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【イベントレポート】業界誌編集長に聞く、メーカー営業が押さえるべき流通市場の構造変化 ~業態再編・PB台頭・M&A加速で変わる、小売勢力図と店頭戦略のこれから~

最終更新日: 2026 / 07 / 30

公開日: 2026 / 07 / 30

対象者

・流通業界の再編・業態変化を体系的に理解したい、メーカーの営業・営業企画担当の方
・バイヤーとの商談や社内説明に活かせる、流通市場の最新動向を把握したい方
・PB拡大がNB商品の棚や販促設計に与える影響を、有識者の視点から学びたい方
・今後の流通構造の変化を見据えて、トレードマーケティング戦略を見直したい方

 

本セミナーの内容

・業態の再編と勢力図の変化
・小売各社のPB戦略について
・値上げ局面における、流通側のインサイトの変化
・質疑応答
 


開催概要

PB比率の増加、値上げ局面への移行、そして毎月のように報じられる再編・統合のニュース。メーカーを取り巻く環境が大きく動く中で、「流通側は今、どんなインサイトで動いているのか」を知ることの重要性が増しています。

本セミナーでは、流通・小売業界の専門メディア『ダイヤモンド・チェーンストア』編集長の雪元史章氏をゲストにお招きし、業界の最前線を取材し続けてきた視点から流通市場の構造変化を紐解いていきます。


長谷川:
昨今、メーカーの皆様を取り巻く環境は非常に変化しています。PB比重の増加であったり、値上げ局面に移っていたりと、さまざまな市場環境の変化が起こる中で、実際に流通様の視点に立ったときに、今どんなインサイトで業界は動いているのか。この構造変化を知ることは、一つの重要なポイントだと考えています。

そこで今回は流通業界に非常に詳しい業界誌の編集長をお招きし、流通の方々が今インサイトとして持っている心理や直近の取り組みをお伺いできればと思います。流通業界・小売業界の「今」や「裏側」をシェアさせていただき、皆様の活動のさらなる飛躍に繋げられるセミナーとなりましたら幸いです。

 

1.流通業態の再編と勢力図の変化

加速する合従連衡——「エリア集中型」から「広域戦」へ

長谷川:
まず最初にお伺いしたいのが、流通業界の再編・統合、業態の変化についてです。毎月のように業界の再編や統合のニュースを目にする機会が多い印象ですが、改めて大きな動きについてお話しいただけますでしょうか。

雪元:
食品小売業界のこの1〜2年の動きは、本当にダイナミックだなと感じています。

前提として、日本は今後人口減少が確実に進むため、市場としては縮小・均衡に向かっていきます。それにもかかわらず、諸外国に比べるとスーパーマーケットのプレイヤーが非常に多い。そのため、徐々に上位集中がスーパーマーケット業界においても進んでいるという点が前提にあります。

直近で一番インパクトがあったのは、「トライアルホールディングスによる西友の買収完了」です。トライアルはもともと九州を地盤にしたディスカウント型のスーパーセンターを展開していた企業ですが、ここ数年で生鮮食品のMD(マーチャンダイジング)をブラッシュアップし、集客力を高めてきました。その結果、西友という一大企業を買収するに至りました。西友の売上が加わることで、トライアル全体の売上高は一気に1兆3000億円を超える規模になり、国内食品小売でもトップクラスの規模にのし上がりました。

それに相次いで、トライアルはドラッグストアの「スギ薬局」を展開するスギホールディングスとも業務提携をしました。スギ薬局の中にトライアルが製造した惣菜が入ったり、逆にトライアルの店舗の中にスギが運営する調剤薬局が入るなど、業態を超えた提携が店を進化させる可能性があります。

首都圏の「ヤオコー」や「マミーマート」といった企業も持株会社制(ホールディングス体制)に移行しました。ヤオコーはすでにローカルスーパー2社を買収していますが、ホールディングス化によって今後もM&Aによる事業拡大が確実視されています。ドン・キホーテを運営する「PPIH」も、首都圏でスーパーを展開するオリンピックグループを買収しました。これがPPIH独自の食品スーパーのフォーマットに転換されていくのではないかと見ています。

また「イオングループ」ですが、地域ごとのカンパニーを持つ中で、地域別の再編がいよいよ最終局面に入っています。首都圏であればマルエツやカスミを含む「U.S.M.H(ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス)」、ダイエーについては近畿圏を主なエリアとする食品スーパーとして生まれ変わるなど、各地域での存在感を高めています。

