別)にみると、ビール飲用者の76.0%が「このビール類のジャンルが好きで、積極的に選んでいる」と回答し、同ジャンルに対して自発的な選択が行われていることがうかがえます。また、発泡酒飲用者は「特に理由はないが、いつも同じジャンルを買っている」が44.0%と最も高く、習慣的な購買が中心であることがわかりました。そして、新ジャンル飲用者は「本当は別のジャンルが良いが価格や他の理由で選んでいる」が26.4%と、約4人に1人が妥協的な選択をしていることがうかがえます。(図表3) 2026年10月に予定されているビール類の酒税改正について、ビール類購入者の認知率は80.1%と大多数が認知している一方、「内容まで知っていた」は30.7%と3割にとどまる結果となりました。「内容まで知っていた」と回答した割合について、男女20代~30代がそれぞれ約4割と若年層における詳細認知が高い一方、女性50代は18.0%、女性60代は21.0%と情報浸透率が比較的低くなっています。(図表4) 酒税改正後のビール類の購入意向について聴取したところ、ビール飲用者の74.8%が「現在最もよく飲むジャンルを買い続けると思う」と回答する一方、発泡酒飲用者の同じ回答は51.2%、新ジャンル飲用者は51.1%と、継続して購入する意向があるのは約半数にとどまりました。また、「別ジャンルを購入するようになると思う」人は、発泡酒飲用者で32.8%、新ジャンル飲用者で30.9%と、ビール飲用者の17.3%を大きく上回っています。(図表5) 上記に加えて、「ビール類の飲用シーン」や「最もよく飲むジャンルに対する観点別の満足度」について聴取しています。 【全調査結果は、以下よりダウンロードいただけます】 普段飲むアルコール飲料の種類(複数回答) ビール類の飲酒頻度(単一回答) ビール類の購入場所(複数回答) ビール類の飲用シーン(複数回答) ビール類購入時の重視点(複数回答) よく飲むビール類のジャンル(複数回答) 最もよく飲むビール類のジャンル(単一回答) よく飲むビールのブランド(複数回答) よく飲む発泡酒のブランド(複数回答) よく飲む新ジャンルのブランド(複数回答) 最もよく飲むジャンルに対する観点別の満足度(単一回答) 最もよく飲むジャンルを購入するときの気持ち(単一回答) 最もよく飲むジャンルの購入頻度(単一回答) 同じジャンルを購入し続ける理由(複数回答) 購入ジャンルを変えるきっかけ(単一回答) 酒税改正の認知(単一回答) 酒税改正後の購買ジャンル変化意向(単一回答) 酒税改正後も同じジャンルを飲み続けるシーン(単一回答) 酒税改正後もジャンルを変えない理由(複数回答) 引用・転載時のクレジット表記のお願い 本リリースの引用・転載時には、必ず当社クレジットを明記いただけますようお願い申し上げます。 <例>「株式会社エクスクリエが実施した調査によると・・・」 本リリースに関するお問い合わせ先 株式会社エクスクリエ リサーチサポート部 嶋津 TEL : 03-6261-0178  FAX : 03-6859-2341  E-mail : excrie-press@excrie.co.jp 【全調査結果は、以下よりダウンロードいただけます】

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推し活実態に関する調査(2026年)

株式会社クロス・マーケティンググループのグループ会社でソーシャル&セールスプロモーションサービスを展開する株式会社エクスクリエ(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:小笠原 亨)は、全国15歳~69歳男女(1,440人)を対象に「推し活実態に関する調査(2026年)」をWeb アンケートにて2026年5月28日(木)に実施しました。 推し活ジャンルは「漫画・アニメキャラクター」が最多、女性10代は38.3%が「アイドル」推し ミュージシャンやスポーツ選手は長期ファンが多数、VTuber は「1年未満」の新規層が多い 企業コラボ商品、VTuber・アイドル・ゲームキャラクター・漫画・アニメキャラクターファンは約6割が購入経験あり 企業コラボ商品購入後は「コレクション」や「SNS 投稿」 企業コラボ後のリピート購入は7割前後、VTuberファンでは83.3% 【全調査結果は、以下よりダウンロードいただけます】 現在推し活をしているジャンルとして、「漫画・アニメキャラクター」が15.2%で最も高く、2024 年の15.1%からほぼ横ばいで推移しています。女性10代は「アイドル」が38.3%と全セグメントの中で最も高い結果となりました。(図表1) 推し活歴はジャンルによって異なり、ミュージシャンとスポーツ選手は「10年以上」の割合がそれぞれ43.1%、37.8%と、他ジャンルより長期層の割合が高くなっています。一方、VTuberは「1年未満」の合計割合が最も高く、新規層が比較的多くなっています。(図表2) 企業コラボ商品やサービスの購入・利用経験が「ある」と回答した割合は、VTuber が62.1%と最も高く、次いでアイドル(59.3%)、ゲームキャラクター(59.2%)、漫画・アニメキャラクター(58.9%)と、4つのジャンルで6 割前後となっています。(図表3) 企業コラボ商品の購入後の行動として、「コレクションとして飾る・保管した」と「SNS に購入報告・写真を投稿した」はほとんどのジャンルで割合が高くなりました。「SNS に購入報告・写真を投稿した」はゲームキャラクターが他ジャンルより高く、「SNSに使用・利用後のレビューを投稿した」はVTuber が他ジャンルより高い結果となりました。(図表4) 企業コラボ後のブランド・企業商品のリピート購入経験は、ほとんどのジャンルで約7 割となり、VTuberは83.3%と8割を超えています。(図表5) 上記に加えて、「推し活仲間の有無」や「推し活にかかる月平均金額」について聴取しています。 【全調査結果は、以下よりダウンロードいただけます】 現在推し活をしているジャンル(複数回答) 最も熱量を注いでいる推し活ジャンル(単一回答) 推し活歴(単一回答) 具体的な推し活のアクション(複数回答) 推し活で最も費用をかけていること(単一回答) 推し活における情報収集経路(複数回答) 推し活仲間の有無(複数回答) 推し活仲間と一緒に行ったこと(複数回答) 推し活にかかる月平均金額(単一回答) 推し活による消費行動の変化(複数回答) 購入経験のある推しグッズ(複数回答) 推しグッズ購入時の重視点(複数回答) 企業コラボ商品の購入経験(単一回答) 購入経験のある企業コラボ商品のジャンル(複数回答) 企業コラボ商品購入後の行動(複数回答) 企業コラボ後のブランド・企業商品のリピート購入経験(単一回答) 企業コラボに対する不快感の有無(単一回答) 企業コラボに不快感を抱いた理由(複数回答) 引用・転載時のクレジット表記のお願い 本リリースの引用・転載時には、必ず当社クレジットを明記いただけますようお願い申し上げます。 <例>「株式会社エクスクリエが実施した調査によると・・・」 本リリースに関するお問い合わせ先 株式会社エクスクリエ リサーチサポート部 嶋津 TEL : 03-6261-0178  FAX : 03-6859-2341  E-mail : excrie-press@excrie.co.jp 【全調査結果は、以下よりダウンロードいただけます】

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朝食習慣と意識に関する実態調査(2026 年)

株式会社クロス・マーケティンググループのグループ会社でソーシャル&セールスプロモーションサービスを展開する株式会社エクスクリエ(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:小笠原 亨)は、全国15 歳~69 歳男女(1,200 人)を対象に「朝食習慣と意識に関する実態調査(2026 年)」をWeb アンケートにて2026 年5 月21 日(木)~22 日(金)に実施しました。 【全調査結果は、以下よりダウンロードいただけます】 朝食を週6〜7 日食べる人は57.3%、20 代では朝食抜きが目立つ 一人暮らしの約半数は朝食の頻度が週1 日以下 朝食を食べる人の約9 割が「朝食は重要」と回答、食べない層は約3 割にとどまる 朝食を食べる頻度が高い人ほど、朝食内容と日中のパフォーマンスへの満足度が高い 女性20〜30 代は朝食内容と日中のパフォーマンスへの満足度が低い傾向 本レポートでは、朝食を食べる頻度について、週 2 日以上食べると回答した人を「食べる層」、週 1 日以下(まったく食べない場合を含む)と回答した人を「食べない層」として区分しています。 朝食を食べる頻度について、週6〜7 日食べると回答した人は57.3%でした。年代が上がるほど食べる層(週2 日以上)の割合が高くなる一方、食べない層(週1 日以下)は20 代で40.5%と、20 代における朝食抜きが目立つ結果となっています。(図表1) 朝食を食べる頻度について、同居家族がいる世帯では食べる層(週2 日以上)の割合が約8 割であるのに対し、一人暮らしでは53.4%にとどまっています。一人暮らしの約半数は朝食を食べる頻度が週1 日以下であり、同居家族がいる世帯と比べて朝食を抜く傾向があります。(図表2) 朝食の総合的な重要度について、食べる層(週2 日以上)の90.3%が「重要である」と回答しているのに対し、食べない層(週1 日以下)では33.2%にとどまっており、大きな差があります。特に健康面での重要度については、59.5 ポイントの差が生じています。(図表3) 食べる層(週2 日以上)は、現在の朝食内容に対する満足度が81.1%、日中のパフォーマンスに対する満足度が82.9%と、いずれも8 割を超えています。一方、食べない層(週1 日以下)はどちらも5〜6 割程度にとどまっており、食べる層を大きく下回っています。(図表4) 現在の朝食内容に満足していると回答した人は全体で73.4%でした。女性50〜60 代や男性60 代では8 割を超えている一方、女性20〜30 代は満足度が6 割台と相対的に低くなっています。また、日中のパフォーマンスへの満足度は全体で77.2%であるのに対し、女性20~30 代は7 割を下回っています。(図表5) 上記に加えて、「朝食を食べない理由」や「朝食選びの重視点」について聴取しています。 【全調査結果は、以下よりダウンロードいただけます】 朝食を食べる頻度(単一回答) 朝食の主食の種類(単一回答) 主食以外で朝食に食べているもの・飲んでいるもの (複数回答) 朝食の用意の仕方(単一回答) 朝食準備にかかる時間(単一回答) 朝食を一緒に食べる人(複数回答) 朝食を食べる頻度の変化(単一回答) 朝食内容の変化(単一回答) 朝食を食べる理由(複数回答) 朝食を食べない理由(複数回答) 朝食選びの重視点(複数回答) 朝食の重要度(単一回答) 3 食のうち重要だと思うもの(単一回答) 現状の朝食内容に対する満足度(単一回答) 日中のパフォーマンスに対する満足度(単一回答) 朝食を食べることで感じる影響(複数回答) 引用・転載時のクレジット表記のお願い 本リリースの引用・転載時には、必ず当社クレジットを明記いただけますようお願い申し上げます。 <例>「株式会社エクスクリエが実施した調査によると・・・」 本リリースに関するお問い合わせ先 株式会社エクスクリエ リサーチサポート部 嶋津 TEL : 03-6261-0178  FAX : 03-6859-2341  E-mail : excrie-press@excrie.co.jp 【全調査結果は、以下よりダウンロードいただけます】

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たんぱく質・プロテインドリンクに関する意識・実態調査(2026年)

株式会社クロス・マーケティンググループのグループ会社でソーシャル&セールスプロモーションサービスを展開する株式会社エクスクリエ(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:小笠原 亨)は、全国15歳~69歳男女(1,800人)を対象に「たんぱく質・プロテインドリンクに関する意識・実態調査(2026年)」をWebアンケートにて2026年4月23日(木)~24日(金)に実施しました。 【全調査結果は、以下よりダウンロードいただけます】 約8割がたんぱく質摂取を重要だと思っているものの、意識して摂取している人は約5割にとどまる たんぱく質摂取のきっかけや目的は「健康意識」が中心、女性10代はダイエット目的が多い 高たんぱく表示食品を月に数回以上食べる人は約3割、「食べたことがない」が過半数を占める プロテインドリンクを月に数回以上飲む人は18.3%、若年層の飲用頻度が多い プロテインドリンクに対するイメージは「運動・筋トレをしている人が飲むもの」が最多 たんぱく質を摂ることを「重要だと思う」と回答した人は78.1%と約8割である一方(図表1)、実際に「意識して摂取している」と回答した人は51.4%となりました(図表2)。 たんぱく質摂取を意識するようになったきっかけは「健康への関心が高まったから」(32.7%)が最も多くなりました。また、女性10代は「ダイエットを始めたから」が他年代と比べ多くなっています(図表3)。たんぱく質を摂取する目的についても、全体では「健康維持・増進のため」が43.1%で最も多い一方、女性10代は「ダイエット・体型維持のため」が最も多くなりました(図表4)。 高たんぱく表示食品を月に数回以上食べる人は29.1%と約3割であり、「食べたことがない」は52.7%と過半数を占めています。10代の摂取頻度が最も高く、年代が上がるにつれて「食べたことがない」の割合が増える結果となりました。(図表5) プロテインドリンクを月に数回以上飲む人は18.3%であり、「飲んだことがない」が61.8%と約6割を占めています。10~20代の飲用頻度が相対的に高く、年代が上がるにつれて飲用頻度は下がっています。「以前は飲んでいたが、今は飲んでいない」は30~40代で高い結果となりました。(図表6) プロテインドリンク(粉末や紙パックタイプ)に対するイメージとして「運動・筋トレをしている人が飲むもの」が25.9%と最も多く、次いで「価格が高い」(22.4%)、「アスリートやスポーツ選手が飲むもの」(19.5%)が続く結果となりました。(図表7) 上記に加えて、「たんぱく質食品を選ぶ際の重視点」や「たんぱく質のイメージ」について聴取しています。 【全調査結果は、以下よりダウンロードいただけます】 普段の食事で気をつけていること(複数回答) たんぱく質に対する重要意識(単一回答) たんぱく質の摂取状況(単一回答) たんぱく質源として食べている食品(複数回答) たんぱく質を意識して摂るタイミング(複数回答) たんぱく質を意識するようになったきっかけ(複数回答) たんぱく質の摂取目的(複数回答) たんぱく質食品を選ぶ際の重視点(複数回答) たんぱく質のイメージ(複数回答) たんぱく質摂取の障壁(複数回答) 高たんぱく表示食品の摂取頻度(単一回答) 普段食べている高たんぱく表示食品(複数回答) 高たんぱく表示食品を食べない理由(複数回答) 高たんぱく表示食品の今後の摂取意向(単一回答) プロテインドリンクに対するイメージ(複数回答) プロテインドリンクの飲用頻度(単一回答) 飲用しているプロテインドリンクの種類(複数回答) プロテインドリンクの飲用タイミング(複数回答) 飲用しているプロテインドリンクブランド(複数回答) プロテインドリンクを飲まない理由(複数回答) プロテインドリンクの今後の飲用意向(単一回答) 引用・転載時のクレジット表記のお願い 本リリースの引用・転載時には、必ず当社クレジットを明記いただけますようお願い申し上げます。 <例>「株式会社エクスクリエが実施した調査によると・・・」 本リリースに関するお問い合わせ先 株式会社エクスクリエ リサーチサポート部 嶋津 TEL : 03-6261-0178  FAX : 03-6859-2341  E-mail : excrie-press@excrie.co.jp 【全調査結果は、以下よりダウンロードいただけます】

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日常生活・買い物における生成AI 活用実態調査(2026年)

株式会社クロス・マーケティンググループのグループ会社であるソーシャル&セールスプロモーションサービスを展開する株式会社エクスクリエ(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:小笠原 亨)は、生成AI を月 1 回以上利用している全国 15 歳~69 歳男女(1,190 人)を対象に「日常生活・買い物における生成 AI 活用実態調査(2026 年)」を Web アンケートにて 2026 年 4 月 24 日(金)~27 日(月)に実施しました。 【全調査結果は、以下よりダウンロードいただけます】 月 1 回以上の生成 AI 利用率は約 4 割、10 代の利用頻度が高い 現在生成 AI を利用している人の約 3 人に 2 人が頻度上昇を実感、10 代で「大きく増えた」が多い 生成 AI のイメージは「検索エンジンの代わり」が最多、女性 10~20 代は「アシスタント」「相談相手」「話し相手」が多い 生成 AI 利用者の約 7 割が買い物での活用経験あり、自分に合う商品の絞り込みや情報収集に利用 生成 AI で調べた・おすすめされた商品やサービスを購買した人は、生成 AI を活用した買い物経験者のうち約 6 割、利用頻度が高いほど購買経験率が高い 生成 AI 活用により 2 割超の人が買い物時間の短縮や新たな商品との出会いを実感 スクリーニング調査(全国に住む 15 歳~69 歳男女 5,825 人)において、生成 AI ツールを月 1 回以上利用している人は全体の 40.6%と約 4 割でした。一方、「利用したことがない」は 51.8%と過半数を占めています。月1回以上の利用率を年代別にみると、10 代が他年代より高い結果となりました。(図表 1) スクリーニング調査(現在生成 AI を利用していると回答した全国に住む 15 歳~69 歳男女=2,649 人)において、67.6%がおよそ 1 年前と比べて利用頻度が「増えた(計)」と回答しました。「大きく増えた」に着目すると、10 代が他年代より高くなっています。(図表 2) 生成 AI を月 1 回以上利用していると回答した人(n=1,190、以下「生成 AI 利用者」)に、生成 AI に対するイメージ・価値を聴取したところ、「検索エンジンの代わり」(30.9%)が最多となりました。また、「アイディアや考えを整理してくれる相談相手」と「悩みや気持ちを話せる話し相手」は女性 10~20 代が比較的高くなっています。(図表 3) 生成 AI 利用者のうち、商品・サービスの買い物において生成 AI を活用したことがある人は 69.9%と、約 7 割でした。具体的な活用場面は「自分に合う商品・サービスの絞り込み」(18.2%)が最も高く、「商品・ サービスの仕様や機能の詳しい説明」(17.3%)と「口コミ・レビューの収集・要約」(17.3%)が続いて います。(図表 4) 商品・サービスの買い物において生成 AI を活用したことがある人(n=832)のうち、生成 AI で調べたり、おすすめされたりした商品・サービスを実際に購入・利用したことが「ある(計)」と回答した人は61.3%でした。生成 AI の利用が高頻度である層ほど購買経験率が高くなっています。(図表 5) 商品・サービスの買い物において生成 AI を活用したことがある人に、買い物において生成 AI を活用し始めて感じた変化を聴取したところ、「商品・サービス選びにかかる時間が短縮された」(20.4%)と「自分では見つけられなかった商品・サービスに出会えた」(20.1%)がそれぞれ 2 割超となりました。また、「生成 AI の情報が正しいか不安になった」(17.2%)や「検索エンジンで情報収集をする頻度が減った」(17.1%)ことも一定数の人が感じています。(図表 6) 上記に加えて、「生成 AI 利用による行動・気持ちの変化」や「買い物において生成 AI に相談したいこと」 について聴取しています。 【全調査結果は、以下よりダウンロードいただけます】 生成 AI ツールの利用頻度(単一回答) 1 年前と比較した生成 AI ツール利用頻度の変化(単一回答) 利用している生成 AI ツール(複数回答) 生成 AI を使う場面・用途(複数回答) 生成 AI に対するイメージ・価値(単一回答) 生成 AI 利用による行動・気持ちの変化(複数回答) 普段の買い物で億劫なこと(複数回答) 買い物時に最初に使う情報収集手段(単一回答) 買い物における生成 AI の活用場面(複数回答) 生成 AI を活用した買い物ジャンル(複数回答) 買い物時の生成 AI への質問スタイル(複数回答) 買い物時に生成 AI と併用した情報収集媒体(複数回答) 生成 AI の情報をもとにした購買経験(単一回答) 生成 AI で調べた後の購買チャネル(複数回答) 買い物での生成 AI 活用による行動・気持ちの変化(複数回答) 買い物における生成 AI 活用への気持ち(複数回答) 買い物において生成 AI に相談したいこと(複数回答) 引用・転載時のクレジット表記のお願い 本リリースの引用・転載時には、必ず当社クレジットを明記いただけますようお願い申し上げます。 <例>「株式会社エクスクリエが実施した調査によると・・・」 本リリースに関するお問い合わせ先 株式会社エクスクリエ リサーチサポート部 嶋津 TEL : 03-6261-0178  FAX : 03-6859-2341  E-mail : excrie-press@excrie.co.jp 【全調査結果は、以下よりダウンロードいただけます】

