店頭販売の効果と戦略|購買行動を促す売り場づくりのポイント
最終更新日: 2026 / 06 / 22
公開日: 2026 / 06 / 22
「認知だけでなく、実際に商品を買ってもらいたい」
FMCG(日用消費財)の販促担当者にとって、キャンペーンを店頭での売上につなげることは大きなテーマです。商品の購入を応募条件にするマストバイキャンペーンは、店頭での購買を後押ししやすい施策です。本記事では、FMCG領域で実施する際の考え方や、購買につなげるためのポイントを解説します。
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マストバイキャンペーンとは、対象商品の購入を応募条件にしたキャンペーンのことです。レシート画像をアップロードする方法や、商品に記載されたシリアルコードを入力する応募形式などがあります。
FMCGでは、食品・飲料・日用品のように単価が比較的低く、購入頻度の高い商品が多くあります。そのため、生活者に「一度買ってみよう」と思ってもらうきっかけづくりが重要です。
SNSキャンペーンは認知拡大に向いていますが、実際の購入までは見えにくい場合があります。一方、マストバイキャンペーンは購入を応募条件にするため、確実に店頭での購買につなげることができる点が特徴です。
当社の調査(2026年3月)によると、若年層ほど「キャンペーン対象の商品」による購入が多い傾向があり、「デジタルサイネージ」「キャラクターコラボ」と並んでキャンペーンは若い世代への購買接点として機能しやすいことが確認されています。認知段階から購入まで、店頭での接点設計がより重要になる若年層へのアプローチとして、マストバイキャンペーンは特に有効な選択肢のひとつといえます。
関連記事:【自主調査レポート】スーパーマーケットにおける店頭施策の購買影響調査(2026年)
マストバイキャンペーンは購入を条件にできる施策ですが、実施するだけで自然に売上が伸びるわけではありません。
生活者がキャンペーンを知っていても、店頭で対象商品を見つけられなければ購入にはつながりません。反対に、商品を見つけても応募条件がわかりにくいと、参加をためらうことがあります。
そのため、POP、パッケージ告知、キャンペーンシール、レシート応募の案内などで、「この商品を買えば応募できる」とすぐに伝わる状態をつくる必要があります。
キャンペーンで購入につなげたい商品を明確にしたうえで、生活者が店頭で対象商品を判別しやすい見せ方を整えることが大切です。メーカー側では対象商品が決まっていても、店頭やWebでの見せ方が不十分だと、生活者は「どの商品を買えば応募できるのか」がわかりにくくなります。
キャンペーンで達成したい購買目的によって、対象商品の選び方は変わります。
対象商品を広げすぎると、生活者は何を買えば応募できるのか迷ってしまいます。当社の調査(2026年4月)によると、買い物において「失敗したくない」と感じている人は80.6%にのぼります。また、選択疲れを感じる理由として「商品の種類・選択肢が多い」が42.2%で最多となっています。対象商品の絞り込みは、生活者の迷いを取り除くだけでなく、こうした選択疲れの回避という観点からも、店頭での意思決定を後押しするうえで重要な設計になります。
関連記事:【自主調査レポート】買い物における選択疲れと買い物スタイルの実態調査(2026年)
FMCGでは、店頭でのわかりやすさが購買に直結するため、対象商品にはPOPや棚帯を付ける、パッケージシールでキャンペーン対象商品であることを示すなど、ひと目で対象商品がわかる見せ方が大切です。
次に考えたいのが、応募条件です。レシート1枚で応募できるのか、対象商品を複数点含める必要があるのか、一定金額以上の購入が条件なのかによって、購買行動は変わります。
新商品のトライアルを広げたい場合は、対象商品1点購入で応募できる条件にすると、生活者が参加しやすくなります。複数フレーバーを知ってもらいたい場合は、別フレーバーとの組み合わせ購入を条件にする方法もあります。
ただし、条件が複雑すぎると、購入や応募の前に離脱されやすくなります。対象商品、購入点数、応募方法は、店頭で短時間に理解できる内容にすることが必要です。
マストバイキャンペーンでは、購入して終わりではなく、購入後に応募してもらう導線も重要です。店頭でキャンペーンを知る生活者も多いため、売り場で応募方法まで伝わる状態にしておく必要があります。
POPや棚帯、パッケージシール、二次元コード付きの案内などを使い、「対象商品」「応募条件」「応募方法」をわかりやすく示します。