長谷川:
各社ごとの動きは違えど、エリア集中型から広域戦で広く握りに行こうという動きが、業界全体のトレンドとしてあるのですね。

 

「越境出店」——テリトリーを出て、肥沃なマーケットを取りに行く

長谷川:
先ほどのお話を踏まえ、エリアごとの特徴についてもさらにお伺いできればと思います。例えば関東と関西ですと、エリアによる違いや傾向はありますでしょうか。

雪元:
我々の雑誌では「越境出店」という言葉をよく使うのですが、これまで近くのエリア(極地戦)で戦っていたスーパーマーケットが、自社のテリトリーを出て新しいエリアに挑戦していく動きが非常に強くなっています。

例えば関東ですと、中部地方を本拠とする「バロー」が2025年末に横浜市へ1号店を出店しました。今後バローホールディングスは関東だけで500億円の売上を目指すと表明しています。バローは「デスティネーション・ストア戦略」として、競合店を飛び越えてでもバローに行きたいと思ってもらえるよう、生鮮食品を中心に品揃えを強化し、集客力を高めています。

やはり地方は人口減少のスピードが早いので、持続的な成長が見込める首都圏(関東)という肥沃なマーケットに出てきている。これが共通する特徴です。

関西についても「オーケー」が東大阪に関西1号店を出店し、その後も兵庫県や大阪府で出店を進めています。バローは関西でもスーパーマーケット業態の出店を加速させており、かなりのシェアを握りつつあります。

もともと滋賀県が本拠の「平和堂」は、大阪市などの都心部にスーパーマーケット業態の出店を進めています。平和堂はGMS(総合スーパー)がメインの企業でしたが、都心に小型の食品スーパーを出すことで新たな成長機会を伺っています。

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メーカーを取り巻く営業環境は、どう変わったか

長谷川:
そうした業界再編の変化がある中で、メーカーさんを取り巻く営業環境・棚環境・販促環境はどのような変化がありますでしょうか。

雪元:
メーカーの方も日々肌身で感じてらっしゃることだと思いますが、食品スーパー業界で合従連衡・再編が進んでいる中で、私から2つ挙げるとすると——。

1つは、小売側のバイイングパワーが圧倒的に高まっている点です。再編によって商談対象が徐々に集約されているということが言えると思います。局地戦であればエリアごとに、チェーンごとにあるいはグループによってはカンパニーごとに商談窓口があったのが、徐々に本部一括商談といった形に集約されているという動きはメーカーの方も感じてらっしゃると思います。

それが何を示すかというと、やはり商談一つ一つの重要性が高まっているということですね。一つの商談の成否が、県をまたいで、あるいは全国レベルでのシェアをメーカーにとっては左右する一つの動きになってるのかなと思っております。ここ数年、インフレの影響もあり小売優位な状況が続いていて、小売側の価格交渉力が強まっています。そこに対して、メーカーとして自社の利益を残しながら、いかに棚を取っていくかということが一つ重要なところかなと思います。

2つめは、地方を中心としている中堅NBの立ち位置が難しくなっているということが指摘できるかと思います。

大手のNBの有力商品であれば、引き続き売れ筋として棚に残るかもしれないですが、やはり小売側がPBの開発を強化しているという中で、中途半端な位置づけ・価格帯のナショナルブランド商品は、どうしてもカットされていく。

その先には、もしかすると小売のPBのOEMメーカーの様になっていくという未来も想像できます。それが間違っているわけではないですが、メーカーの中で「棚を取れる・取れない」の格差はどんどん広がっていくのではと思っています。

 

2.小売各社のPB戦略について

PBは「安さ」から分岐した——業態別に見る4つの方向性

長谷川:
NBの立ち位置が非常に難しくなってきている中で、小売各社のPB戦略は無視できない所かと思います。各業態ごとのPBの位置づけがどのように異なるのか。業態ごとにあるいは個社ごとに、各社がどのように差別化を図っているのか伺えればと思います。

雪元:
まず今回の主軸であるスーパーマーケットは、PBの「プライスレンジの拡大」が顕著です。過去のスーパーのPBは、とにかく安さを打ち出す商品が多かったのですが、直近ではミドルライン、プレミアム、その先のオーガニックや健康、エシカルといった、食品トレンドを捉えた付加価値型のPBが増えています。価格帯とコンセプトが拡大しているというのが、スーパーのPBの大きな特徴。これは日本だけではなく、世界的な潮流です。