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コンビニエンスストアにおける店頭・商品施策の購買影響調査(2026年)

株式会社クロス・マーケティンググループのグループ会社でソーシャル&セールスプロモーションサービスを展開する株式会社エクスクリエ(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:小笠原 亨)は、コンビニエンスストアを週1回以上利用している全国15歳~69歳男女(1,198人)を対象に「コンビニエンスストアにおける店頭・商品施策の購買影響調査(2026年)」をWebアンケートにて2026年3月30日(月)~ 4月8日(水)に実施しました。 【全調査結果は、以下よりダウンロードいただけます】 コンビニの店内回遊、10代は他年代と比べて「とりあえず一周」「その日の気分で自由に」 非計画購買(ついで買い)は6割以上が経験、若年女性層では7割超 購買への影響度が最も高いのは、「クーポンが発行されている商品」 店頭・商品施策は「認知・興味喚起」への影響が大きく、「商品棚の目立つ位置」が他施策より影響力がある コンビニ店内の回遊方法として、全体では「ある程度決まったルートだが、気になる売場は立ち寄る」が35.2%と最も高い割合となりました。10代は「とりあえず一周する」と「その日の気分で自由に回る」の割合が他年代と比べて高くなっています。(図表1) 非計画購買(ついで買い)をする頻度を聞いたところ、61.1%が「ある(よくある+ときどきある)」と回答しました。性年代別では、女性10代が73.0%、女性20代・30代が共に72.0%と、若年女性層でついで買いをする割合が特に高くなっています。(図表2) コンビニで買い物をする際、店頭・商品施策の影響で商品を購入することがあるか聞いたところ、「ある(よくある+ときどきある)」の割合は「クーポンが発行されている商品」(64.4%)が全施策中で最も高くなりました。次いで「商品棚の目立つ位置に置かれている商品」(56.6%)、「キャンペーン対象の商品」(54.3%)と続いています。(図表3) 店頭・商品施策が商品の認知から購買にどのような影響を与えているか聞いたところ、全施策を通じて「商品を知るきっかけになった」と「商品に興味を持った・手に取った」が高く、認知・興味喚起の段階への影響が比較的大きいことがわかりました。特に、「商品棚の目立つ位置に置かれている商品」は、この認知・興味喚起の2項目がともに全施策の中で最も高くなっています。(図表4) 上記に加えて、「 非計画購買(ついで買い)の理由」や「SNS・動画サービス起点の購買行動パターン」について聴取しています。 【全調査結果は、以下よりダウンロードいただけます】 コンビニの利用頻度(単一回答) コンビニをよく利用する曜日(複数回答) コンビニをよく利用する時間帯(複数回答) よく利用するコンビニの店舗(複数回答) コンビニで購入する商品ジャンル(複数回答) コンビニで購入する商品ジャンルの購入量の変化(単一回答) 購入する商品の事前計画購買度合い(単一回答) 購入計画を立てる際に参考にする情報源(複数回答) 店内の回遊方法(単一回答) 店頭・商品施策の影響による商品購入頻度(単一回答) 店頭・商品施策の影響による商品認知から購買経験(複数回答) 非計画購買(ついで買い)の発生頻度(単一回答) 非計画購買(ついで買い)をする商品ジャンル(複数回答) 非計画購買(ついで買い)の理由(複数回答) 普段利用しているSNS・動画サービス(複数回答) SNS・動画サービス起点の購買行動パターン(複数回答) 引用・転載時のクレジット表記のお願い 本リリースの引用・転載時には、必ず当社クレジットを明記いただけますようお願い申し上げます。 <例>「株式会社エクスクリエが実施した調査によると・・・」 本リリースに関するお問い合わせ先 株式会社エクスクリエ リサーチサポート部 嶋津 TEL : 03-6261-0178  FAX : 03-6859-2341  E-mail : excrie-press@excrie.co.jp 【全調査結果は、以下よりダウンロードいただけます】

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買い物における選択疲れと買い物スタイルの実態調査(2026年)

株式会社クロス・マーケティンググループのグループ会社でソーシャル&セールスプロモーションサービスを展開する株式会社エクスクリエ(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:小笠原 亨)は、全国15歳~69歳男女(1,800人)を対象に「買い物における選択疲れと買い物スタイルの実態調査(2026年)」をWebアンケートにて2026年3月19日(木)~ 20日(金)に実施しました。 【全調査結果は、以下よりダウンロードいただけます】 買い物における選択疲れを経験した人は46.5%、女性は全年代で半数超え 買い物における選択疲れの要因は「商品の種類・選択肢が多い」が42.2%で最多 買い物で選ぶのに疲れたら「価格が安いものを購入する」が最多、女性は購入を先送りにする傾向も 買い物では「失敗したくない」が8割超え 40代以降は「できるだけ効率的に買い物を済ませたい」が増加する 買い物は「自分で選んだものを買いたい」が8割超、若年層ほど「誰かがおすすめしたものを買いたい」割合が高い 買い物における選択疲れの経験を聴取したところ、46.5%(「よくある」+「ときどきある」)が選択疲れを経験していると回答しました。性年代別では、女性10代の経験率が56.0%と最も高くなっています。また、男性より女性のほうが選択疲れの経験率が高く、女性の全年代で半数以上が選択疲れを経験しています。(図表1) 買い物で「選ぶのに疲れた」と感じる理由を聴取したところ、「商品の種類・選択肢が多い」が42.2%と最も高く、次いで「購入後に失敗や後悔をしたくない」が41.9%となっています。(図表2) 買い物で「選ぶのに疲れた」と感じた時の行動を聴取したところ、全体では「価格が安いものを購入する」が31.4%と最も高く、次いで「以前に使ったことがある商品を購入する」が25.9%となっています。「購入を先送りにする・諦める」については、男性より女性の方が高い結果となりました。(図表3) 買い物をするときの実際の行動や気持ちを聴取したところ、買い物をするときは「失敗したくない」が80.6%と8割を超えています。また、「直接手に取って確認してから購入する」が66.6%、「情報収集をしてから購入する商品を決める」が66.9%となっています。(図表4) 買い物をするときの効率性に対する気持ちを聴取したところ、若年層は「じっくり時間をかけて選びたい」が高い一方、40代以降は「できるだけ効率的に買い物を済ませたい」が過半数となっています。(図表5) 買い物をするときの選択の主体性に対する気持ちを聴取したところ、「自分で選んだものを買いたい」が82.9%、「誰か(専門家・インフルエンサー・AI等)がおすすめしたものを買いたい」は17.1%となっています。また、若年層ほど「誰か(専門家・インフルエンサー・AI等)がおすすめしたものを買いたい」の割合が高い結果となりました。(図表6) 上記に加えて、「選択疲れを感じたことがある商品ジャンル」や、選択疲れと密接な関係があり、新たな消費トレンドとして注目の「メンパ(メンタルパフォーマンス)の認知度」について聴取しています。 【全調査結果は、以下よりダウンロードいただけます】 日常生活における選択疲れの場面と程度(単一回答) 買い物における選択疲れの経験(単一回答) 買い物全般における選択疲れ要因(複数回答) 買い物全般における選択疲れ時の行動(複数回答) 自分で購入する商品ジャンル(複数回答) 選択疲れを感じたことがある商品ジャンル(複数回答) 商品ジャンル別の選択疲れ要因(複数回答) 商品ジャンル別の選択疲れ時の行動(複数回答) 選択疲れ時に購入の決め手になった要素(複数回答) メンパ(メンタルパフォーマンス)の認知度(単一回答) 買い物における選択の意識と傾向:商品確認の方法(単一回答) 買い物における選択の意識と傾向:購入前の情報収集(単一回答) 買い物における選択の意識と傾向:買い物の効率性(単一回答) 買い物における選択の意識と傾向:選択の主体性(単一回答) 買い物における選択の意識と傾向:選択肢の量(単一回答) 買い物における選択の意識と傾向:失敗への態度(単一回答) 買い物におけるAI相談の経験(単一回答) AIに相談したことがある商品ジャンル(複数回答) 買い物においてAIに相談した内容(複数回答) 買い物の相談をAIにすることに対する気持ち(複数回答) 引用・転載時のクレジット表記のお願い 本リリースの引用・転載時には、必ず当社クレジットを明記いただけますようお願い申し上げます。 <例>「株式会社エクスクリエが実施した調査によると・・・」 本リリースに関するお問い合わせ先 株式会社エクスクリエ リサーチサポート部 嶋津 TEL : 03-6261-0178  FAX : 03-6859-2341  E-mail : excrie-press@excrie.co.jp 【全調査結果は、以下よりダウンロードいただけます】

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ドラッグストアにおける店頭・商品施策の購買影響調査(2026年)

株式会社クロス・マーケティンググループのグループ会社でソーシャル&セールスプロモーションサービスを展開する株式会社エクスクリエ(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:小笠原 亨)は、ドラッグストアを週1回以上利用している全国15歳~69歳男女(1,128人)を対象に「ドラッグストアにおける店頭・商品施策の購買影響調査(2026年)」をWebアンケートにて2026年3月16日(月)~ 23日(月)に実施しました。 【全調査結果は、以下よりダウンロードいただけます】 ドラッグストアでのついで買い経験は6割以上、「お菓子・スイーツ」が最多 「クーポンが発行されている商品」は購入頻度が他施策よりも高い 「商品棚の目立つ位置に置かれている商品」は商品認知・興味喚起への影響が大きい 「キャラクターコラボ」「試供品」「デジタルサイネージ」は若年層の購入率が高い SNSや動画サービスで見た商品、若年層ほど「買いたいと思って店舗へ」 ドラッグストアにおける非計画購買(ついで買い)の頻度を聴取したところ、「ある(よくある+ときどきある)」と回答した割合は61.7%でした。特に、女性40代が77.0%と最も高くなりました。(図表1) 非計画購買(ついで買い)をする商品ジャンルは、「お菓子・スイーツ」が62.1%と最も多く、次いで「食品(お菓子は含めない)」が42.1%となり、食料品のついで買いが多い傾向があります。(図表2) 店頭・商品施策の影響による商品購入頻度を聴取したところ、「クーポンが発行されている商品」を購入すること「ある(よくある+ときどきある)」と回答した人は63.5%と、他施策より高い結果となりました。(図表3) 店頭・商品施策の影響による商品認知から購買経験について聴取したところ、「商品棚の目立つ位置に置かれている商品」は、「商品を知るきっかけになった」が29.0%、「商品に興味を持った・手に取った」が36.3%と、他施策よりも影響力が大きい結果となりました。また、「クーポンが発行されている商品」は「予定していなかったが購入した」が22.0%と、他施策より高くなっています。(図表4) 「キャラクターとコラボしている商品」は、若年層の購入率が高い結果となりました。「試供品が配られている商品」と「店頭のデジタルサイネージで紹介されていた商品」は、どちらも20代の購入率が最も高くなっています。(図表5) SNSや動画サービスで見た商品の購買行動パターンを聴取したところ、「SNSや動画サービスで見た商品を意図して買ったことはない」が44.3%であり、年代が上がるほど割合が高くなりました。一方、「SNSや動画サービスで商品を見て『買いたい』と思い、ドラッグストアに行って買った」の割合は若年層ほど高くなっています。(図表6) 上記に加えて、「非計画購買(ついで買い)の理由」や「購入する商品の事前計画度合い」について聴取しています。 【全調査結果は、以下よりダウンロードいただけます】 ドラッグストアの利用頻度(単一回答) ドラッグストアをよく利用する曜日(複数回答) ドラッグストアをよく利用する時間帯(複数回答) よく利用するドラッグストアの店舗(複数回答) ドラッグストアで購入する商品ジャンル(複数回答) ドラッグストアで購入する商品ジャンルの購入量の変化(単一回答) 購入する商品の事前計画購買度合い(単一回答) 購入計画を立てる際に参考にする情報源(複数回答) 店内の回遊方法(単一回答) 店頭・商品施策の影響による商品購入頻度(単一回答) 店頭・商品施策の影響による商品認知から購買経験(複数回答) 非計画購買(ついで買い)の発生頻度(単一回答) 非計画購買(ついで買い)をする商品ジャンル(複数回答) 非計画購買(ついで買い)の理由(複数回答) 普段利用しているSNS・動画サービス(複数回答) SNS・動画サービス起点の購買行動パターン(複数回答) 引用・転載時のクレジット表記のお願い 本リリースの引用・転載時には、必ず当社クレジットを明記いただけますようお願い申し上げます。 <例>「株式会社エクスクリエが実施した調査によると・・・」 本リリースに関するお問い合わせ先 株式会社エクスクリエ リサーチサポート部 嶋津 TEL : 03-6261-0178  FAX : 03-6859-2341  E-mail : excrie-press@excrie.co.jp 【全調査結果は、以下よりダウンロードいただけます】

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スーパーマーケットにおける店頭施策の購買影響調査(2026年)

株式会社クロス・マーケティンググループのグループ会社でソーシャル&セールスプロモーションサービスを展開する株式会社エクスクリエ(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:小笠原 亨)は、スーパーマーケットを週1回以上利用している全国15歳~69歳男女(1,756人)を対象に「スーパーマーケットにおける店頭施策の購買影響調査(2026年)」をWebアンケートにて2026年2月24日(火)~ 26日(木)に実施しました。 【全調査結果は、以下よりダウンロードいただけます】 スーパーでの買い物、約半数が「買うカテゴリーは決めているが、具体的な商品は店頭で決める」 「商品棚の目立つ位置にある商品」を購入する人は64.4%、認知から購入までの各段階で影響力が大きい 若年層ほど「デジタルサイネージ」「キャラクターコラボ」「キャンペーン」による商品購入率が高い 計画購買層ほど店頭施策の影響が大きく、「商品は店頭で決める」層は予定外購入が多い ついで買いをする人は65.3%、「商品は店頭で決める」層で特に多い スーパーマーケットで購入する商品の事前計画度合いを聴取したところ、「買うカテゴリーは決めているが、具体的な商品は店頭で決める」が約半数と最も多い結果となりました。「買う商品やブランドをある程度決めてから行く」は約3割、「あまり計画は立てずに、店頭で買うものを決める」は約2割でした。(図表1) 店頭施策(接点)の影響による商品購入頻度を聴取したところ、「商品棚の目立つ位置に置かれている商品」を購入することが「ある(よくある+ときどきある)」と回答した人は64.4%で、他の施策よりも高い結果となりました。(図表2) 「商品棚の目立つ位置に置かれている商品」は、商品認知、興味、購入の各段階において、他施策よりも影響力が大きく、特に「予定していなかったが購入した」が比較的高い結果となっています。(図表3) 店頭施策(接点)の影響による商品購入頻度を年代別にみたところ、「キャンペーン対象の商品」「店頭のデジタルサイネージで紹介されていた商品」「キャラクターとコラボしている商品」は、若年層ほどよく購入していることが分かりました。(図表4) 商品認知から購入までの各段階における店頭施策(接点)の影響を、回答者の事前計画購買度合い別にみたところ、事前計画購買度合いが高い「買う商品やブランドをある程度決めてから行く」「買うカテゴリーは決めているが、具体的な商品は店頭で決める」層は、事前計画購買度合いが低い層よりも、商品認知、興味、購入の各段階において、店頭施策(接点)の影響が大きい結果となりました。また、「買うカテゴリーは決めているが、具体的な商品は店頭で決める」層は、いずれの施策においても予定外の購入の割合が他層よりも高くなっています。(図表5) 非計画購買(ついで買い)をする頻度を聴取したところ、「ある(よくある+ときどきある)」と回答した割合は65.3%でした。事前計画購買度合い別にみると、「買うカテゴリーは決めているが、具体的な商品は店頭で決める」層が72.0%と、ついで買いの発生頻度が最も高い結果となりました。(図表6) 上記に加えて、「購入計画を立てる際に参考にする情報源」や「非計画購買(ついで買い)の理由」について聴取しています。 【全調査結果は、以下よりダウンロードいただけます】 スーパーマーケットの利用頻度(単一回答) スーパーマーケットをよく利用する曜日(複数回答) スーパーマーケットをよく利用する時間帯(複数回答) よく利用するスーパーマーケットの種類(複数回答) スーパーマーケットで購入する商品ジャンル(複数回答) 購入する商品の事前計画度合い(単一回答) 購入計画を立てる際に参考にする情報源(複数回答) 店内の回遊方法(単一回答) 店頭施策(接点)の影響による商品購入頻度(単一回答) 店頭施策(接点)の影響による商品認知から購買経験(複数回答) 非計画購買(ついで買い)の発生頻度(単一回答) 非計画購買(ついで買い)の理由(複数回答) 普段利用しているSNS・動画サービス(複数回答) SNS・動画サービス起点の購買行動パターン(複数回答) 引用・転載時のクレジット表記のお願い 本リリースの引用・転載時には、必ず当社クレジットを明記いただけますようお願い申し上げます。 <例>「株式会社エクスクリエが実施した調査によると・・・」 本リリースに関するお問い合わせ先 株式会社エクスクリエ リサーチサポート部 大島、嶋津 TEL : 03-6261-0178  FAX : 03-6859-2341  E-mail : excrie-press@excrie.co.jp 【全調査結果は、以下よりダウンロードいただけます】

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転売問題でブランドを毀損しないために|ブランドマネージャーのための販促防衛戦略