特にレシート応募では、レシートを捨てられると応募できません。店頭やパッケージで「レシートを保管してください」と明記しておくことも大切です。応募ページでも、入力項目やレシート撮影方法を簡潔に案内します。
マストバイキャンペーンは、購入を条件にする分、企画段階で確認すべき項目が多くなります。販促担当、営業担当、制作会社、店舗側で認識がずれると、実施後のトラブルにつながりやすくなります。
【事前に整理しておくべき項目】
✔ キャンペーン目的
新商品の初回購入、既存商品の再購入、特定チェーンでの購買促進など、何を狙う施策なのかを明確にします。
✔ 対象商品
JANコード単位で対象商品を確認し、店頭や応募ページで誤解が出ないようにします。
✔ 対象店舗
全店対象なのか、一部店舗限定なのか、EC購入も含めるのかを整理します。
✔ 応募条件
対象商品1点購入、一定金額以上購入、対象商品を含むレシートなど、条件を具体的に決めます。
✔ 応募方法
レシート応募、シリアル応募、購入証明アップロードなど、生活者が参加しやすい方法を選びます。
✔ 景品内容
景品の魅力だけでなく、景品表示法上の上限額も確認します。
✔ 店頭告知
POP、棚帯、パッケージシール、チラシなど、どこでキャンペーンを知らせるかを決めます。
✔ 効果検証
販売数量、応募数、応募率、店舗別の反応などを確認できるようにします。
FMCGのマストバイキャンペーンでは、レシート応募がよく使われます。購入証明として扱いやすい一方で、生活者にはレシート保管、撮影、フォーム入力の手間が発生します。
そのため、応募方法が少しでもわかりにくいと、購入後に応募されないまま終わることがあります。特に注意したいのは、対象商品の判別です。レシート上の商品名が省略されていると、応募者も事務局も迷います。
応募画面では、レシート全体を撮るのか、対象商品部分だけでよいのか、購入日や店舗名が必要なのかを明確に示しましょう。
マストバイキャンペーンでは、景品の魅力が参加意欲に影響します。ただし、景品を豪華にすればよいわけではありません。
FMCGでは、商品と景品のつながりが自然であることが大切です。食品であれば食卓や調理シーンに関連する景品、飲料であれば持ち歩きやリラックスシーンに合う景品、日用品であれば生活の中で使いやすい景品が考えられます。
また、購入を条件に抽選で景品を提供する場合は、景品表示法の確認も必要です。景品額や当選人数は、企画初期に確認しておくと安心です。
マストバイキャンペーンでは、店頭施策とデジタル施策を別々に考えると、購買までの流れが途切れやすくなります。
SNS広告でキャンペーンを知っても、店頭で対象商品が見つからなければ購入にはつながりません。反対に、店頭で商品を見つけても、応募方法がわかりにくければ参加されにくくなります。
SNS広告は認知、店頭POPは対象商品と応募条件の提示、パッケージシールは購入直前の後押し、応募ページは購入後の参加導線というように、接点ごとの役割を分けて考えることが大切です。
マストバイキャンペーンは購入を条件にするため、販売数量や売上を見やすい施策です。ただし、効果検証を「売れたかどうか」だけで終わらせると、次回施策に活かしにくくなります。
確認したいのは、どの条件が購買につながったのかです。対象商品1点購入が参加されやすかったのか、一定金額以上購入が客単価向上に寄与したのか、レシート応募とシリアル応募で差があったのかまで見ると、次回の精度が上がります。
最低限、販売数量、応募数、応募率、店舗別の反応、景品別の応募傾向は確認しておくとよいでしょう。
マストバイキャンペーンは、商品の購入を応募条件にすることで、FMCG領域の購買促進に直結しやすい施策です。認知拡大だけでなく、店頭で商品を手に取ってもらい、店頭での売上につなげたい場合に有効です。
成功させるためには、対象商品と応募条件を明確にし、店頭で商品を見つけやすくする必要があります。さらに、購入後に迷わず応募できる導線も欠かせません。
また、景品内容や応募方法だけでなく、景品表示法、レシート運用、店舗告知、効果検証まで含めて考えることが大切です。マストバイキャンペーンは、生活者が商品に気づき、購入し、応募する流れをつくる販促施策です。店頭とデジタルをつなげることで、購買促進と次回施策に活かせるデータ取得の両方を狙いやすくなります。
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