ドラッグストアで顕著なのはコスモス薬品ですね。スーパーが絶対に後を追えないような、圧倒的な安さのPBを出しています。粗利の高い調剤や化粧品、日用品で利益を取りつつ、食品のPBは完全に集客のための戦略商品と位置づけ、圧倒的に価格を打ち出すというのが特徴です。

一方で難しいのがコンビニなんですよね。24時間営業やフランチャイズモデルという構造上、人件費のかかり方も物流も全く違うので、ディスカウントは基本的に不可能です。なのでここ数年は、NBを上回るクオリティ・コンセプトの専門性の高い商品がどんどん開発されています。セブンイレブンの「金のシリーズ」は1パック600円、700円ぐらいの価格帯です。それでもこの付加価値で勝負するしかないというのがコンビニの状況です。

ディスカウントストアのドン・キホーテやロピアなどは、基本的に大容量、メガ盛り・ギガ盛り、あるいは特定の素材や調味料に特化した商品ですね。驚きやエンタメ要素を商品に取り入れているのが最近の潮流と大きく整理できます。

PB全盛時代に、小売がNBに期待していること

長谷川:
今回の参加者はNBのご担当者様が非常に多く、「棚に残り続けたい」という意識が高い方ばかりかと思います。小売企業はNBに何を期待していて、NB側は何を価値として示す必要があるのでしょうか。

雪元:
PB全盛時代でNBの立ち位置は非常に難しくなっていると思います。ただ前提として、「NBをどんどんなくしていきます」「PBに特化していきます」というチェーンは皆無であるということはお伝えしておきたいです。

なぜかというと、日本の消費者は特に食にうるさく、クオリティを重視する方が多い。NBの売れ筋商品はスーパーでは今も集客の核であって、「いつものあの商品がちゃんと棚にある」ことは、お客様にとって普遍的な価値なんです。

もう一つ小売がNBに期待しているのが、開発力とマーケティング力ですね。スーパーがPBを開発強化しているとはいえ、開発技術や商品マーケティングの体制はメーカーには全く追いつかないレベルですし、そこに追いつこうとしているスーパーはいないです。

なので商品開発のイノベーション部分、例えば新しい冷凍技術を施した冷凍食品や、機能性表示系の商品といったメーカーが得意とする分野を引き続き磨いて提案することで、棚を確保することはできるかなと思います。

 

バイヤーが重視するのは「売れ筋」より「目新しさ」

雪元:
我々がスーパーマーケットのバイヤー向けに実施しているアンケートで、昨年末「NBの新商品を導入する際、あるいは商品入れ替えの時に重視するポイントは何か」を聞きました。

するとトップの「仕入れ条件」に次いで「目新しさ」を重視するという回答が前年から11.6ポイントも伸びていました。そして面白かったのが「売れ筋かどうか」を重視すると答えた人が前年から10ポイント減っているということなんです。

要するに売れ筋かどうかよりも、目新しさや新しい機能・価値をお客様に提供できている商品かどうかをバイヤーは今重視している。ここはメーカーの皆さんにお伝えしたいなと思いました。

長谷川:
客足が店舗から遠のいている中で目新しい商品によって新しい層の取り込みや若年層の間口拡大を狙いたいという意図でしょうか。

雪元:
そうですね。安さだけではもう同じ土俵の勝負になってしまうので、機能性の高い商品・付加価値のある商品をPB・NB関係なく売り場に並べられるかが最大の差別化策ということで各社非常に重視している印象ですね。

 

3.値上げ局面における、流通側のインサイトの変化

長谷川:
ドライバー問題やホルムズ海峡の問題もある中で値上げ局面において流通・小売側にはどのような懸念が広がっているのでしょうか。

雪元:
直近のスーパー各社の決算を見ると、基本的には「増収減益」がトレンドです。増収は、単純に単価が上がっているので売上も伸びているということ。一方で利益が非常に取りづらい。これは商品だけでなく物流費もエネルギー費も出店コストも全部高止まりしているためです。

その中で各社が一番困っているのが「客数の減少」ですね。大手チェーン中心で見ても客数や買い上げ点数の減少は著しい状態で、値上げ局面においてお客様の買い控えが顕著に起きています。