人気キャラクターとのコラボ販促を打ったとき、「初日で完売・転売ヤーが殺到・コアファンが買えず怒る」という経験をお持ちではないでしょうか。 短期の出荷数字は達成されても、ブランドへの信頼は静かに失われています。2026年現在、AI検索の普及によってネガティブな口コミはより広く・長く残るようになりました。一方で、転売問題への対策は「数量制限」という物理的な壁に留まっているケースが多く、根本解決には至っていません。 この記事では、販促品転売問題の本質的なリスクを整理したうえで、ID-POSデータを活用した「転売ヤー排除・コアファン優先」の防衛戦略と、小売バイヤーを巻き込む現場実装の方法をお伝えします。 限定コラボ品が転売され、本当に届けたいコアファンを失望させていませんか? >>転売ヤーを防ぎ、LTVを高めるデータ戦略はこちら ブランドを襲う「転売バズ」の罠 消費財(FMCG)や食品・医薬品業界において、人気IPとのコラボ販促は強力な集客手段です。 当社の調査(2026年6月)によると、VTuber・アイドル・ゲーム・漫画・アニメキャラクターのファンでは、企業コラボ商品の購入経験が約6割(VTuberファンで62.1%)にのぼります。IPの熱量がそのまま購買の熱量に直結するからこそ、需要が一点に集中し、転売の温床にもなりやすいのです。 関連記事:【自主調査レポート】推し活実態に関する調査(2026年) しかし2026年現在、この手法はブランドの長期的な信頼を損なう構造的なリスクへと変わっています。 その典型が、日本マクドナルドのハッピーセットを巡る騒動です。2025年8月の「ポケモン」トレーディングカード配布では、転売目的の大量購入が初日で在庫を枯渇させました。さらに、カード目当てで購入された食品が大量廃棄・放置される食品ロス問題が発生し、消費者庁から改善要望が出るまでの事態に至っています。 この教訓を受けて、2026年5月の「ちいかわ」コラボでは、フリマアプリのメルカリが発売日から約1か月間、対象商品の出品を全面禁止する異例の措置を取りました。プラットフォーム側が介入せざるを得ないほど、転売トラブルによる実害リスクが高まっていたのです。 出典:メルカリ、5月15日販売開始の日本マクドナルド社の「玩具付録」を出品禁止決定 ブランドマネージャー(BM)が陥りやすい罠は、まさにここにあります。限定コラボ品が完売すれば、短期の出荷実績(Sell-in)やKGIは達成され、社内での評価は一時的に上がります。しかしその裏では、本来届けたい子どもたちやコアファンが商品を手にできず、ブランドへの強い失望を抱えています。目先の数字に引きずられることは、ブランドの将来価値を前借りしているに等しいのです。 なぜ転売問題はブランドの「未来」を破壊するのか? 転売による不満の蓄積は、デジタル空間におけるブランド・エクイティ(ブランドが持つ資産価値)への致命傷になります。その背景には、2026年の検索環境の大きな変化があります。 GoogleのAI Mode・AI Overviews(AIO)の普及により、ユーザーの検索行動は「順位競争」から「信頼の競争」へとシフトしました。AIが検索結果を要約して回答を提示する環境では、ユーザーが外部サイトをクリックせずに検索を終える「ゼロクリック化」が進んでいます(Ahrefsの調査では、AIOが表示されたクエリでCTRが約38%低下)。この時代にAIから信頼される情報源として認識されるための指標が、ウェブ上でのオーガニックな言及、すなわち「サイテーション(第三者による引用・紹介)」です。 転売ヤーによる買い占めは、このサイテーション構造を汚染します。純粋な顧客による購入体験の口コミが消え、「買えなかった」「売り切れで廃棄」といったUGC(ユーザー生成コンテンツ)がウェブ上に蓄積されます。その結果、検索サジェストやAIの回答にネガティブな情報が定着してしまう可能性があります。 とりわけ、チャレンジャーブランドにとってこのリスクは深刻です。カテゴリーリーダーのように全方位のマスマーケティングにリソースを投じられないからこそ、熱狂的なコアファン一人ひとり(N=1)の定着とLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の最大化が生命線になります。転売バズでコアファンを失望させることは、デジタル市場における信頼を永続的に失うことと同義です。 物理的な「購入制限」だけでは勝てない 転売対策として、ブランドや小売側はさまざまな物理的防衛策を講じてきました。「1グループ1会計あたり3セットまで」といった数量制限や、モバイルオーダーの一時停止などがその代表例です。しかし、こうした対症療法には明確な限界があります。 まず、現場オペレーションへの負荷が深刻です。数量制限のチェックや、強引な購入を試みる転売ヤーへの対応は、店頭スタッフに大きなストレスを与えます。次に、トレードマーケティングへの影響があります。急な販売チャネルの制限は、物流スケジュールや棚効率の計画を乱します。そして最大の問題は、転売ヤーが複数人の買い子を動員すれば、アナログな購入制限は簡単に突破されてしまうことです。 物理的な「壁」を高くするだけでは、転売ヤーの行動意欲を削ぐことはできません。コアファンに商品を届けるという本質的な目的は、この方法では達成できないのです。 「商品軸のバズ」から「顧客軸のLTV」へのデータ変革 転売問題を根本から解決するには、マーケティングのデータ評価基準を「商品軸のPOS」から「顧客軸のID-POS」へ移行させることが必要です。 POSデータが「何が売れたか」を記録するのに対し、ID-POSデータは「誰が、いつ、どのくらいの頻度で、何と一緒に買ったか」を可視化します。たとえるなら、POSはレジのレシートの集計であり、ID-POSはお得意様台帳のデジタル版です。このデータを活用すれば、限定販促品を「早い者勝ち」にするのではなく、自社のロイヤル顧客に優先して届けることができます。 その成功モデルとなるのが、カルビーが実施した「リテールDX」の実証実験です。同社は、購買履歴であるID-POSデータと店内の行動を捉えるビーコン技術を掛け合わせ、機械学習を用いて「未購入だが購入可能性の高い潜在顧客層」を予測・抽出しました。このデータに基づきターゲットを絞ってアプローチした結果、従来の手動抽出と比較して5.7倍という極めて高い購買率を達成しています。 この手法を販促品の配布に応用することで、以下のような「販促防衛策」が可能になります。 「早い者勝ち」から「ロイヤル顧客優先」へ 単なる数量制限ではなく、ID-POSデータから自社ブランドを継続購入している「ロイヤル顧客(RFM分析における上位層)」を特定します。 優先購入権のデジタル配布 特定した優良顧客に対し、アプリを通じて限定品の「購入優先デジタルクーポン」を事前配布します。これにより、転売ヤーが複数人を動員するアナログな買い占めを無効化し、LTV(顧客生涯価値)の高いコアファンへ確実に商品を届けられます。 アルゴリズムによる転売ヤーの排除 不自然な購買行動や急造アカウントを機械学習で検知し、配布対象から自動的に除外することで、ブランドの信頼を守るデジタルな防壁を構築できます。 ブランドマネージャーが守るべきは、転売によって膨らんだ一時的な出荷数字ではなく、「感情を持ったファン」との絆です。ID-POSを活用した「ファンへの継続的な気遣い」こそが、AI検索時代においても推奨され、選ばれ続けるブランドを育てる道となります。 出典:カルビー、リテールDX実証実験で購買率5.7倍を達成 「ブランドの理想」と「店頭の現実」を繋ぐトレードマーケティング 高度な販促防衛戦略も、社内の営業部門や小売チェーンのバイヤーとの摩擦を乗り越えなければ実装できません。組織内の調整が、戦略実行のラストマイルになります。 ブランドマネージャーが「IPコラボの世界観」を訴えても、現場のバイヤーが気にするのは「転売トラブルの回避」と「オペレーション負荷の軽減」です。この認識のずれを解消するには、提案のロジックを「集客施策」から「小売店の経営効率に資するデータ提案」へと翻訳する必要があります。 バイヤーを動かすロジックは、たとえば次のように言語化できます。「当ブランドの公式アプリと御社の会員データをID-POSで連携し、高単価・高頻度で来店するロイヤルショッパーにのみ優先クーポンを配信します。御社の優良顧客の他店への流出を防ぎながら、併買によるバスケット単価の向上にも貢献します。さらに、店頭での買い占めトラブルや廃棄リスクをデジタル設計で排除します」。ショッパーインサイト(買い物客の心理・行動の洞察)を数字で示し、小売店のファン維持にも貢献するWin-Winの構造を提示することで、初めてブランドの理想は店頭の現実と接続されます。 まとめ:ブランドマネージャーが守るべきは、目先の数字ではなく「感情を持ったファン」 成熟したコモディティ市場でカテゴリー2番手以降のブランドが生き残る道は、一過性のバズを追い続けることではありません。届ける相手(WHO)と届ける価値(WHAT)を明確にした、ブランドパーパス(ブランドの存在意義)への回帰こそが、持続的な成長の鍵です。 花王のKANEBOは、「美ではなく、希望を発信する(I HOPE.)」というパーパスを掲げ、多様な個人の美を肯定するメッセージを発信し続けることで強固なファンベースを構築しました。サントリーはファンコミュニティ「マル・デ・シャイン」を通じて、顧客を購買データとしてではなく「感情を持ったファン」として理解し、深い絆でLTVを最大化しています。 実際に当社の調査(2026年6月)でも、企業コラボをきっかけにそのブランドの商品をリピート購入した経験を持つファンは多くのジャンルで約7割にのぼり、VTuberファンでは83.3%に達しています。コラボは一過性の話題づくりではなく、熱量の高いファンに正しく届けば継続的な購買、すなわちLTVへと転化する。だからこそ、その入口を転売ヤーに奪わせてはならないのです。 関連記事:【自主調査レポート】推し活実態に関する調査(2026年) データはあくまで、顧客を大切にするための手段です。ID-POSや不正検知アルゴリズムで転売ヤーを静かに排除し、ブランドを愛するコアファン一人ひとりに商品を確実に届ける。その継続的な「ファンへの気遣い」の姿勢こそが、AI検索時代においても推奨され、選ばれ続けるブランドを育てる道です。

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インフレ下における特売(価格訴求)依存から脱却するための4ステップ

日本のFMCG(日用消費財)・医薬品市場で、カテゴリー2番手以下を担うブランドマネージャー(以下BM)は今、構造的な板挟みに置かれています。経営層からは「利益を守れ」と求められ、営業現場からは「特売予算がなければ棚を維持できない」と突き上げられる状況です。 この記事では、2026年のインフレ環境を前提に価格競争から脱却して「独自の価値」で選ばれるための実践的な手順を解説します。ID-POSデータの活用法から、リテールメディアの設計、AI検索時代のブランド防衛まで、現場で使える考え方を順を追って紹介します。 インフレによる値上げで、競合の特売に対抗できずお悩みですか? >>価格競争から抜け出し、独自の価値で選ばれるための戦略はこちら 過酷なインフレによる原料高騰 2026年現在、複合的なコスト高がメーカーの収益構造を直撃しています。原材料費の世界的な高騰、歴史的な円安、2024年問題以降に高止まりする物流コスト、過去最高水準の人件費——これらが重なり合い、主要メーカーは2026年4月と6月に相次いで値上げを断行しました。 たとえば味の素は6月納品分よりスープ容器品種などの出荷価格を約15〜17%引き上げ、明治もプロテインなど計21品を約6〜28%値上げしています。こうしたコスト高を転嫁するための値上げは不可避です。しかし値上げを実施した途端、営業現場からは「競合の特売に対抗するための値引き原資を増やしてほしい」という声が高まります。ブランド価値の維持と、小売店の現実的な要求の間で、BMは孤独な決断を迫られています。 価格訴求への依存は「ブランドの死」を招きかねない カテゴリー首位ブランドと2番手以下との間には、資本力・棚占有率・調達コストにおける構造的な格差があります。首位ブランドは規模の経済により製造・調達コストを極限まで抑えています。この格差を前提に、チャレンジャーブランドが価格競争に踏み込むことは、自らに不利な土俵で戦うことを意味します。 価格訴求の弊害は、競合との消耗戦にとどまりません。繰り返しの特売は、消費者が持つ「この商品はこの価格が妥当」という内部参照価格(心理的な値ごろ感)を引き下げ、ブランドエクイティ(ブランドの資産価値)を長期的に毀損します。さらに小売バイヤーの視点では、特売でしか動かない商品は粗利を圧迫する存在です。特売依存を続けた商品は「デリスト(棚落ち)」の候補に挙がりやすくなります。 消費者側の視点でも、価格は「選ばれる理由」の一部に過ぎません。当社の調査(2026年4月)によると、買い物で選択疲れを感じたときの行動は「価格が安いものを購入する」が31.4%で最多である一方、「以前に使ったことがある商品を購入する」も25.9%と僅差で続きます。疲れた消費者が最後に手を伸ばすのは、必ずしも「最安値」ではなく「使い慣れたブランド」でもあるのです。裏を返せば、価格でしか想起されないブランドは値引き合戦から抜け出せず、「迷ったときの定番」として想起されるブランドは、価格を下げずに選ばれる余地を持ちます。 関連記事:【自主調査レポート】買い物における選択疲れと買い物スタイルの実態調査(2026年) 価格訴求から脱却するための4ステップ 特売に頼らずブランド価値を守るには、「顧客価値の再定義」「データを活用した商談設計」「店頭との連動」「AIを見据えた検索戦略」の4つのステップが必要です。以下、それぞれを順に解説します。 ステップ1:「HOW(特売)」から「WHO/WHAT(顧客価値)」への捉え直し 追い詰められた局面では、つい「どんな販促ツールを使うか(HOW)」という戦術の話に飛びつきがちです。しかし先に問うべきは、「誰をコア顧客とするか(WHO)」「その顧客にどんな独自ベネフィットを届けるか(WHAT)」という根本的な問いです。 チャレンジャーブランドが差別化を図る起点は、顧客がまだ言葉にできていない「潜在的な課題」を先に発見することにあります。顧客の課題は大きく4つに分解できます——人の不足(サポートやコミュニティの欠如)、手段の不足(独自技術や成分の欠如)、情報の不足(意思決定に必要なデータの欠如)、カネの不足(ライフサイクルコストの高さ)。これらを起点に、首位ブランドが「全方位展開するがゆえに対応できない隙間」を突くことで、独自のポジションを確立できます。 たとえばモスバーガーは、マクドナルドが「低価格・超スピード」の標準化路線をとるのに対し、「比較的高価格・注文後調理・国産野菜へのこだわり」という逆張りの価値提案で確固たるファンを獲得しています。リーダーが効率を優先するほど、その外側には特定の顧客にとって価値ある隙間が生まれます。 ステップ2:ID-POSデータを武器にした「カテゴリー成長提案」への転換 営業担当者がバイヤーとの商談で「自社商品の安さ」だけを訴えても、特売の要求に応じるだけで終わります。商談のパワーバランスを変えるには、バイヤーが最も重視する「カテゴリー全体の粗利・在庫回転率・棚効率」の改善提案へと議論をシフトさせる必要があります。 その武器となるのがID-POS(Individual Data-Point of Sale)データ——購買者の識別情報と紐づいた購買履歴データです。カルビーのリテールDX実証実験では、ID-POSデータを機械学習で分析し、「未購入だが購入可能性の高い潜在顧客層」を予測しました。この手法により、手動抽出と比較して5.7倍の購買率を達成しています。また「逆引き併買分析」——小売店が売りたい生鮮食品を起点に「同時購買される自社商品」を特定するアプローチ——も有効です。「この肉を購入する顧客の○%が、自社のプレミアム調味料を同時購買している」というデータをバイヤーに示せば、単品値引き不要のクロスMD(関連陳列)提案が成立します。バイヤーにとっては客単価・粗利総額が上がり、メーカーにとっては値引きなしの売上が確保できる「三方よし」の構造が商談を有利に進める鍵です。 出典:カルビー、リテールDX実証実験で購買率5.7倍を達成 ステップ3:2026年版リテールメディアを活用した「ラストワンマイル」の支配 リテールメディアとは、小売業者が持つ顧客データと広告枠を活用したデジタル広告の総称です。2026年現在、ECサイト内(オンサイト)の広告枠にとどまらず、外部SNSなどを横断する「オフサイト広告」へと展開が広がっています。ただし、小売側から提案されるリテールメディア出稿が事実上の棚代(棚を確保するための負担)となり、ROIの算出基準が不透明になりがちな点には注意が必要です。 店頭接点そのものの購買影響力も見過ごせません。当社の調査(2026年3月)によると、スーパーマーケットで「商品棚の目立つ位置に置かれている商品」を購入する人は64.4%にのぼり、認知・興味・購入のいずれの段階でも他施策より影響が大きく、「予定していなかったが購入した」割合も高くなっています。さらにデジタルサイネージやキャンペーン、キャラクターコラボ経由の購入は若年層ほど高い傾向にあります。値引きに頼らずとも、店頭での「見え方」と「接点設計」が非計画購買を生み出すことを示す結果です。 関連記事:【自主調査レポート】スーパーマーケットにおける店頭施策の購買影響調査(2026年) この課題を乗り越えるには、デジタル広告と実店舗の購買動線を一体化した設計が求められます。花王グループのKATEが手がけた「ラッシュバースト」マスカラのローンチはその好例です。TikTok動画での認知から、全国のドン・キホーテ店内の大型サイネージ・店内放送への連動、そして「majicaアプリ」を通じた購入者への自動サンキューメール・デジタルインセンティブ配信まで、一連の購買体験を設計しました。この施策がバイヤーに評価された理由のひとつは、「店舗スタッフに余分なオペレーション負荷をかけていない」点にあります。現場の手間を増やさずに高い販売実行力を実現したことで、長期的な棚の固定獲得に成功しています。 出典:KATE「ラッシュバースト」店頭連動OMOキャンペーン ステップ4:AI検索本格化時代における「指名検索数」の獲得 SEO(検索エンジン最適化)の環境は大きく変わっています。GoogleのAI Overviews(AI要約機能)の普及により、検索結果の約4割がAI要約だけで完結する「ゼロクリック化」が加速しています。従来型の「キーワードを詰め込んで上位表示を狙う」SEOは機能しにくくなってきました。 この環境でブランドを守るには、AIが「信頼できる情報源」として引用する存在になる必要があります。具体的には、プレスリリース・SNS・第三者レビューを通じてWeb上でブランド名が言及され続ける「サイテーション(第三者による引用・言及)」の獲得が有効です。競合の特売広告にクリックを奪われない「指名検索キーワード」の防衛と育成が、プレミアムブランドへの昇華を支える基盤となります。 まとめ:データと独自価値を掛け合わせた戦略で、特売依存から脱却する カテゴリー2番手以下のBMが特売依存から脱却するには、まず戦術(HOW)ではなく顧客価値(WHO/WHAT)の再定義から始める必要があります。そのうえでID-POSデータを活用したカテゴリー成長提案、リテールメディアの効果的な活用、AI検索時代への対応を加えた4つのステップを実行することで、値引き圧力に左右されないブランドの土台が築けます。 AIやデジタルツールによる戦術的な効率化を進めることで、BMは「現場の一次情報収集」と「ブランドの独自価値の構築」に集中できるようになります。インフレが続く中でも自社ブランドの価値を守り抜くために、データと自社ブランドへの深い理解を掛け合わせた判断を積み重ねていくことが求められています。

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物流・店頭の人手不足に対応するSRP(シェルフレディパッケージ)の進化

「本社で練り上げたブランド戦略が、店頭では全く伝わっていない」「バイヤーとの商談で値引き以外の武器が見つからない」——消費財(FMCG)や医薬品メーカーのブランドマネージャー(BM)やトレードマーケティング(TM)担当者から、こうした声をよく聞きます。 人手不足が慢性化した2026年の店頭では、バイヤーの評価基準に変化が起きています。単品の売上ランキングだけでなく、「その商品は店舗スタッフの作業負荷をどれだけ減らせるか」が、棚の維持・獲得を左右する要因になっています。この変化に正面から応える手段が、「SRP(シェルフレディパッケージ)」の進化です。 この記事では値引きや高コストな販促什器に頼らず、バイヤーから「この商品を棚から外したくない」と思わせるための2026年版SRP戦略を解説します。 バイヤーから値引きばかり要求されていませんか? >>店舗オペレーションの負荷軽減を武器に商談を有利に進めるアプローチはこちら ブランドが抱える3つのペインポイント 店頭の現場では、「理想」と「泥臭い現実」の間に深いギャップがあります。以下の3つは、多くのBM・TM担当者が直面している共通の課題です。 ① 「ブランドの世界観」が店頭で崩れる無力感 本社で練り上げたブランドアイデンティティも、店頭で商品が乱雑に積み上げられていては届きません。テレビCMやSNSで形成されたブランドイメージと、実際の陳列状態のギャップが、購買への心理的ハードルを高めます。人手不足の店舗スタッフに「常に前出し(フェイスアップ:商品を棚の手前に揃える作業)をしてほしい」と期待するのは、2026年の現場では現実的ではありません。ブランドへの投資が店頭で回収されないまま終わる構造が、依然として続いています。 当社の調査(2026年3月)によると、「商品棚の目立つ位置に置かれている商品」を購入することがある人は64.4%にのぼり、陳列状態そのものが購買を大きく左右することが分かっています。裏を返せば、乱雑な陳列やフェイスの乱れは、ブランドへの投資を店頭で目減りさせているということです。 関連記事:【自主調査レポート】スーパーマーケットにおける店頭施策の購買影響調査(2026年) ② 高コストな「販促什器」への現場からの拒絶 「今期は大型フロアディスプレイで目立たせよう」と計画しても、KAM(Key Account Manager:大手小売チェーンを担当する営業)やラウンダー(店頭巡回・陳列管理を代行する担当者)からの反発は避けられません。「現場で組み立てる時間がない」「通路を塞ぐ什器はバイヤーに断られる」「物流費だけで予算の大半が消える」——これらは例外的なケースではなく、多くの現場で繰り返される構造的な問題です。施策の意図と現場の実態がかみ合わず、予算と時間を消耗する悪循環が生まれています。 ③ 値引き以外の商談の武器が見当たらない焦燥感 「競合が値下げしてきた。リベートか販促費を積まないと配荷率(Numeric Distribution:自社商品を取り扱う店舗数の割合)が落ちる」——バイヤーとの商談でこう詰め寄られる場面は、多くのTM担当者にとって日常の光景です。値引きで棚を守っても、ブランドの利益率は削られ続けます。価格競争に依存しない「新しい価値のロジック」を商談の席で語れるかどうかが、持続的な配荷率の維持を左右します。 SRPがもたらす3つの戦略的価値 SRP(シェルフレディパッケージ)とは、輸送用のダンボール(外箱)が、店頭に届いた後にそのまま陳列トレイとして機能するパッケージシステムです。「運ぶ箱」と「並べる棚」を一体化した設計で、開梱後に追加の作業なしで商品が綺麗に並んだ状態になります。この仕組みがチャレンジャーブランドの「弱者の兵法」になる理由は、次の3つの価値にあります。 ① 店舗スタッフの「品出し工数」を削減する 従来の輸送箱は開梱にカッターが必要で、商品を一つずつ棚に移す作業に多くの時間がかかりました。進化したSRPでは、ミシン目に沿って天面を剥がすだけで、即座に陳列トレイとして機能します。欧米の先進データでは、SRP導入により店頭の陳列・品出し作業時間を最大70%削減し、一時的な品切れを30%減少させた事例が報告されています。「スタッフの人件費削減」に直結するこの提案は、売上データだけでは語れない強力な商談材料になります。 ② ブランド世界観の均一再現とコスト削減を同時に実現する POPやアクリル什器を個別に発送すると、制作費・物流費・廃棄コストがかさみます。SRPでは、輸送箱そのものに高精細なグラフィック印刷やブランドロゴを施せるため、追加の販促ツールなしで全店舗に均一なブランド表現を届けられます。パッケージ自体がリテールメディア(小売業の広告媒体)の物理版として機能し、追加コストをかけずに広告を打つような設計です。ブランドの世界観を守りながら、販促費の圧縮にも貢献できます。 ③ データに基づくクロスMD(関連陳列)を低コストで実現する エクスクリエの同調査では、非計画購買(ついで買い)をする人は65.3%にのぼり、なかでも「具体的な商品は店頭で決める」層では72.0%と最も高くなっています。定番棚の外に設けた関連陳列は、この“その場で決まる需要”を取りこぼさない受け皿になります。 定番棚のゴールデンライン(ショッパーの視線が最も集まる棚の高さ:床から85〜150cm程度)をカテゴリーリーダーが占拠しているなら、チャレンジャーブランドの勝ち筋は「場所の変更」にあります。ID-POSデータ(購買履歴データ:誰が何をいつ買ったかが分かるデータ)を活用し、自社商品との併買傾向が高いカテゴリーの近くに、クロスMDを展開する戦略です。コンパクトで自立するSRPを使えば、野菜売場や惣菜売場の隙間に「ついで買い」を誘う陳列を、スタッフの手を借りずに構築できます。定番棚の外で戦う、チャレンジャーブランドならではの知略です。 日米欧豪におけるSRPの最新先進事例 世界的なパッケージングの潮流は、2025年から2026年にかけてさらに進化しています。大手資材メーカーの統合(Smurfit Westrockの誕生など)を背景に、グローバル基準のソリューションが日本国内にも本格的に流入しています。以下に、地域ごとの代表的な先進事例を紹介します。 トレンド1:サステナビリティとブランド表現の高度な融合(豪・Opal社) クラフトビールやプレミアムスピリッツといった「世界観が命」のカテゴリーで、環境配慮と美粧性を両立させたSRP設計が脚光を浴びています。オーストラリアの包装大手Opal社が2025〜2026年に展開した事例では、100%リサイクル可能なスマート段ボールを採用しながら、外箱を開いた瞬間に内側から鮮やかなブランドカラーが現れる構造を実現しています。プラスチック資材を排除しつつショッパーの衝動買いを引き出す視覚的インパクトを両立させたこの設計は、小売業のESG目標(環境・社会・ガバナンスに関する取り組み目標)にも合致し、バイヤーへの提案力を高めています。 トレンド2:メーカーの製造自動化と店頭省力化を同時に解決(日本トーカンパッケージ) 国内では、工場側の自動梱包ラインへの適合と、店頭での省力化を同時に解決する技術が進化しています。日本トーカンパッケージが推進する「2ピースカートン」型のシェルフレディパッケージは、工場の自動製函・充填ラインにスムーズに適合しながら、店頭では蓋(トップ)とトレー(ボトム)をワンタッチで分離するだけで陳列できます。袋物やスタンディングパウチ商品が棚で倒れないよう勘合(ホールド)性を計算した設計は、日本の細かい店頭オペレーション基準を満たしており、工場と店頭の両方の現場から支持を得ています。 出典:シェルフレディパッケージ(SRP)のメリットと導入のポイント トレンド3:棚の高さや陳列方法に可変対応するハイブリッド構造(クラウン・パッケージ「バリットボックス®」) 日本の狭小な売場や多様な棚割に柔軟に対応するため、可変型SRPが注目されています。クラウン・パッケージの「バリットボックス®」は、外箱のミシン目を選ぶことで、ゴールデンラインから手の届きにくい下段まで、ディスプレイの高さを変えられます。フックに吊り下げるハンガー什器やカウンターディスプレイとしても使える「1箱多役」の構造は、医薬品・化粧品・小型FMCG商材における配荷の「ラストワンマイル」を支えるインフラになっています。 出典:バリットボックス:輸送箱と陳列箱の機能を兼ね備えた、画期的なパッケージソリューション ブランドマネージャーが着手すべき3つのアクション SRPの導入をシェア拡大につなげるには、設計段階からの社内巻き込みと、現場での検証サイクルが欠かせません。BMとTM担当者が今日から動ける3つの実務アクションを整理します。 アクション1:パッケージを「コスト(資材)」から「マーケティング投資」に再定義する パッケージ開発を購買部門や製造部門に任せきりにすると、判断基準が「コストの安さ」に集約されてしまいます。BMがプロジェクトリーダーとして、R&D・工場・法務を早期に巻き込み、「これは配荷率を守り、販促費を削るためのマーケティング投資だ」という方針を社内に通す必要があります。初期設計の段階からSRPの要件を組み込むことで、後からの仕様変更コストを防ぎ、スムーズな量産移行につながります。 アクション2:商談資料に「店舗オペレーション削減のROI」を組み込む バイヤーへの商談で語るべきは、商品スペックではなく「御社スタッフの作業時間がどれだけ減るか」という定量的なメリットです。「この新設計のSRPで納品すると、品出し時間を週○時間削減できます。その時間を他の高利益率な売場運営に充てられます」というROI(投資対効果)を言語化することで、営業担当者の商談力が高まります。価格交渉ではなくオペレーション改善の提案として商談をリードできれば、値引き競争から自然に距離を置けます。 アクション3:ラウンダーとID-POSデータでPDCAを回す SRPを導入した後が本番です。現場(GEMBA)でSRPが正しく開梱され、トレイとして並んでいるかを、ラウンダー業者と連携して定期的に確認します。さらに、ID-POSやリテールメディアのデータを用いて、クロスMDによるトライアル(初回購買)獲得数や客単価の変化を追います。この検証データが次の棚割改定への提案材料となり、バイヤーとの長期的な信頼関係を積み上げる根拠になります。 まとめ:パッケージを「戦略の最前線」に据える SRPの進化の本質は、梱包技術の改善にとどまりません。小売業が求めているのは、「店舗の痛みを理解し、オペレーションの課題を共に解決してくれるパートナー」です。パッケージという「ラストワンマイル」に知略を込めることで、バイヤーから「一番に並べたい」と指名される関係性を作れます。まずは自社のパッケージが「コスト」として扱われているか「マーケティング投資」として扱われているかを確認するところから始めましょう。

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ナフサ不足によるパッケージ変更の光と影:「白黒化社会問題」から学ぶブランドの生存戦略

2026年春、日本のFMCG(Fast Moving Consumer Goods=日用消費財)業界を揺るがす問題が生じました。中東情勢の悪化に伴う「ナフサ不足」の影響で、パッケージ印刷に必要な有機溶剤やカラーインキが調達困難になっています。カルビーやカゴメといった大手メーカーでさえ、主力商品のパッケージを「白黒化」や「透明化」へ変更せざるを得ない状況です。 「パッケージの顔」とも言えるブランドカラーを失うことは、ブランドマネージャー(BM)やトレードマーケティング担当者には深刻な脅威に映るはずです。一方で、カテゴリーリーダーが長年積み上げてきた「ブランドカラーによる店頭での視覚的優位性」が強制的にリセットされる今は、リソースの限られたチャレンジャーブランドにとっての好機でもあります。 本記事ではパッケージ変更がもたらす「見つけづらさ(影)」と「話題性(光)」をショッパーインサイトから解説します。チャレンジャーブランドが取るべき逆張り戦略と、バイヤーを説得するためのデータロジックも紹介します。 パッケージ変更の危機をチャンスに変えたいですか? >>生活者のインサイトを突き、競合と差別化する「パーパス」の見つけ方はこちら 未曾有のインク枯渇とパッケージ変更を巡る「光と影」 2026年2月のホルムズ海峡の封鎖により、日本のナフサ供給網が揺らぎました。日本は基礎石油化学原料の8割超をナフサに依存しています。その供給が滞ったことで、日本の食品・日用品包装で主流の「グラビア印刷(凹版印刷の一種)」に必要な有機溶剤やカラーインキが枯渇し、パッケージ変更が相次ぐ社会問題へと発展しています。 これまでカテゴリーリーダーは、潤沢な広告予算で「ブランドカラー」を消費者に刷り込み、店頭の棚を色で埋め尽くすことで競合を排除してきました。いわば「色の優位性」こそが業界の競争ルールでした。しかしインク枯渇により、その優位性が強制的に失われようとしています。 この状況を乗り切るには、単に色数を減らすだけでは不十分です。事態を戦略的に活用する視点が、今まさに問われています。 パッケージ変更の「影」:ショッパーのタイパ志向を阻む店頭の罠 パッケージの色が失われることには、見逃せないネガティブな側面があります。現場で起こりうる具体的なリスクを整理します。 当社の調査(2026年3月)によると、スーパーでの買い物では約半数が「買うカテゴリーは決めているが、具体的な商品は店頭で決める」と回答しています。さらに「商品棚の目立つ位置に置かれている商品」を購入する人は64.4%にのぼり、店頭での視認性が認知から購入までの各段階で最も大きな影響力を持っていました。つまり「棚での見つけやすさ」こそが購買の分岐点であり、ブランドカラーの消失はこの優位性を直接損なうリスクをはらみます。 関連記事:【自主調査レポート】スーパーマーケットにおける店頭施策の購買影響調査(2026年) 現代の消費者は、効率よく買い物を終えたいという強いタイムパフォーマンス(タイパ)志向を持っています。色は脳に最も早く届く視覚情報の一つであり、直感的な購買判断を支える重要なサインです。その色が棚からなくなると、消費者は「いつもの商品」をすぐに見つけられず、数秒間の迷いが生じます。この迷いの瞬間こそが、競合製品への「ブランドスイッチ」の引き金となります。 当社の調査(2026年4月)では、買い物で選択疲れを経験した人は46.5%にのぼりました。疲れを感じたときの行動として「以前に使ったことがある商品を購入する」が25.9%を占めており、消費者が「見慣れた選択肢」に立ち返る傾向が確認できます。パッケージの色や見た目が変わり、この「いつもの目印」が失われると、消費者が競合へ流れるリスクもゼロではありません。 関連記事:【自主調査レポート】買い物における選択疲れと買い物スタイルの実態調査(2026年) さらに深刻なのは、小売バイヤーからの評価です。視認性の低下によって商品の「在庫回転率(Velocity)」が下がれば、バイヤーは定番棚からその商品をデリスト(棚落ち)させます。カテゴリーリーダーなら豊富な実績で棚を維持できるかもしれません。しかしチャレンジャーブランドにとって、回転率の低下は棚を失う直接的なリスクです。パッケージの白黒化に何の手も打たなければ、この「影」に飲み込まれます。 パッケージ変更の「光」:インク不足を逆手に取る「指名検索」創出 一方、この物理的な制約はデジタル領域でのブランド価値向上という「光」に転換できます。 見慣れた商品が「あえて白黒化・シンプル化」された事実は、消費者に強烈な違和感を与えます。これは強力なPRフックになりえます。「資材がないからの対応」で終わらせるのではなく、「物資不足の中でも届け続けるブランドの姿勢」や「環境への配慮」というパーパス(ブランドの存在意義)として発信することで、意味が変わります。SNS上での「エシカルなブランド」としての共感と、第三者による自然な言及(サイテーション)を生み出せます。 この流れが生まれれば、能動的な検索行動を引き出す「検索創出型マーケティング」を低コストで実現できます。またAIが情報を要約・回答するAI検索への最適化、いわゆる「AEO(回答エンジン最適化)」の観点でも、指名検索数やサイテーションの多さは大きな強みになります。AIに「信頼できる情報源」と認識されることで、店頭で迷った消費者が競合に流れるのを防ぐ効果が期待できます。 事例分析:パッケージ変更の現実と、戦略的刷新の先駆者たち 今回のナフサ不足に対応した企業と、以前から「意図あるパッケージ刷新」を実践してきたブランドを比較します。それぞれの判断と効果を、自社の戦略立案の参考にしてください。 1. 白黒化の現実:ナフサ危機を先読みした防衛的ブランディング コスト高騰という現実の中で、大手メーカーは「中身を守るためにパッケージを引き算する」判断を下しています。 カルビーの事例(ポテトチップス等14品) 2026年5月、カルビーは主力品のパッケージを「白黒基調(2色印刷)」に変更すると発表しました。インクの高騰で従来仕様では採算が合わなくなったためです。中身の品質と価格を維持しながら安定供給を続けるための「予防的な判断」と言えます。「値上げではなくパッケージの簡素化」というメッセージは消費者に好意的に受け止められ、話題化にも成功しています。 出典:中東情勢の影響による一部商品仕様見直しのお知らせ カゴメの事例(トマトケチャップ) 白インクの不足を受け、トマトのイラスト面積を大幅に減らして「透明化」する決断を下しました。「減らしたこと」自体がニュースバリューを生み、ブランドへの注目を集めています。 出典:カゴメトマトケチャップの外装パッケージのデザイン変更について 2. 意志ある刷新:制約を「パーパス」に転換した先行事例 もっともパッケージの「引き算」はナフサ不足のような制約がなくてもブランドが自らの意志で選び取り、成功させてきた例があります。今回の白黒化もこうした「意志ある刷新」と同じ発想で捉え直せば、単なるコスト対応ではなくパーパスを伝える機会に変えられます。 カネボウ化粧品「KANEBO」 カネボウは、ナフサ不足が表面化する以前から、「美ではなく、希望を発信する」というパーパスのもと、高級化粧品に多い華美なデザインを捨て「黒KANEBO」へと大胆に刷新してきました。外部要因ではなく自らの意志による転換で、美の固定観念を打ち破り、熱狂的なコアファンを獲得しています。制約の有無にかかわらず、「引き算」が明確なパーパスと結びついたとき、ブランドの独自性はむしろ際立つことを示す好例です。 ブランドが進めるべき「売場起点」のデータ・ロジック ここまでの事例を踏まえて、チャレンジャーブランドの担当者は社内や小売バイヤーをどう動かせばよいのでしょうか。感情論ではなく、データとロジックを武器にする2つのアプローチを紹介します。 ① CDT(消費者意思決定ツリー)の再検証 ID-POSデータを活用し、「自社の顧客は本当に『色』で選んでいたのか?」を検証します。CDT(Consumer Decision Tree)とは、消費者が購買を決定する際の優先順位を可視化するフレームワークです。「機能」「成分」「エシカルな姿勢への共感」で購買が決まっていることを証明できれば、「パッケージをシンプル化してもコアファンは離反しない」という客観的なロジックをバイヤーに示せます。 ② ESGとBCPを組み合わせた商談ストーリー 営業部門(KAM:主要顧客担当営業)が持つべきは、「パッケージが変わりました」という案内だけではありません。例えば、従来のグラビア印刷から溶剤をほとんど使わない「水性フレキソ印刷+ノンソルベントラミネート」などの環境配慮型包材へ移行し、それを武器にする方法があります。 「当社の新パッケージは、御社の売場のCO2排出量・VOC発生量の削減(ESG対応)に貢献します。石油由来溶剤への依存度が低いため、他社がインク不足で欠品する中でも、当社は安定して納品し続けられます(BCP保証)」 「売場全体のパフォーマンス向上」と「欠品リスクの回避」を組み合わせたこのストーリーが、カテゴリーリーダーから棚のフェース数を獲得する武器となります。 まとめ:色のない世界で、ブランドの「パーパス」が問われる パッケージから色が失われるという危機は、カテゴリーリーダーに有利だった市場のルールを変えようとしています。 予算やリソースが限られたチャレンジャーブランドだからこそ、「意味のある引き算」を素早く実行できます。コスト削減の「影」に怯えるだけでなく、顧客のインサイトを突いたパーパスを発信し、「光」をつかみにいく姿勢が求められます。すべてが白黒に近づく世界でこそ、ブランドが持つメッセージが、消費者の心に届きやすくなります。