またスーパーマーケット業態視点で言うと、より安い商品を売っているドラッグストアやディスカウントストアへ顧客が流出していることへの「焦り」も現場から感じる部分ですね。


価格凍結、大容量化、EDLP、そして「AIで安さを実現する」

長谷川:
過去の値上げ局面では、各チェーンはどのような対応をしてきたのでしょうか。

雪元:
過去を振り返っても、行ってきたことはそんなに変わっていません。いくつか挙げるとすると——。

一つは、NB商品が値上げするタイミングでのPBの「価格凍結」。イオンなどが実施していますが、PBの価格を据え置いてNBに対する価格優位性をアピールするというのが、一つの集客の核として機能しています。

もう一つが大容量化。メガパックやギガパックにシフトして値頃感を演出する。ただ直近、この狙いが消費者に見透かされ始めている印象です。「なんとなくお得」という、その「なんとなく」に消費者が気づき始めてしまっているので、この辺りは各社最適な量目は何なのかを見つめ直しているところかなと思います。

そしてEDLP、いわゆるチラシ特売をやめて、できる限りオペレーションコストを減らすことで毎日低価格を打ち出すという動きですね。

直近でいくとAIの活用が進んでいます。自動発注にAIを組み合わせて精度を高め、発注時間を短縮して別の作業に転換する動きですね。面白いところで言うと、トライアルやイオンなどはAIカメラを売り場に導入して、棚に残っている惣菜の数を分析し、時間に応じて自動で値引きを適用させています。売り場にはサイネージを置いて、「今この時間からこの商品は何パーセント値引きですよ」と案内する。

これによってシール・値札の付け替え作業がゼロになるんです。それでオペレーションを効率化させて、最終的に商品価格をより安く、値頃感のある価格にするという動きが徐々に進んできているかなと思っています。

 

4.質疑応答

 

Q1. 今後の酒類業界の動向について

雪元:
酒類は今すごく注目されている部門ですね。各社が今一番気にしているのが10月の酒税法改正です。これによってメーカーがどういった商品を展開してくるのか、それをもとに売り場をどう作るのかを気にしています。

市場全体で言うと二極化が進んでいます。できるだけ安く楽しみたいという節約志向がある一方で、クラフトビールや国産ウイスキー、フランスのワインといった付加価値型を楽しみたいというニーズもある。しかもそれを一人の人が、「この日は安く済ませたいけど、この日はちょっといいウイスキーを飲みたい」というニーズもあります。そのためメーカー・小売それぞれが顧客データをもとに分析した上で、最適な商品提案をするべきなのかなと感じています。

個人的な見方としては、酒類は「関連販売」の重要性がさらに増していくと思っています。今はワインとチーズ、ビールとソーセージといった、ある種ありきたりな関連販売が多いですが、そうではない一線を画した新しい提案を各社が待ち望んでいるのかなと。

最近だとワイン売り場に高級なRIEDEL(リーデル)のワイングラスを置いたり、日本酒コーナーに酒器を置いたり、いいワインオープナーやソムリエナイフを置いたり、という提案力のある売り場も見ています。食品だけでなく、非食品・日雑を含めた関連販売の余地はまだまだあります。そういった提案をぜひメーカーの皆さんの方から小売に対してやっていただくのがいいのかなと思います。

関連記事:
【調査レポート】ビール類の飲用・購買実態と酒税改正の影響に関する調査(2026年)

 

Q2. エリアごとに消費者の特徴や売れ筋が違う中で越境化が進むとき、どのように提案していくべきか

雪元:
難しい問題なんですけれども「その地域に合わせた商品提案をする」だけが正解ではありません。

例えばバローは横浜の1号店でも、牛肉なら飛騨牛をメインで押したり、惣菜で名古屋めしを提案したりしています。トライアルも関東にある西友の店で福岡で有名なアイスのモンブランを提案したり、惣菜でチキン南蛮やとり天といった九州グルメを展開したり、加工食品の棚では九州メーカーの醤油をはじめとした調味料を提案したりしています。

つまり越境出店したからこそ、もともと本拠としているエリアの商品をアピールすることが、一つの集客策になっているんです。メーカーとしても、そういった「越境提案」は今後重要になってくるかなと思います。

 