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トレードプロモーションとは?リベート・インセンティブ・協賛金の仕組みから販促提案のコツまで解説

「自信を持って開発した新商品なのにバイヤー商談で採用が見送られ、店頭に並ばない」「営業部門に求められるがまま協賛金を出しているが、販促費がどこに消えているかわからない」。FMCG(Fast Moving Consumer Goods:日用消費財)や医薬品メーカーで、カテゴリー2番手以降のブランド(チャレンジャーブランド)を担当するブランドマネージャーやトレードマーケティング担当者の多くが、こうした悩みを抱えています。 圧倒的なシェアを持つカテゴリーリーダー(首位ブランド)が「カテゴリー全体の成長」を武器に棚を独占する中、チャレンジャーブランドが生き残るには、「値引き」や「お願い営業」を脱却する必要があります。 この記事では、リベートや協賛金といった流通対策費の仕組みを整理したうえで、バイヤーを動かす「勝てる販促提案」の作り方と最新トレンドまで、トレードプロモーションの全体像を解説します。 流通への協賛金が単なる「お付き合いコスト」になっていませんか? >>販促費のROIを可視化し、戦略的投資に変えるアプローチはこちら トレードプロモーションとは 実務に入る前に、「トレードプロモーション」の定義と関連用語との違いを押さえておきましょう。ここを整理することで、日々の業務が何のために行われているかが明確になります。①定義、②トレードマーケティングとの関係、③セールスプロモーション・ブランドマーケティングとの違いの3点を順に確認します。 ① トレードプロモーションの定義 トレードプロモーションとは、消費財メーカーが卸売業者や小売業者(以下、流通)に対して自社商品を積極的に仕入れ・販売してもらうために投下するインセンティブや販売促進活動のことです。商品が工場を出てから消費者の手に渡るまでの「流通」という経路を動かすための施策であり、消費者向け広告とは役割が異なります。バイヤーを動かす具体的な手段として、リベート・協賛金・店頭販促など多様な形態をとります。 ② 「トレードマーケティング」との関係 トレードプロモーションは、トレードマーケティングの「戦術的な実行手段」として位置づけられます。トレードマーケティングとは、流通業者とWin-Winのパートナーシップを築き、自社商品を売るための全体戦略(配荷戦略や棚割提案などを含む)を指します。一方、トレードプロモーションはその戦略を実行し、バイヤーやショッパー(買い物客)を実際に動かす個別の戦術です。戦略と戦術を区別して理解することで、「なぜこの施策をやるのか」という根拠を持った意思決定ができるようになります。 ③ 「セールスプロモーション(SP)」「ブランドマーケティング」との違い 販売促進活動(セールスプロモーション:SP)はターゲットによって「消費者向け」「社内営業向け」「流通向け」の3つに分類され、トレードプロモーションはこの「流通向けSP」の中核を担います。ブランドマーケティングが広告などで消費者の心に「欲しい」という需要を創出(Pull)する役割を持つのに対し、トレードプロモーションは店舗という購買の最前線で消費者の背中を押し、確実に購買行動へ変換(Push)する役割を担います。PullとPushは対立するものではなく、両者を組み合わせることで購買確率が高まります。 当社の調査(2026年3月)によると、スーパーマーケットでの買い物では「買うカテゴリーは決めているが、具体的な商品は店頭で決める」人が約半数(約5割)にのぼり、店頭こそが最終的な商品選択の主戦場であることがわかっています。だからこそ、Push施策の巧拙が売上を大きく左右します。 関連記事:【自主調査レポート】スーパーマーケットにおける店頭施策の購買影響調査(2026年) トレードプロモーションの主な種類と費用の仕組み トレードプロモーションは大きく「お金(経済的条件)」と「仕掛け(販売サポート)」の2つに分類されます。それぞれの施策が何を目的として存在するかを理解することで、費用の妥当性を自分で判断できるようになります。 ① 流通向け「価格」施策(経済的条件 / トレードアローワンス) バイヤーが最も重視する「店舗・カテゴリーの粗利」を直接支援する経済的インセンティブです。若手担当者がブラックボックスに感じやすい部分ですが、3種類を区別すると目的が見えてきます。 リベート(達成報奨金) 期間内の仕入目標や販売目標の達成度に応じて、メーカーから事後的に支払われる報奨金です。小売側の「継続的な販売意欲」を維持する目的があります。 インセンティブ(販売奨励金) 特売時の値下げ原資の補填や陳列コンテストの賞金など、特定の行動を促して短期的な山場を作るための支援金です。 協賛金(センターフィー等) 小売の物流センター運営費用やチラシ掲載料、新店オープン時の費用負担などです。良好な関係維持を目的としていますが、目的を見失うと単なる「値引き要求の隠れ蓑」になりやすい点に注意が必要です。 この3種類は発生タイミングと目的が異なります。自社の費用がどの分類に当たるかを整理するだけで、支出の妥当性を評価しやすくなります。 ② 流通向け「非価格」施策(店頭・デジタル販売サポート) 一見、消費者向けに見える施策ですが、本質は「メーカーが売るための仕掛けを用意することで、小売店の販売・集客の手間を肩代わりする」流通向けサポートです。経済的な条件だけでは差別化が難しい場面で、提案の質を高める手段になります。 店頭販売サポート(店頭プロモーション) サンプリング・エンド什器・POPの提供など。「お店側の品出しや演出の負担を減らし、勝手に売れる状態を作ります」という形でバイヤーへの提案材料になります。 共同集客サポート(共同販促・デジタル) 小売アプリやLINEを使った共同キャンペーン、リテールメディアへの広告出稿など。「メーカーの予算でお店への客数(送客)を増やします」というメリットを提示できます。 店頭施策の効果は数字にも表れています。エクスクリエの調査(2026年3月)によると、「商品棚の目立つ位置に置かれている商品」を購入したことが「ある」人は64.4%と、聴取した店頭施策のなかで最も高い水準でした。目立つ陳列やエンド什器の確保が購買に直結することを示すデータであり、バイヤーへの提案根拠として活用できます。 関連記事:【自主調査レポート】スーパーマーケットにおける店頭施策の購買影響調査(2026年) トレードプロモーションでぶつかりやすい「3つの壁」 実務の現場では、理想通りにプロモーションが進まないケースが頻繁に起こります。初学者がぶつかりやすい3つの壁とその背景にある構造的な原因を知っておくことで、対処の糸口が見つかります。 壁1:商品起点(スペック)の販促提案をしてしまう 「この商品は独自の〇〇成分を配合しており〜」と商品の良さを伝えても、バイヤーには響きません。バイヤーが判断するのは「このプロモーションを実施することで、カテゴリー全体の売上や店舗の粗利がどう上がるか」だからです。商品起点の提案は自社都合の説明になりやすく、商談での失注を招く原因になります。提案を設計する際は、まず「バイヤーが達成したい店舗課題は何か」を起点にストーリーを組み立てることで、この壁を越えられます。 壁2:社内調整による疲弊と「お付き合いコスト」化 「協賛金を出してでも配荷(棚)を取りたい」と主張する営業部門と、「ブランド価値を守る施策に予算を使いたい」と考えるブランド部門の対立は、トレードマーケティング担当者が常に直面する構造的な課題です。また、リベートや協賛金が長年の商習慣として固定化し、効果が不明なまま「やめられない固定費(お付き合いコスト)」と化しているケースも少なくありません。この問題の根本には、費用を「コスト」として扱うか「成果に連動した投資」として扱うかの共通言語が社内に存在しないことがあります。 壁3:ROI(投資対効果)のブラックボックス化 店頭販促費(POPや什器)と流通対策費(リベートや協賛金)が混在したまま管理されており、「どのプロモーションがどれだけ利益を生んだか」を把握できていない企業が多くあります。効果が見えなければ、次の施策への投資判断もできません。費用の分類を明確にし、施策ごとにROIを計測できる体制を整えることが、戦略的なトレードプロモーション運用への入口になります。 バイヤーを動かす「勝てる提案」の作り方 首位ブランドに対抗し、バイヤーに「Yes」と言わせる提案(セリングストーリー)はどう作るか。バイヤーインサイトの理解から条件交渉の組み立て、店舗オペレーション視点の活用まで、実践的な手順を整理します。 バイヤーインサイトの理解(2つの軸を満たす) バイヤーの意思決定は「売りたいか(課題払拭への期待)」と「売れるのか(購買の確信)」の2軸で構成されています。どちらか一方だけでは不十分で、両軸を同時に満たすストーリー設計が求められます。「売りたいか」の軸では、その施策がカテゴリーの客数・客単価への貢献や、店舗が抱える課題・チェーンの経営アジェンダの解決につながるかを示します。「売れるのか」の軸では、その商品がショッパーに確実に手に取られるという客観的な根拠を、POSのようなFact(事実)だけでなく「なぜ買うのか」というショッパーインサイト(Why)まで含めて提示します。2軸が揃ったとき、提案はバイヤーにとって「断りにくいもの」になります。 「値引き」を「戦略的投資」に変える条件交渉 営業に言われるがまま無条件で協賛金を支払うのをやめ、データを武器に成果連動型の条件を提示しましょう。 避けるべき例: 「チラシに入れてほしいので、特売原資として〇〇円出します」 目指すべき例: 「ID-POSデータから、深夜帯に御社の惣菜と当社飲料が併買される傾向があります。惣菜コーナー横でのクロス陳列の実行を条件に、インセンティブを提供します。これにより店舗の客単価が〇%上がります」 前者は「コストの肩代わり」にすぎませんが、後者は「店舗課題を解決するための投資」として位置づけられます。条件を設定することで、メーカーと小売の双方にとって費用対効果が可視化されます。 店舗オペレーションへの配慮 深刻な人手不足に悩む小売店にとって、「現場の手間削減」は金銭的な条件と同等以上に響く提案材料になります。例えば、カッター不要で箱のまま棚に並べられる「シェルフレディパッケージング(SRP:Shelf Ready Packaging)」の採用です。品出し時間の削減とゴミ出し作業の軽減を同時に実現するパッケージングは、現場スタッフの負担を直接減らし、バイヤーから選ばれる理由になります。費用条件以外のバリューを示せる提案は、他社との差別化にもつながります。 トレードプロモーションを加速させる最新トレンド テクノロジーの進化と小売業の変化を背景に、トレードプロモーションの手法も大きく変わりつつあります。実務に直結する2つの潮流を押さえておきましょう。 リテールメディアによるプロモーションの進化 小売業者が保有するファーストパーティデータ(購買履歴など)を活用したデジタル広告配信「リテールメディア」が急成長しています。実店舗のデジタルサイネージや小売アプリを通じて、「過去に類似商品を買った人」などにピンポイントで広告やクーポンを配信できます。従来の「不特定多数へのバラマキ」から「個客に合わせた高精度な店頭プロモーション」へのシフトが進んでおり、メーカーにとっては費用対効果の可視化が進み、小売にとっては広告収益という新たな収益源になるという構造から、双方にメリットがある取り組みとして普及が進んでいます。 こうしたシフトの背景には、消費者の「選択疲れ」もあります。当社の調査(2026年4月)によると、買い物で選択疲れを経験する人は46.5%にのぼり、疲れを感じたときには「価格が安いものを購入する」(31.4%)、「以前に使ったことがある商品を購入する」(25.9%)といった行動に流れやすいことがわかっています。膨大な選択肢のなかで“選ぶ負担”を減らす個客最適化された情報提示は、こうした消費者行動にも合致します。 関連記事:【自主調査レポート】買い物における選択疲れと買い物スタイルの実態調査(2026年) TPM(トレードプロモーションマネジメント)ツールの導入 ブラックボックス化していたROIを可視化するための、TPM(Trade Promotion Management:トレードプロモーション管理)ツールの導入が広がっています。サイロ化していた営業の実績データとマーケティング費用を一元管理し、AIを用いて「どの施策の費用対効果が最も高かったか」をシミュレーション・予実管理できます。これにより、どんぶり勘定だった販促費を施策ごとに分解し、次期計画への根拠ある投資判断が可能になります。 まとめ トレードプロモーション、特にリベートや協賛金といった流通対策費は、単なる「コスト」でも「悪しき慣習」でもありません。小売店と市場を共創するための「投資」として正しく設計・管理されてこそ、意味のある施策になります。 カテゴリー2番手以降のブランド(チャレンジャーブランド)がカテゴリーリーダーに対抗するためのカギは、バイヤー視点に立ち、ショッパーインサイトに基づいた提案を積み重ねることにあります。「バイヤーの経済的メリット(儲かるか)」と「ショッパーのインサイト(買いたくなるか)」の双方を起点に、データと店舗オペレーション視点を組み合わせた提案設計が、ブランドの生存戦略となります。

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インストアマーチャンダイジング(ISM)とは?客単価を上げる店頭づくりの基礎と成功事例