Q3. エリアに根付いた地方の小売企業には、どのような提案が刺さるか

雪元:
地方の小売はPBを作りたくても作れない企業が結構あります。ただ直近では、基本的に「共同仕入れ」に加盟するケースが増えています。CGC、AJS、ニチリウなどの商品を入れることである種、自社PBの代替にしています。

なので必ずしもメーカーに価格優位性を求める、価格交渉一辺倒ということではないというのは前提にあるのかなと思います。

その中で地方の中小規模の小売業への提案としては繰り返しになりますが、これまでの売り場になかった新機軸の商品や、機能性の高い商品の提案を求めているかなと思います。

 

Q4. ウォルマートなどではAIによる棚割りの自動化が実装されていますが、日本でも進みますか。卸やメーカーの提案ベースで棚割りを決めることが多いので進まないのでしょうか

雪元:
すでに実装されている企業があります。例えばトライアルや、イオングループの一部です。

「卸やメーカーの提案をベースに棚割りを決定する習慣があったので変えにくい」というのはおっしゃる通りなのですが、その点トライアルは進んでいて、卸・メーカー・トライアルの3が完全に協業して一つの部門、一つのカテゴリーの棚を全員で考えるという協業が進んでいます。

「売った買った」の関係ではなく、一緒に棚割りを考えていくんだというスタンスに立った小売業が増えていけば、AIによる棚割り自動化の実装は進んでいくでしょうし、個店個店に最適な棚割りが広がっていく。これが成功事例として公にされれば、他の小売業も追っていくでしょうし、中には小売同士がタッグを組むことも一部進んでいます。そうした競争の壁を越えて棚を作っていくという動きは進んでいくのではないかと思っています。


Q5. メーカー営業未経験なので、商流等を一から学びたい

雪元:
未経験の方が今キャッチすべきキーワードは、やはり「トレードマーケティング」という考え方ですね。バイヤーのインサイトを理解することが、メーカーの営業にとっては非常に重要になります。

消費者だけでなくバイヤーが日々何を考えているのかを理解した上で、バイヤーが抱える課題解決をソリューションとして提供する。トレードマーケティングに関連する書籍は読んでいただけたらいいかと思います。もちろん我々の『ダイヤモンド・チェーンストア』も見ていただきたいです。

長谷川:
当社も井本様と対談させていただいた記事がございますので、そちらも参考にしていただければと思います。

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5.まとめ

再編と越境出店によって商談窓口は本部へ集約され、一回の商談が、県をまたいで全国レベルのシェアを左右するようになりました。PBは「安さ」一辺倒から業態ごとに分岐し、スーパーは価格帯とコンセプトを広げ、コンビニは付加価値へ振り切っています。値上げ局面では各社が「客数の減少」という共通の痛点を抱え、AIでオペレーションコストを削って価格に還元する動きも始まりました。

その中でバイヤーアンケートが示したのは、バイヤーが見ているものが「売れ筋かどうか」から「目新しさ」へ移っているという事実でした。一方で「NBをなくす」と言う小売は皆無で、期待されているのはメーカーの開発力とマーケティング力そのもの。棚を守る条件は、価格で譲ることではなく、その売り場にまだない価値を持ち込めるかどうかに移りつつあります。

 

登壇者プロフィール

■雪元 史章 
株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア 編集局 

ダイヤモンド・チェーンストア編集長 兼 ダイヤモンド・チェーンストア オンライン編集長

1987年生まれ。上智大学外国語学部(スペイン語専攻)卒業後、運輸・交通系の出版社を経て2015年ダイヤモンド・フリードマン社(現ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。編集記者、副編集長を経て25年4月より雑誌ダイヤモンド・チェーンストアおよびダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長。


■長谷川 孔介
株式会社エクスクリエ
プランニング・マーケティング 責任者

YouTube制作会社売却後、DMM.comにて新規事業開発・事業再生、株式会社ネクストレンドという年間3,000案件実施のインフルエンサーマーケティング会社にて取締役を経験。

現在は、株式会社クロス・マーケティンググループにてグループ経営企画GMを務めるとともに、株式会社エクスクリエではプランニングG・マーケティングG 部長として戦略立案と事業推進を統括。さらに、株式会社REECHにてゼネラルマネージャー(GM)としてインフルエンサー事業全体を管掌するなど、3社・4事業部を横断して経営および事業責任を担う。

本レポートは、2026年6月23日開催セミナーの内容をもとに構成しています。

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