FMCG(日用消費財・Fast Moving Consumer Goods)や医薬品メーカーで、競合カテゴリー1番手ブランドに対して「何か手を打ちたいが、広告費では太刀打ちできない」と悩んでいる方は少なくないでしょう。テレビCMなどのマス広告で正面から対抗するのが難しい場面でも、消費者が実際にブランドを選ぶ「最後の1メートル」である店頭を科学的に攻略することで、勝機は十分に見えてきます。 この記事では、トレードマーケティングやメーカー営業の担当者に向けて、インストアマーチャンダイジング(ISM)の基礎知識から具体的な手法、そして小売バイヤーを動かすためのポイントまでを体系的に解説します。 客単価を上げる店頭の仕掛けが、現場で実行されずお困りですか? >>本部で決めた戦略を確実に売り場に落とし込む解決策はこちら インストアマーチャンダイジング(ISM)とは ISMとは、小売店舗での収益を科学的に最大化するための、戦略的マーケティング活動です。商品構成・陳列スペースの配分・POP(店頭販促物)の演出などを客観的データに基づいて設計し、来店客の購買行動を意図的に引き出すことを目的とします。「売り手側の都合で商品を並べる」のではなく、「顧客の購買心理と行動データに基づいて顧客体験を設計する」アプローチです。 売上最大化のロジック「客単価の方程式」 ISMの本質は、店頭での購買行動を数値で分解し、各変数を意図的に高めることにあります。客単価は次の方程式で表せます。 客単価 = 動線長 × 立寄率 × 視認率 × 買上率 × 買上個数 × 商品単価 動線長:来店客が店内を歩く総距離 立寄率:特定の棚の前に立ち止まる割合 視認率:立ち止まった棚で自社商品を認識する割合 買上率:商品を認識してから実際にカゴに入れる割合 買上個数:1回の買い物で購入する合計点数 商品単価:1品あたりの平均価格 この方程式が「掛け算」である点が重要なポイントです。どれか一つの変数が極端に低いと、他の変数をどれだけ高めても客単価全体は伸びません。たとえば、ゴールデンゾーン(目線の高さ付近の最も売れる棚位置)をカテゴリーリーダーに占有され、自社商品が手に取りにくい下段や売場の端に追いやられると視認率は大きく低下します。視認率が下がれば、その後の買上率をいくら磨いても掛け算の結果は頭打ちになります。 チャレンジャーブランドには、この最も低くなっているボトルネック変数をピンポイントで改善する戦術が求められます。たとえば、カテゴリー定番棚を避けて主通路沿いに商品を配置し直すことで、立寄率を底上げする方法がその典型です。 当社の調査(2026年3月)によると、スーパーの買い物客のうち「商品棚の目立つ位置に置かれている商品」を購入することがある人は64.4%にのぼり、店頭接点のなかで最も購入への影響力が大きい結果となっています。ゴールデンゾーンを押さえられるかどうかが、そのまま視認率と買上率を左右するのです。 関連記事:【自主調査レポート】スーパーマーケットにおける店頭施策の購買影響調査(2026年) なぜ今、ISMが重要なのか? ISMがカテゴリー2番手以降のブランドにとって有効な理由は、「店頭こそが最終的な購買決定の場である」という事実と、「マス広告よりも高いROI(投資利益率)」の2点にあります。この2点を正しく理解することで、限られた予算を店頭に集中させる合理的な根拠が得られます。 購買決定の大部分を占める「非計画購買(衝動買い)」 消費者の多くは、店舗に入った時点では購入するブランドを決めていません。流通経済研究所の調査によると、スーパーにおける非計画購買の割合は約77.4%に上ります。 同調査でも、スーパーの買い物客のうち「買うカテゴリーは決めているが、具体的な商品は店頭で決める」人は約半数を占め、非計画購買(ついで買い)を「する(よくある+ときどきある)」と回答した人は65.3%に達しました。買うカテゴリーを決めていても、最終的にどのブランドをカゴに入れるかは店頭に委ねられているのです。 つまり、マス広告での認知獲得でカテゴリーリーダーに後れをとっていても、店頭の仕掛け次第で消費者の最終判断を覆せます。テレビCMが「事前の手紙でのアプローチ」とすれば、店頭施策は「会う直前の一押し」です。購買直前という接触タイミングのぶん、影響力は格段に大きくなります。 メーカー視点での高い費用対効果(ROI) マス広告は認知獲得に有効ですが、購買意向のない層にもコストが発生します。ISMは「いまそのカテゴリーを買おうとして棚の前に立っている顧客」だけを対象にするため、プロモーション投資の無駄が少ない手法です。 限られた予算(P&L:損益責任)の中で確実な純増売上を生み出せるISMは、チャレンジャーブランドにとって費用対効果の高い選択肢です。同じ予算であっても、マス広告より店頭投資の方が購買転換率が高く、ROIが向上しやすい場面があります。 ISMを構成する2つの柱と4つの手法 ISMの施策は「インストアプロモーション(商品の露出・販促)」と「スペースマネジメント(動線と陳列の最適化)」の2本柱で構成されます。それぞれの柱の代表的な手法と、チャレンジャーブランドならではの活用戦術を以下で紹介します。 柱1:インストアプロモーション(商品の露出・販促) インストアプロモーションとは、店舗内での商品の訴求力を高めて購買を後押しする施策の総称です。価格による訴求と非価格による訴求の2種類があり、ブランドの状況に応じて使い分けることで、ブランド価値を守りながら売上を伸ばせます。 ① 価格主導型プロモーション 特売・値引き・バンドル販売(複数商品のまとめ売り)など、経済的なメリットを提示して購買を喚起する手法です。即効性は高い反面、単純な値引きはブランド価値を毀損するリスクがあります。 チャレンジャーブランドには、物流段階であらかじめ「まとめ買い用大容量パック」を加工して出荷する手法が有効です。店舗スタッフが値札を貼り替える手間なく陳列できるため店側に喜ばれ、エンドの目立つ展開枠を確保しやすくなります。 ② 非価格主導型プロモーション 価格を下げずに、商品の価値や使用体験をアピールする手法です。実演販売・POP広告・デジタルサイネージの設置などが該当します。価格に依存しないぶん、ブランド価値を維持しながら購買を促せます。 カテゴリーリーダーがカバーしきれていない「局所的な悩み」を切り出し、動画付きデジタルサイネージで訴求する「課題解決型エンド陳列」がチャレンジャーブランドには有効です。機能説明ではなく顧客の悩み解決から入ることで、意図的なブランドスイッチを促します。 柱2:スペースマネジメント(動線と陳列の最適化) スペースマネジメントとは、店舗レイアウトや棚配置を最適化して、顧客が自然に商品と出会う流れをつくる活動です。「客単価の方程式」の前半部分(動線長・立寄率・視認率)に直接作用し、ISMの基盤を支えます。 ③ フロアマネジメント/スペースアロケーション 店舗全体のレイアウトや主通路の配置を最適化し、顧客の回遊性を高める手法です。 カテゴリー棚で顧客を待つだけでなく、人通りの多い主通路や「マグネット商品(牛乳・卵など購買頻度の高い商品)」の近くに吊り下げ什器を置く提案がチャレンジャーブランドには有効です。自社製品への接触機会を動線そのものに組み込むことで、立寄率を底上げできます。 ④ シェルフマネジメント(棚割り) 目線に入りやすい「ゴールデンゾーン(床から約85〜150cm)」を意識して、最適な棚位置を割り当てる手法です。 競合カテゴリーリーダーがゴールデンゾーンを独占している場合には、異なるカテゴリーの棚を狙う「クロスマーチャンダイジング(関連する別カテゴリーとの相互陳列)」が有効です。定番棚での消耗戦を迂回し、別カテゴリーの棚で独占的な視認性を確保することで、少ないリソースで売上を伸ばせます。 インストアマーチャンダイジングの成功事例 事例1:カゴメ「鶏肉のトマト煮用ソース」のクロスマーチャンダイジング 調味料棚での視認率が低く、売上が伸び悩んでいた同商品は、精肉売り場(鶏肉コーナー)の真横に専用什器で関連陳列を実施しました。「今日の夕食は鶏肉のトマト煮」という具体的なメニュー提案と組み合わせた結果、ソースの売上は大幅に増加しました。小売店にとっても鶏肉の売上増につながるため、メーカーと小売が双方で利益を得るWin-Winの関係を構築できた事例です。 事例2:IKEAのワンウェイコントロール(動線誘導) 家具のような計画購買が多い商材は、顧客がレジへ直行しやすく客単価が伸び悩む傾向があります。IKEAは、リビングからキッチンまで全館を一本道の順路でつなぐ「ワンウェイコントロール」を採用しました。顧客を強制的に回遊させることで動線長と立寄率を高め、低単価・高利益率な生活雑貨の非計画購買を大量に誘発することに成功しています。 出典:「インストアマーチャンダイジング」とは?概念や事例、売上向上施策を紹介 ISMを成功に導くための3つのポイント 本部商談で決定した戦略も、実際の店頭で実行されなければ売上には繋がりません。店頭実現率を高めることが、ISMのROIを最大化する最後の関門です。ここでは、メーカー営業が現場の壁を乗り越えるための3つのポイントを紹介します。 ポイント①:小売店舗への「落とし込み」を徹底する 人手不足に苦しむ店舗スタッフは、複雑な什器の組み立てや細かい設置作業を負担に感じます。メーカー側がこの「設置コスト(手間)」を先回りして削減することで、設置率を大きく向上させられます。 具体的には、梱包外箱に成功事例やベネフィットを大きく明記して開封への抵抗を下げる方法が有効です。また、物流拠点で専用什器に商品をセットした状態で納品し「箱を開けて置くだけ」の状態にする方法も効果的です。現場スタッフの工数をゼロに近づけることで、設置率は劇的に改善します。 ポイント②:エリアや客層に合わせた「個店ケア」を行う 「ビジネス街の店舗」と「郊外のファミリー向け店舗」では、売れ筋や客層が全く異なります。全店舗に一律の戦略を押しつけると、現場の実態と乖離した提案になり、バイヤーとの信頼関係を損ないかねません。 ID-POSデータ(レジで蓄積される購買履歴データ)や商圏分析を活用し、「このエリアはシニア層が多いので、棚の中段に配置しませんか」といった個店ごとの提案を行いましょう。データに基づく仮説を持った個店提案は、バイヤーとの信頼関係(ブランド・トラスト)の構築につながります。 ポイント③:ラウンダーを活用して実行力を強化する 担当営業(KAM:Key Account Manager、主要取引先担当者)が全店舗をこまめに巡回し、売り場のメンテナンスや現場交渉まで一手に担うことには限界があります。担当店舗数が増えるほど、現場の実行品質は下がりやすくなります。 そこで、店舗巡回を専門とする「ラウンダー」の活用が有効です。ラウンダーは、本部指示の具現化・欠品チェック・エンドなど優位置展開の交渉・販促物の確実な設置を担います。データと組み合わせることで、KAMだけでは届かない現場実行の「ラストワンマイル」の品質が高まり、売上シェアの拡大につなげられます。 まとめ:データと現場の声を武器に、カテゴリーリーダーの牙城を崩す インストアマーチャンダイジングの核心は、売る側の論理ではなく「買う側の視点(顧客体験)」に立つことです。カテゴリー2番手以降のブランドにとって、カテゴリーリーダーと同じ土俵(広告投下量や価格競争)で戦うのは得策ではありません。 ID-POSなどのデータで「隠れた併買ニーズ」を掘り起こし、ラウンダーが集めたリアルな現場の声と組み合わせることで、小売バイヤーを動かす独自の販売ロジックが生まれます。仮説を立て、店頭で実行し、定量的に検証するPDCAサイクルを素早く回すことが、限られた資源で強者に勝ち、ブランドを成長させる道筋です。

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棚割り(プラノグラム)とは?フェイス数・ゴールデンゾーンなど陳列の基本ルール

「自社商品を少しでも目立つ場所に置きたい。でも、バイヤーへの提案がなかなか通らない……」 FMCG(日用消費財)や医薬品メーカーで営業・トレードマーケティングを担当している方、とくに市場シェアでトップを走るわけではない、カテゴリー2番手以降の「チャレンジャーブランド」の担当者にとって、店頭での棚の確保は切実な課題です。いくら優れた商品を開発しても、店頭でお客様の目に触れなければ、売上にはつながりません。 この記事では、「棚割りとは何か」という基礎知識から、小売店の棚の構造、バイヤーの心を動かし自社商品の棚シェアを拡大するための「データを根拠にした提案のコツ」まで解説します。 自社商品を少しでも良い棚に置きたいですか? >>バイヤーを納得させる、客観的なデータに基づいた「売れる理由」の作り方はこちら 棚割り(プラノグラム)とは 棚割りとは、スーパーマーケットやドラッグストアなどの小売店において、「どの商品を」「陳列棚のどの位置に」「どれだけの数量」配置するかを計画・決定することです。業界用語では「プラノグラム(Planogram)」とも呼ばれます。 棚割りには、大きく分けて2つの目的があります。1つ目は、お客様が目的の商品を迷わず見つけられる「買いやすさ」の提供です。2つ目は、有限な陳列スペースで売上と利益(粗利)を最大化する、小売業者にとっての「スペース効率の最適化」です。店舗の棚は1マスごとにコストがかかる「経営資源」であり、バイヤーはその配分に責任を持っています。 メーカーの担当者は自社商品を売り込みたいがゆえに「顧客視点」や「自社視点」に偏りがちですが、バイヤーが優先するのは「小売業としての収益最大化」という視点です。この認識の差を理解するだけで、提案のアプローチは大きく変わります。 棚割りを構成する4つの基本ステップ 棚割りは、空いたスペースに商品を詰め込む作業ではありません。以下の4つのステップに沿って、売場は論理的に構築されます。 ① 品揃え(アソートメント) まず、その店舗の商圏(地域特性や客層)、売場面積、過去の売上データをもとに「どの商品を扱うか」を選定します。対象カテゴリーの中で扱う種類の幅(例:シャンプーの香り・機能などの種類)と深さ(例:同一種類内のサイズ・容量)を決める、棚割り全体の土台となるステップです。ここでの選定が甘いと、以降のステップで最適化しても売上につながりにくくなります。 ② グルーピング 選定した商品を、お客様が探しやすいように分類してまとめます。用途(例:掃除用洗剤)、機能(例:カビ取り用)、メーカー、価格帯など、消費者の購買決定の優先順位に基づいてグループを作ります。グルーピングは「売場の地図づくり」とも言い換えられ、どのまとまりをどの順番で並べるかが、ショッパーの回遊性に直結します。 ③ ゾーニング グルーピングした商品の塊を、陳列棚(什器)の「どのエリア(ゾーン)」に配置するかを決定します。店舗内の客動線や視線の動きを考慮し、売れ筋商品をどこに置くかなど、大枠のレイアウトを設計するステップです。ゾーニングの良し悪しが、売場全体の「流れ」を左右します。 ④ フェイシング 最後に、商品を棚の最前列にいくつ並べるか(フェイス数)を決定します。売れ筋商品はフェイス数を多く(広く)確保して目立たせると同時に、品切れ(欠品)を防ぎます。逆に売れ行きの悪い商品はフェイス数を絞るか、カット(棚からの除外)の対象となります。 売上を左右する「ゴールデンゾーン」と陳列の法則 棚のどこに商品を置くかで、売れ行きは大きく変わります。代表的な3つの法則を紹介します。 売上の8〜9割が集まる「ゴールデンゾーン」 顧客が自然に立った状態で最も目につきやすく、商品を手に取りやすい高さの範囲を「ゴールデンゾーン」と呼びます。売上の8〜9割がこのゾーンに集中するとも言われ、主力商品・新商品・利益率の高い商品を配置するのが定石です。書店での「表紙を見せる陳列」が平積みよりも手に取られやすいように、棚でも「見える場所・取れる場所」に置かれた商品が圧倒的に選ばれやすくなります。 実際、当社の調査(2026年3月)でも、「商品棚の目立つ位置に置かれている商品」を購入することが「ある」と答えた人は64.4%にのぼり、店頭施策のなかでも購買への影響力が最も大きいという結果が出ています。ゴールデンゾーンの確保が売上に直結するという定石は、消費者側の行動データからも裏づけられます。 関連記事:【自主調査レポート】スーパーマーケットにおける店頭施策の購買影響調査(2026年) 高さの目安はターゲット層によって異なります。 男性:床から約80cm〜140cm 女性:床から約70cm〜130cm 子ども:床から約50cm〜90cm 自社商品のターゲット層によって、狙うべきゴールデンゾーンの高さが変わる点を念頭に置いてください。 出典:「ゴールデンゾーンの活用と棚割りの基本」/ゴールデンゾーン解説 視線を誘導する「Zの法則」 人が初めて見る対象物を探すとき、視線は「左上 → 右上 → 左下 → 右下」へとZ字を描くように動く傾向があります。これを「Zの法則」と呼びます。この動きを利用し、棚の左上に注目させたい新商品や定番商品を配置し、視線の終着点である右下に向けて主力商品を展開するといった工夫が行われます。 縦陳列と横陳列 縦陳列(バーチカル陳列) 同じカテゴリーやブランドの商品を縦一列に配置する方法。顧客が横に歩きながらでも、どこに何があるかを瞬時に把握しやすいメリットがあります。 横陳列(ホリゾンタル陳列) 同じカテゴリー・ブランドの商品を横(同一の棚段)に並べる方法。同一段に並ぶため左右で商品を見比べやすい一方、上下の棚段では別グループに切り替わるのが特徴です。 メーカーにとっての「棚割り」の重要性 FMCGや医薬品メーカーにとって、棚割りは単なる陳列の話にとどまりません。棚の確保は「ブランドの生存戦略」そのものです。 配荷率が売上に直結する 商品が店舗に置かれている割合を示す「配荷率(カバレッジ)」は、マーケティング活動の最重要KPIの一つです。どれだけ広告で話題になっても、消費者が「買いたい」と思った瞬間に棚に商品がなければ、売上はゼロになります。テレビCMに多額の予算を投じながら、肝心な店頭で商品が見つからないというミスマッチは、配荷率の管理が不十分なときに起きます。 チャレンジャーブランドの戦い方 圧倒的なシェアを持つカテゴリーリーダー(カテゴリー1番手ブランド)は、交渉しなくてもゴールデンゾーンの広いフェイスを確保できます。一方、カテゴリー2番手以降のチャレンジャーブランドは、常に「定番落ち(棚からの除外)」のリスクと向き合っています。自社の居場所を確保するためには、「うちの商品をお願いします」という感情的な訴求ではなく、バイヤーを納得させる「論理的な提案」が求められます。 バイヤーの心を動かす棚割り提案の4つのコツ バイヤーは日々、多くのメーカーから売り込みを受けています。その中で提案を通すための実践的なコツを4つ紹介します。 ① 「商品起点」ではなく「売場(カテゴリー)起点」で語る バイヤーが最も関心を持つのは「特定の単品が売れること」ではなく、「カテゴリー全体(例:シャンプー売場全体)の売上や利益が上がること」です。「この商品は香りが良くて〜」という商品アピールだけでなく、「この商品を導入することで、御社のこのカテゴリーの粗利が○%改善します」といった売場全体を見渡した提案(カテゴリーマネジメント提案)を組み込みましょう。商品を「売ってほしい」という要求ではなく、「一緒にカテゴリーを伸ばしたい」という協働の姿勢が商談を前進させます。 ② POS/ID-POSデータで「売れる根拠」を示す バイヤーを動かすのは「熱意」ではなく「客観的なデータ」です。POSデータを用いたABC分析で売れ筋と死に筋を明確にし、ID-POSデータ(誰が何を買ったかがわかる購買履歴データ)を活用して「自社商品は利益率の高い他商品と一緒に買われやすい(併買効果が高い)」といった根拠を数値で示しましょう。「なんとなく売れそう」ではなく「データが示すから売れる」という説明が、バイヤーへの説得力を高めます。 ③ クロスマーチャンダイジング(関連陳列)を提案する カテゴリーの枠を超えた提案も効果的です。「パスタ」の横に「パスタソース」を置いたり、「ビール」の横に「おつまみ」を配置する手法をクロスマーチャンダイジング(クロスMD)と呼びます。顧客の「ついで買い」を誘発して客単価を上げる施策はバイヤーから歓迎されやすく、自社商品の存在感を高める機会にもなります。 ついで買いの余地は、データ上も小さくありません。当社の調査(2026年3月)では、ついで買い(非計画購買)を「する」人は65.3%にのぼり、とくに「買うカテゴリーは決めているが、具体的な商品は店頭で決める」層では72.0%と高くなっています。クロスMDは、この店頭で生まれる購買機会を、自社商品との接点に変える施策として機能します。 関連記事:【自主調査レポート】スーパーマーケットにおける店頭施策の購買影響調査(2026年) ④ 店舗スタッフの現場オペレーションに配慮する バイヤーは売上だけでなく、現場の「人手不足」や「作業負担」も気にしています。「パッケージが自立しやすく陳列しやすい」「補充頻度を減らせるよう適切なフェイス数を設定した棚割図を作成する」など、品出しの手間を減らす配慮が組み込まれた提案書は高く評価されます。担当者が「次もこのメーカーと組みたい」と感じる提案が、長期的な棚の維持につながります。 まとめ 小売業の棚は、限られたスペースを複数のメーカーが奪い合う場所です。しかし、顧客の購買心理(Zの法則やゴールデンゾーン)を理解し、小売業の目的(売上・利益の最大化、オペレーション軽減)に寄り添った提案ができれば、突破口は開けます。 まずは自社商品が置かれている売場に足を運び、お客様の目線で棚を観察することから始めてみてください。その現場の気づきとデータを組み合わせることで、バイヤーから「頼りになるパートナー」として選ばれる第一歩となります。

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ショッパーマーケティングとは?トレードマーケティングとの違いや事例を解説

「なんとかエンドに置かせてください」「今月はリベートを積むので……」 FMCG(日用消費財)や医薬品のメーカーで、カテゴリー2番手以降のブランド(チャレンジャーブランド)を担当している方には、こうしたバイヤー交渉の苦労が身に染みているのではないでしょうか。シェアと予算で勝るカテゴリーリーダー(カテゴリー1番手ブランド)の前に、棚が削られるリスクと常に隣り合わせです。営業現場では値引き圧力がかかり、ブランドマネージャーからはブランド価値の維持を求められます。その板挟みのなかで、現実的な打開策を探し続けている方も多いはずです。 この記事では、値引きとリベートに依存する消耗戦から抜け出すための考え方として「ショッパーマーケティング」を取り上げます。データとインサイトを起点にすれば、バイヤーに「自ら置きたい」と言わせる提案が可能になります。定義から具体施策、商談で機能するストーリー構築まで、実務で使える形でお伝えします。 店頭で競合に競り負けているとお悩みではありませんか? >>ショッパーに実際に商品を手に取らせ、購買データも取得する「テンタメ」の詳細はこちら ショッパーマーケティングとは ショッパーマーケティングとは、ショッパー(購買者)の買い物中の行動と心理を分析し、店頭での意思決定に直接働きかけるマーケティング手法です。コンシューマーマーケティング(テレビCMやSNSを中心としたコミュニケーション施策)が「使いたい」という欲求を育てるのに対し、ショッパーマーケティングは「今ここで買う」行動を後押しします。 前提として押さえたいのが、「コンシューマー(消費者)」と「ショッパー(購買者)」は必ずしも同一ではないという点です。お菓子を食べる(消費する)のは子どもでも、スーパーの店頭で実際にカゴに入れる(購買する)のはお母さんであるケースが典型例です。テレビCMで子ども向けに「おいしい!楽しい!」と訴求しても、店頭で保護者が「虫歯になりそう」と感じれば、商品は選ばれません。店頭では、ショッパーである保護者に向けて「小分けで食べすぎない」「カルシウム配合」といったメッセージを届ける必要があります。 店頭でショッパーを動かすには、ショッパー視点の仕掛けが欠かせません。当社の調査(2026年3月)によると、スーパーマーケットでの買い物では「買うカテゴリーは決めているが、具体的な商品は店頭で決める」層が約半数を占めています。買うカテゴリーまでは来店前に決まっていても、そのなかのどのブランドを選ぶかは、店頭に委ねられている状態です。 この「カテゴリーは決定済み、ブランドは未決定」という状態こそが、チャレンジャーブランドにとっての勝負どころです。いかに「足を止めさせるか」「関連購買を誘発するか」というアプローチが、店頭でのブランド選択を左右します。 関連記事:【自主調査レポート】スーパーマーケットにおける店頭施策の購買影響調査(2026年) ショッパーマーケティングとトレードマーケティングの違い ショッパーマーケティングとトレードマーケティングは、実務で混同されがちですが、それぞれ明確な役割分担があります。ショッパーマーケティングは「店頭でショッパーを動かす仕掛け」を指し、トレードマーケティングは「バイヤーを動かして棚を獲得し、チャネル全体の売上を最大化する活動」を指します。 両者の役割を整理すると、以下のとおりです。 ショッパーマーケティング ターゲット:ショッパー(購買者) 目的:店頭での購買意欲を高め、カゴに入れさせる仕掛けを設計すること。 トレードマーケティング ターゲット:小売業(バイヤー)とショッパー 目的:バイヤーの課題を解決しながら配荷(棚への採用)を獲得し、流通チャネル全体の売上を最大化すること。 つまり、ショッパーマーケティングで積み上げた「店頭で売れる根拠」は、トレードマーケティングにおいてバイヤーを説得する材料として機能します。「売場での仕掛け」と「バイヤー商談」を一体で設計することが、チャレンジャーブランドの棚獲得に直結します。 ショッパーの2つのタイプと心理行動 ショッパーを動かすには、彼らの心理状態に応じたアプローチが必要です。ショッパーの買い物には、大きく「スティッカー」と「バラエティシーカー」という2つのモードがあります。同じ人でも、カテゴリーや買い物の状況によって、どちらのモードに入るかは変わります。 スティッカー(Sticker:銘柄固定型) 決まった商品を繰り返し購入し、「知らない商品を試して失敗したくない」という心理が強いタイプです。定番棚に商品が安定してあること、スタッフ推薦POPなど「安心感」を示す施策が有効です。 当社の調査(2026年4月)によると、買い物をするときに「失敗したくない」と考える人は80.6%にのぼります。また、選ぶのに疲れたときの行動として「以前に使ったことがある商品を購入する」を挙げた人は25.9%でした。スティッカーの行動は好みの強さというより、失敗を避けるためのリスク回避として説明できます。裏を返せば、チャレンジャーブランドが越えるべきハードルは「魅力を伝えること」ではなく「失敗しないという確信を店頭で渡すこと」です。 関連記事:【自主調査レポート】買い物における選択疲れと買い物スタイルの実態調査(2026年) バラエティシーカー(Variety Seeker:多様性追求型) 買い物自体を楽しみ、新しい発見を求めるタイプです。エンド陳列でのテーマ訴求や、新商品の目立つプロモーションが、衝動購買(非計画購買のうち、店頭の刺激で突発的に生じる購買)を誘発します。 チャレンジャーブランドにとって有効な戦略は、カテゴリーリーダーを固定的に買うスティッカーに対して、新しい想起のきっかけ(CEP:カテゴリーエントリーポイント=そのカテゴリーを思い浮かべる状況や場面)を店頭で提示し、バラエティシーカーとしての行動を引き出すことです。モードに応じた店頭アプローチを設計することで、ブランドスイッチのきっかけづくりができます。 売場を動かすショッパーマーケティングの具体策と事例 バイヤー提案の軸となる具体的な店頭施策として、「クロスマーチャンダイジング」「視認性を高める陳列」「インストアプロモーションとテクノロジー活用」の3つを紹介します。それぞれショッパーの行動データや購買心理に基づく施策であり、「なぜ売れるのか」を数字で示せる点がバイヤーへの提案力につながります。 ① クロスマーチャンダイジング(関連陳列)による関連購買の誘発 クロスマーチャンダイジングとは、カテゴリーを越えた関連商品を組み合わせて陳列し、ショッパーに「食事のソリューション」を丸ごと提案する手法です。定番棚での単独陳列では生まれない関連購買を生み出し、ショッパー1人あたりの買上点数を増やすことで、結果として客単価を引き上げます。 当社の調査(2026年3月)によると、スーパーマーケットで非計画購買(ついで買い)をすることが「ある」と答えた人は65.3%。とくに「買うカテゴリーは決めているが、具体的な商品は店頭で決める」層では72.0%と、他の層より高くなっています。関連陳列が機能するのは、この層が売場で「もう一品」を選ぶ理由を探しているためです。裏を返せば、理由を提示できない売場では、購買はカテゴリーリーダーに吸収されます。 関連記事:【自主調査レポート】スーパーマーケットにおける店頭施策の購買影響調査(2026年) コカ・コーラの事例が参考になります。同社は2007年、モニター4,409人に飲料の買い物日記をつけてもらう調査を実施し、約21,000回分の購買状況をデータベース化。「SBL(ショッパー・ビヘイビアル・ランドスケープ)」と名付けたこの分析基盤で購買行動を7つに分類したところ、最も多いのは「食事と共に飲む」ケースだと判明しました。 同時に、スーパーでは来店客の6割以上を女性が占めるという事実も踏まえ、「飲む人」ではなく「買う人」に向けた施策へ転換。食品メーカーと組み、月ごとに相性の良い料理を設定してレシピを訴求し、その食材売場周辺にコーラを関連陳列する「Coke&Meals」を展開しました。その結果、各地の販売店で売上が前年同期比10%前後伸びました。 このように、自社ブランドの購買データから「一緒に買われやすい商品」を特定し、その関連陳列を提案することが、バイヤーへの差別化訴求になります。 出典:「購買行動」を7つに分類、販促策の成功事例が相次ぐ ② 視認性を高める陳列(ゴールデンゾーン) ゴールデンゾーン(成人の目線を基準とした、床から約75~135cmの帯)は、ショッパーの目線に最も近く、視認されやすい棚位置です。この位置を確保できるかどうかが、商品の手に取られやすさを大きく左右します。 当社の調査(2026年3月)によると、「商品棚の目立つ位置に置かれている商品」を購入することが「ある」人は64.4%と、店頭施策のなかで最も高い水準でした。ドラッグストアを対象とした調査(2026年4月)でも、「商品棚の目立つ位置に置かれている商品」は「商品を知るきっかけになった」が29.0%、「商品に興味を持った・手に取った」が36.3%と、他の施策より影響力が大きい結果が出ています。棚位置は購入直前の一押しだけでなく、認知の入口としても機能していることになります。バイヤーに対しても、「売れるから良い位置に」ではなく「良い位置がカテゴリー全体の認知を広げる」という順序で語れる論拠になります。 関連記事:【自主調査レポート】ドラッグストアにおける店頭・商品施策の購買影響調査(2026年) ターゲットによって狙う棚位置も変わります。子ども向け商材であれば、成人よりも低い位置にあるチャイルドゾーン(床から約80cm以下)を優先するなど、ショッパーの目線高さに合わせた棚割り(プラノグラム)の設計が求められます。 棚割り提案の組み立て方では、「なぜその位置に置くべきか」をショッパーの目線データや購買行動データで示すことで、感覚ではなくファクトに基づく商談ができます。 出典:ゴールデンゾーンの活用と棚割りの基本 ③ インストアプロモーションとテクノロジーの活用 ロッテは、アイス売場の購買行動分析にエッジAIカメラを活用しています。アイス売場と併せて店舗内の入口や主通路にもカメラを設置し、主通路からアイス売場への買い物客の流入状況を動線データとして視覚化。来店人数、アイス売場への到達人数、アイス売場における商品接触データなどを総合的に分析し、店舗マーケティングに反映しています。 出典:エッジAIを自社の課題にどう活かす?実際の導入事例と業種ごとの活用方法 テクノロジーの活用は、ショッパー行動のデータ化を加速させます。AIカメラや購買ログを組み合わせることで、「どの棚で誰が立ち止まり、何を選ばなかったか」までを行動観察によって可視化できます。こうした定量データをバイヤーへの提案資料に組み込むことで、提案の説得力が高まります。 【事例解説】チャレンジャーブランドが、データで棚を守り、広げた チャレンジャーブランドがバイヤーを動かすには、「客観的なファクト」を武器にした提案が欠かせません。ここで活躍するのが、誰が何と一緒に買ったかを示す「ID-POSデータ(購買者IDに紐づいたPOSデータ)」や「レシートデータ」です。 ある大手乳業メーカーのヨーグルト(カテゴリー2番手)は、カテゴリーリーダーとの差別化に苦しみ、棚削減の危機に直面していました。そこでレシートデータを分析し、以下の2つのファクトを導き出しました。 隠れた勝機(併買分析):自社ヨーグルトは、想定していたバナナではなく、キウイフルーツとの併買傾向が突出して強い(リフト値6.53)。 優良顧客の証明:自社ヨーグルトを購入する顧客は、競合購入者よりもバスケット単価(レシート1枚あたりの購入金額)が47円高い。 このデータをもとに「当社ヨーグルトとキウイを一緒に展開すれば、客単価の高い優良客の青果売場への回遊が生まれ、店舗全体の売上が上がります」と提案した結果、推奨棚割りの継続と追加スペースの獲得に成功しました。 バイヤー商談を勝ち抜く「セリングストーリー」の構築 この事例が成功したのは、「うちの商品を置いてください」というメーカー視点から、「御社のカテゴリー売上にどう貢献するか」という小売主語の提案へと転換したからです。バイヤーの意思決定は、2つの問いで成り立っています。 「売りたいか」:客数や客単価の向上など、小売業が抱える課題を解決してくれるか。 「売れるのか」:ショッパーインサイトやデータ(併買分析・リフト値など)に基づき、店頭で売れる確信があるか。 この2つを満たす「セリングストーリー」を構築することで、メーカー・小売・ショッパーの三方に利益をもたらす提案ができます。「なぜこの商品がこの棚に必要か」をデータで語れる担当者は、バイヤーにとって交渉相手ではなく、カテゴリーを一緒に育てるパートナーとして認識されます。 まとめ:チャレンジャーブランドは、インサイトとデータを武器に カテゴリーリーダーの予算やシェアは、そのまま棚の結論にはなりません。現代の店頭で鍵を握るのは、ショッパーが下す瞬時の意思決定を精緻に捉え、ID-POSデータで裏付けた売場設計を提案できるかどうかです。 経験則や値引きに頼る「お願い営業」からは、抜け出せます。ショッパーインサイトとデータを軸に、バイヤーの課題を解決する戦略的パートナーへと立場を変えましょう。

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トレードマーケティングとは?ブランドマーケティングとの違いや事例を解説

「テレビCMも打っていて認知度は高いはずなのに、なぜか店頭で売れない」「バイヤーに自信作を提案しても、『うちの棚には合わない』と断られてしまう」——日用消費財(FMCG)メーカーのマーケティング・営業担当者から、こうした声をよく聞きます。 原因のひとつは、「良い商品を作って大規模な広告を打てば売れる」という考え方のままでいることにあります。どんなに優れた商品でも、消費者が実際に買い物をする「店頭の棚」に並び、手に取りやすい状態になっていなければ、売上にはつながりません。 この記事では、そのギャップを埋める手法である「トレードマーケティング」について、基礎概念から具体的な施策・成功事例まで順を追って解説します。初めてこの言葉に触れる方にも理解しやすいよう、図解や具体例を交えながら説明していきます。 バイヤーへの「お願い営業」に限界を感じていませんか? >>小売業とWin-Winを築き、売場から需要を生み出すセールスプロモーションの基本はこちら トレードマーケティングとは トレードマーケティングとは、流通業(小売業・卸売業)やショッパー(店頭で実際に買い物をする人)を対象に、売場を起点として自社商品の需要を拡大するマーケティング活動です。単なる値引きや一過性のキャンペーンではなく、小売業のバイヤーと協力しながら継続的に商品が売れる仕組みを作ることが目的です。 トレードマーケティングとブランドマーケティングの違い トレードマーケティングとブランドマーケティングは、目的とターゲットが明確に異なります。以下の整理を起点に、それぞれの役割を確認します。 ブランドマーケティング ターゲット:広く一般的な「消費者(生活者)」 目的:「メンタル・アベイラビリティ(思い出しやすさ)」を作る。消費者にブランドを認知してもらい、「次に買うならこれにしよう」という好意や購買意欲を醸成すること。 トレードマーケティング ターゲット:小売業の「バイヤー」と、店頭で買い物をする「ショッパー」 目的:「フィジカル・アベイラビリティ(買い求めやすさ)」を最大化する。消費者が買いたいと思ったとき、お店に商品があり、目立ち、迷わず手に取れる状態を作ること。 この2つは「車の両輪」の関係にあります。広告でブランドへの好意(メンタル)を育てても、店頭に商品がなければ(フィジカル)売上にはなりません。反対に、目立つ場所に置いてあっても、ブランドを知らなければショッパーは素通りします。両方が噛み合って初めて、商品は消費者のカゴに入るのです。 なぜ今、トレードマーケティングが重要視されているのか? トレードマーケティングへの注目が高まっている背景には、小売業界と消費者行動の2つの大きな変化があります。以下でそれぞれ詳しく見ていきます。 小売業界の環境変化:激化する「棚の奪い合い」 ドラッグストアやスーパーマーケット業界ではM&A(企業の合併・買収)が進み、一部の大手チェーンへの寡占化(市場を少数の企業が占める状態)が加速しています。その結果、小売業側のバイイングパワー(大量仕入れを背景とした購買交渉力)が強まり、「ただお願いするだけ」の営業スタイルでは棚に商品を置いてもらえなくなりました。 さらに物価高に対応した安価で質の高いPB(プライベートブランド:小売業者が独自に開発・販売するブランド)商品が台頭し、メーカー商品が使えるスペースはますます狭くなっています。多額の販促費や取引条件(リベート等)を支払って棚を確保したり、無理な値引きで売上を作ったりする手法も、コスト高騰の中で限界を迎えています。 消費者(ショッパー)の行動変化:店頭での「迷い」 スマートフォンの普及により、消費者は事前に情報を調べてから買い物に行く「計画購買」が増えました。しかし、お店の棚の前に立った瞬間に状況は変わります。似たような新商品や競合商品がズラリと並ぶ中で情報量が過剰になり、消費者は結局どれを選べばいいか分からなくなります。その結果、その場の直感で別の商品を選んでしまう「ブランドスイッチ」が頻繁に起きています。 この「店頭での迷い」は、実際のデータにも表れています。当社の調査(2026年3月)によると、スーパーマーケットでの買い物において「買うカテゴリーは決めているが、具体的な商品は店頭で決める」と回答した人は約半数にのぼりました。一方、「買う商品やブランドをある程度決めてから行く」は約3割にとどまります。つまり、来店前にカテゴリーまでは決まっていても、最終的なブランド選択の多くは店頭に委ねられているのが実態です。 さらに、この「具体的な商品は店頭で決める」層は、いずれの店頭施策においても予定外の購入割合が他層より高く、ついで買いの発生頻度も72.0%と最多でした。ブランドスイッチが起きやすいのは、無計画な買い物客ではなく、むしろ「ある程度計画を立てて来店した人」なのです。 だからこそ、店頭での「最後の一押し」を設計するトレードマーケティングが、売上の勝敗を分けるのです。 トレードマーケティングを成功に導く2つの「インサイト」 トレードマーケティングを成功させるには、「うちの商品はここが優れています」というメーカー目線の押し売り(お願い営業)から脱却する必要があります。相手が無意識に求めていること——つまり「インサイト」を理解することが、提案を通す鍵です。以下の2種類のインサイトを押さえておきましょう。 ① バイヤーインサイト(売りたいか) 小売業のバイヤーが関心を持つのは、自社商品単体の売上アップではありません。バイヤーが見ているのは、「担当カテゴリー(例:シャンプー全体、調味料全体)の売上・客数・利益が改善するかどうか」です。そのため、「この新商品を導入することで、これまで来店しなかった若い客層が増えます」「カテゴリー全体の客単価が○%向上します」といった、バイヤーの課題を解決する提案(セリングストーリー)が求められます。「商品を置いてもらいたい」という要求ではなく、「一緒にカテゴリーを伸ばしたい」という協働の姿勢が商談を前進させます。 ② ショッパーインサイト(売れるのか) ショッパーが店頭で無意識に行う判断のクセを理解することも欠かせません。ショッパーは基本的に「商品選びに頭を使いたくない」と感じており、理解しやすい情報ほど好意的に評価されます(認知的流暢性)。そのため、長い説明文より、パッと見て用途が伝わるPOPや、直感的に美しいパッケージに惹かれます。 当社の調査(2026年4月)によると、買い物における「選択疲れ」を経験した人は46.5%、女性では全年代で半数を超えました。その最大の要因は「商品の種類・選択肢が多い」(42.2%)で、次いで「購入後に失敗や後悔をしたくない」(41.9%)が続きます。さらに、買い物をするときに「失敗したくない」と考える人は80.6%に達します。 売場に選択肢を増やすことが、必ずしもショッパーの満足につながるとは限りません。選ぶ負荷を下げ、失敗の不安を取り除く設計こそが、手に取られる確率を高めます。 関連記事:【自主調査レポート】買い物における選択疲れと買い物スタイルの実態調査(2026年) また、ID-POSデータ(誰が何を買ったか分かる購買履歴データ)を活用すると、「深夜に即席麺を購入する単身者が、罪悪感を和らげるために野菜パックを一緒に買う傾向がある」といった隠れた購買行動(併買傾向)が見えてきます。こうしたデータを根拠に提案すると、バイヤーへの説得力も格段に上がります。 トレードマーケティングの具体的な施策例 トレードマーケティングでは、メーカー視点の「4P(製品・価格・流通・販促)」を、顧客・売場視点の「4C(顧客価値・コスト・利便性・コミュニケーション)」に変換して施策を設計します。以下では代表的な4つの施策を紹介します。 1. 配荷(Distribution):買える場所を作る ショッパーが「欲しい」と感じたとき、確実に購入できる環境を整えることが出発点です。ターゲット層が多く来店する店舗を購買データで分析し、自社商品を置いてもらえるよう交渉します(配荷率を高める)。売れ行きが見込めない店舗に無理やり置いてもらうのではなく、データを根拠に最適な店舗を絞り込むことが重要です。 2. 棚割り(Shelf Allocation):見つけやすくする ショッパーの視線の動きに合わせ、最も目に入りやすい高さ(ゴールデンゾーン:床から85〜150cm程度。主客層の身長により最適レンジは変動します)を確保します。また、同じブランドの商品を縦一列に並べる「縦ブロック陳列」を取り入れると、ショッパーが商品を見つけやすくなり、比較・選択の負担を減らせます。棚割りのわずかな差が、手に取られる確率を大きく左右します。 棚の位置がどれほど購買に影響するかは、データでも確認できます。当社の調査(2026年3月)では、「商品棚の目立つ位置に置かれている商品」を購入することが「ある」と答えた人は64.4%と、調査した店頭施策のなかで最も高い数値となりました。商品認知・興味・購入のいずれの段階でも他施策より影響力が大きく、とりわけ「予定していなかったが購入した」の割合が高い点が特徴です。 棚割りは地味な交渉領域と見られがちですが、単価の高い広告や販促什器よりも購買への寄与が大きい可能性がある——このデータは、バイヤー商談における棚位置交渉の優先度を見直す根拠になります。 出典:ゴールデンゾーンの活用と棚割りの基本 関連記事:【自主調査レポート】スーパーマーケットにおける店頭施策の購買影響調査(2026年) 3. 価格(Price):納得感のある価格設計 安易な値引き競争はブランドの価値を損なうだけでなく、小売業の利益も削ることになります。小売側の粗利(売上から仕入れ原価を引いた利益)を確保しつつ、ショッパーが「お得だ」「適正だ」と感じられる特売価格やキャンペーン価格を戦略的に設計することが求められます。 4. 店頭販促(In-store Promotion):最後の一押しをする ショッパーの「併買(一緒に買うこと)」や計画外購買を誘発するために、店頭での購買体験を設計します。 クロスMD(関連陳列): カレールーの横に福神漬けを置くなど、一緒に買われやすい商品を並べ、買い忘れを防ぎながら1回あたりの購入点数(バスケット単価)を引き上げます。 サンプリング・体験: 店頭試食や、購入後にスマホでアンケートに答えるとポイントがもらえる施策を通じて、「まず使ってみる」ハードルを下げます。 リテールメディアの活用: 小売業のアプリや店頭デジタルサイネージを通じて、購入直前のショッパーにピンポイントで情報を届け、購買を後押しします。 トレードマーケティングの成功事例(アヲハタのジャム売場改革) 実際にトレードマーケティングがどのように機能するか、家庭用ジャム市場でトップシェアを誇るアヲハタの事例を紹介します。 抱えていた課題 従来のジャム売場は、パンコーナーの近くに地味に置かれていることが多く、ショッパーがワクワクして手に取るような陳列ではありませんでした。また、春のパン需要期を過ぎた夏場には売上が大きく落ち込む「夏枯れ」という季節的な課題も抱えていました。 インサイトを突いた施策:「鉄カゴ山盛りコーナージャック」 アヲハタは「味や機能を訴求する」従来のアプローチを見直し、ジャムの瓶が持つ「鮮やかな色彩とビジュアルの美しさ」に注目しました。そして、目立つエンド棚(通路の端に設置される売場)に、色別のジャムを鉄製のカゴに山積みにして展開する「鉄カゴ山盛りコーナージャック」を提案したのです。 バイヤーへの提案では、「カラフルな売場が夏場の売上スランプを解消し、パン以外の食材との買い合わせを促して客単価を向上させる」というカテゴリー全体の成長ストーリーとして訴求しました。店舗の照明を受けてガラス瓶がキラキラ輝く「宝箱のような売場」はショッパーの直感的な「綺麗、試したい」という感情を刺激し、計画外の衝動買い(ついで買い)を引き起こしました。 成果 この提案はバイヤーから広く支持を集め、当初500店舗を目標としていた企画が最終的に約1,000店舗での一斉展開に拡大しました。夏場の定常需要を喚起し、圧倒的なフィジカル・アベイラビリティ(買い求めやすさ)を確立した好事例です。 出典:これぞトレードマーケティングの力。アヲハタが起こしたジャム売場改革 まとめ:メーカー・小売業・ショッパーの「三方よし」の実現に向けて トレードマーケティングの最終的なゴールは、メーカー・小売業・ショッパーの全員がメリットを得る「三方よし」の実現です。 メーカー:自社商品が継続的に売れ、市場シェアが拡大する。 小売業(バイヤー):店舗全体の売上・利益が改善し、他店との差別化につながる。 ショッパー:欲しい商品がすぐに見つかり、楽しく心地よい買い物体験ができる。 社内では「ブランドの理想像」を追うマーケティング部と、「目の前の売上数字」を優先する営業部が対立しがちです。トレードマーケティング担当者は、データと売場視点を武器に、この両者をつなぐ「架け橋」となる役割を担います。 まず「自分たちの商品をどうアピールするか」ではなく、「バイヤーとショッパーは今、何に困っているのか?」という売場起点の発想に切り替えることが、トレードマーケティングの出発点になります。

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AI検索シフトによるブランド認知構造の変化|ブランドマネージャーが抑えるべき7つの論点

カテゴリー首位のリーダーブランドが市場を押さえる中、予算が限られている2番手以下のチャレンジャーブランドのマネージャーにとって、2026年は大きな転換点です。GoogleのAI OverviewsやChatGPT Searchなどの生成AI検索が本格化し、ユーザーの検索体験が根本から変わりました。「検索順位の競争」は「AIに選ばれる信頼性の競争」へと移行しています。 この変化は、対応が遅れれば深刻なブランド毀損につながる脅威であると同時に、チャレンジャーブランドが首位を逆転できる機会でもあります。本コラムでは、AI検索時代における認知構造の変化を整理し、経営層・営業部門を説得するためのデータと論点をお届けします。 AI検索の普及でサイトへの流入が減っていませんか? >>AI時代にブランドが推奨され、指名検索を獲得するための認知戦略はこちら 検索結果のブラックボックス化とブランド認知構造の変化 近年、検索エンジンの役割が根本的に変わりました。これまでの検索エンジンは、自社サイトへユーザーを誘導する役割でした。現在の生成AIは、膨大なデータを要約・整理し、検索結果ページ上で直接回答を提示する「アンサーエンジン」へと進化しています。ユーザーがサイトをクリックする前に、AIが答えを出してしまう時代です。 消費者の購買プロセスにおける「発見フェーズ」でAIツールを利用する割合は、すでに35%に達しています。一方、従来のキーワード検索の利用は13.6%にとどまり、AI検索が事実上の主流になりつつあります。このやり取りは、ブランド側のアクセス解析には映らない「ブラックボックス」の中で行われています。 出典:AI検索統計2026 国内の生活者データも同じ方向を示しています。当社の調査(2026年5月)によると、生成AIを月1回以上利用している人は全体の40.6%と約4割にのぼります。さらに、現在生成AIを利用している人の67.6%が、1年前と比べて利用頻度が「増えた」と回答しました。注目すべきは生成AIに対するイメージで、最も多かった回答は「検索エンジンの代わり」(30.9%)です。生活者側でも、生成AIは新しい便利ツールではなく、検索そのものの置き換えとして位置づけられ始めています。 関連記事:【自主調査レポート】日常生活・買い物における生成AI活用実態調査(2026年) この変化が意味するのは、認知構造の根本的な転換です。「検索上位だからクリックされて認知される」という旧来の構造は崩れ、「AIが要約の中で言及するから認知される」という新しい構造が主流になっています。自社が関与できない生成環境の裏側で、ブランドの評価がサイレントに決まる時代が到来しています。 論点①:リスク観点におけるAI検索への対応要否 自社が関知できないAIの裏側で進行している最大の脅威が「ハルシネーション(AIによる誤回答・情報の捏造)」です。 2026年4月にOumi社が発表した調査によると、Google AI Overviews(Gemini 3ベース)が生成する回答の約50%に、引用元ソースで裏付けられていない不正確な主張が含まれています。一文単位で見ると、約33%がAIによる捏造または歪曲表現です。医薬品・ヘルスケア・FMCGなどのYMYL(Your Money or Your Life:健康・生命・資産に関わる)領域では、この誤情報が致命傷になりかねません。AIが古い比較サイトの情報や存在しない副作用を「もっともらしい言葉」で要約すれば、ユーザーはそれを事実として受け取ります。 当社の調査(2026年5月)では、買い物で生成AIを活用した人の17.2%が「生成AIの情報が正しいか不安になった」と回答しました。裏を返せば、正確で検証可能な情報を供給できるブランドには、その不安を解消する側として選ばれる余地があります。 出典:Oumi's Study Finds 50% of AI Overviews Have Inaccurate Claims(Oumi社) 法的リスクも現実のものになっています。2026年5月、ドイツのミュンヘン地方裁判所はGoogle AI Overviewによる虚偽の要約(詐欺疑惑のハルシネーション)に対し、Googleに直接的な賠償責任を認める判決を下しました。一度ネガティブな誤情報が定着すれば、ユーザーの離脱だけでなく、AIエンジン自体が自社を「信頼できないソース」と判定し、引用率が低下する負のスパイラルに陥ります。 こうした事態を防ぐには、自社情報を検証可能な形で高密度に発信し、AIが誤読しにくい構造にサイトを整備することが急務です。この取り組みには、GEO(Generative Engine Optimization)、AEO(Answer Engine Optimization)、AIO(AI検索最適化)など複数の呼称が併存していますが、狙いは共通しています。本コラムでは「AIに正確に引用される状態をつくる取り組み」を総称してGEOと呼びます。 論点②:ブランド比較におけるAI検索への対応要否 AI検索のアルゴリズム特性は、チャレンジャーブランドにとって逆転の機会です。 現在のAI(LLM:大規模言語モデル)は、「被リンク数(相関係数0.218)」よりも「ブランドの言及数(相関係数0.664)」を強く評価することがわかっています。プリンストン大学のGEO研究では、コンテンツに「具体的な統計データ」を加えるとAI視認性が41%向上し、「信頼できる一次資料への参照」を加えると、検索順位が5位程度の低順位ページでもAIの参照ソースに選ばれる確率が115.1%増加する「イコライザー効果」が実証されています。大企業のように全キーワードで1位を取る予算がなくても、特定セグメントで情報の密度と事実に基づいたコンテンツを備えれば、AIは首位ブランドを飛び越えて自社を推奨します。 出典:GEO: Generative Engine Optimization(Princeton University) 当社の調査(2026年5月)によると、生成AI利用者のうち69.9%が買い物で生成AIを活用した経験があり、活用場面は「自分に合う商品・サービスの絞り込み」(18.2%)が最多でした。さらに、生成AIで調べた・おすすめされた商品やサービスを実際に購入した経験がある人は61.3%にのぼります。 見逃せないのは、生成AIを使い始めて感じた変化として「自分では見つけられなかった商品・サービスに出会えた」(20.1%)が2割を超えている点です。AIは既知の第一想起ブランドを確認する道具ではなく、これまで生活者の選択肢に入っていなかったブランドを持ち込む経路として機能し始めています。棚とマス広告の露出量で決まっていた発見機会に、別の入口が生まれたということです。 関連記事:【自主調査レポート】日常生活・買い物における生成AI活用実態調査(2026年) この特性を活かすには、勝てるセグメントへの集中が鍵です。人間が複雑な意思決定を避け、2つの選択肢を見つけると探索を止める傾向(「3の法則」と呼ばれる認知バイアス)があります。汎用カテゴリーで1番手と正面衝突するよりも、自社が勝てるニッチに絞り込む方が効果的です。たとえば「乳幼児の肌に触れる衣類を想定した、無香料・植物由来の洗濯用洗剤」のように、N=1の深い悩みを起点にした独自USPと検証可能なデータを集中投下することで、AIの回答内で最初に挙がる存在、すなわちAI時代の第一想起となり、SoM(Share of Model:AIの回答内でのブランド言及シェア)を高められます。 論点③:「ゼロクリック検索」を前提としたWeb戦略の再定義 「AI対策をすると、自社サイトへのアクセスが減るのではないか」という上層部の懸念に対し、まず「ゼロクリック検索の現実」を正確に示す必要があります。 2026年のSparkToroの調査によると、Google検索の68.01%がリンクをクリックせずに終了しています。Perplexityでは93%、Google AI Modeでは88%がゼロクリックです。AIの要約だけでユーザーが満足するこの状況下では、旧来の「PV至上主義」はすでに機能しません。PVの減少はAI対策の失敗を意味するのではなく、検索行動の構造的変化の結果です。 出典:In 2026, less than one-third of Google searches still send a click(SparkToro) 出典:Zero-Click Search Statistics 2026(Digital Applied) この前提のもとでウェブサイトの役割を再定義する必要があります。「ユーザーを流入させるメディア」から「AIが学習・参照するための一次情報の格納庫(トレーニングソース)」への転換が求められます。AIが参照するページの44.2%はページの前半30%に集中しているため、「結論・事実・データ」を冒頭100文字以内(逆ピラミッド型構文)に配置することが有効です。ゼロクリック時代の生存戦略として、SEOと並行して取り組むべきGEOの実務そのものです。 論点④:新KPIの定義:アクセス数から「信頼の占有」へ PVの減少は、もはや止められません。経営陣に問われるのは、減少を食い止める方法ではなく、何が減ったのかを説明できるかどうかです。減っているのは、比較検討のために複数サイトを回遊していた「まだ買う理由が固まっていない訪問」。検討の場所がAIの回答内へ移った結果であり、施策の失敗ではありません。 では、移った先をどう測るか。従来のSOV(Share of Voice:市場全体の広告出稿量に占める自社シェア)は、露出量を買えばシェアが動く前提の指標でした。AI検索ではこの前提が働きません。回答内での扱いを決めるのは出稿量ではなく、言及と参照の蓄積だからです。 そこで導入を検討したいのがSoM(Share of Model)、主要AIの回答内で自社ブランドが引用・推奨されるシェアです。SOVが「どれだけ声を出したか」を測る指標なら、SoMは「どれだけ引用されたか」を測る指標。予算規模で決まらない点が、チャレンジャーブランドにとっての意味です。 計測は生活者が実際に打ち込む質問文を10〜20本用意し、主要AIに月次で投げて、自社が言及されたか・何番目に挙がったか・どの根拠とセットで推奨されたかを記録する。競合との相対で見れば、暫定のSoMが分かります。SoMの上昇は指名検索数にも表れ、こちらはSearch Consoleで取得できます。KPIは「PV」の単層から、「SoM+指名検索数」の二層へ置き換えるのが現実的です。 ただし指名検索の増加は、ID-POSの新規購入者数や指名買いの発生率と結びつけて説明する必要があります。営業やバイヤーが日常的に見ている指標に翻訳できてはじめて、成果として扱われます。設計の具体は指名買いを増やし、価格や棚割に左右されない売上をつくる方法で解説しています。 論点⑤:AI検索最適化(AIO)へのアプローチ AIに推奨されるためには、自社サイトの整備だけでなく、第三者からの自然な言及(サイテーション)を最大化するエコシステムが必要です。 LLMは、Wikipediaやレビューサイト、ニュース媒体などを巡回し、自社ブランドがどのような文脈で語られているか(共起性)を常に評価しています。この仕組みを活用するうえで、チャレンジャーブランドが取り組みやすい施策が「デジタル接点から店頭へ送客するO2O」です。購買体験の現場からリアルなUGC(ユーザー生成コンテンツ)を生み出すことで、AIへのシグナルを効率的に積み上げられます。 また、古い誤った情報をアップデートし、AIが常に最新の「正解」を学習できるよう、ブランドマネージャー主導で情報管理の体制を再構築することも必要です。 論点⑥:予算の確保 「AI検索対策」の予算を社内稟議で通すための最善手は、「AI専用の新規予算を要求しない」ことです。 LLMはWeb上のコンテンツ・PR記事・SNSの口コミを学習リソースとして活用しています。つまり、既存の「PR・SNS・オウンドメディア」への投資は、すでにAIに学習させるための最大のトレーニングインプットとして機能しています。「PRで獲得するメディア露出やSNSでの体験創出への投資は、AIが自社を最適な選択肢として推奨するためのアルゴリズム対策そのものだ」というロジックで既存予算の配分をシフトさせることが、稟議を通す最も現実的な道筋です。 新規費目を立てるのではなく、既存予算の「意味付け」を変える。このアプローチが、新しい予算要求に慎重な経営陣の承認を得るための最短ルートになります。 論点⑦:経営陣・上層部の説得 最後に、経営陣・役員に向けた上申書の骨子として、本コラムの論点を3点に絞って整理します。 現状の課題と脅威の共有 ゼロクリック検索(約68%)によるPVモデルの限界と、AIのハルシネーションによるブランド毀損リスクを提示します。「現状維持こそが最大のリスクである」という認識を合わせることが出発点です。 ROI・KPIの再定義 PV減少を「Volume-Value Gap(無駄の削減とCVR向上)」としてポジティブに説明します。新たな成長指標として「SoM(AI内シェア)」と「指名検索数」の最大化に合意を取ります。 「AI×人」の統合シナリオによる事業貢献 AIツールで業務を効率化しながら、浮いたリソースを「AIには書けない独自の一次情報・データの創出」と「店頭を起点としたリアルな口コミ生成」へ集中投資する戦略を提示します。 まとめ:AI検索時代にブランドマネージャーが取るべき3つの行動 自社情報を、AIが誤読しない形に整える 正確で検証可能な情報を高密度に発信し、結論とデータをページ前半に置く 勝てるセグメントに一次情報を集中投下する 全方位で首位と戦うのではなく、独自USPと検証可能なデータで特定領域のSoMを取る 既存のPR・SNS予算を再定義して合意を取る 新規費目ではなく、既存投資の意味付けを変える形で社内を動かす リソースに制約のあるチャレンジャーブランドであっても、データの裏付けとAIのアルゴリズム特性を活かせば、首位ブランドの牙城を崩すことは十分に可能です。AI検索への対応は、新しい予算や新しい部署を必要とする話ではありません。すでに持っている一次情報とリアルな顧客接点を、AIが参照できる形に整えるという実務です。 本コラムの論点が、社内で最初の一歩を踏み出す材料になれば幸いです。

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よくある質問

お客様から寄せられるよくある質問とその回答をご紹介します。

  • 大規模なトライアル獲得を、低コストで実現できる方法はありますか?

    モラタメの「タメせる」プランでは、お金を支払ってでも試したいという関心が高い方を対象に、生活者が送料関係費を負担する形式で商品をサンプリングします。そのため、メーカー様側は低コストで良質なトライアーを大量に獲得することができます。
  • インフルエンサーマーケティングの経験がないのですが、サポートしてもらえますか?

    はい、ご安心ください。REECH DIRECTIONサービスで、一気通貫でトータルサポートいたします。年間約500本以上のPR実績がある弊社のキャスティングおよびディレクション技術を掛け合わせ、最大限の成果を目指します。