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消費財メーカーにおける"トライアル獲得に向けた施策"とは?新商品を「まず1回買ってもらう」ための具体的な手法
食品・飲料・日用品などのFMCG領域では、新商品を発売してから認知を広げても、店頭で売上を伸ばすタイミングを逃してしまうことがあります。本記事では、FMCGの新商品のプロモーションで発売前から考えるべきことや、発売後までの進め方、起こりやすい失敗を解説します。
FMCG新商品の発売前プロモーションが、店頭での購買につながらずお悩みではありませんか?
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FMCGとは、食品・飲料・日用品・化粧品など、日常的に購入される消費財を指す言葉です。スーパーやドラッグストア、コンビニなどで扱われる商品が多く、生活者にとっては身近な存在です。
発売前にSNSや広告で告知をすれば十分だと考える担当者もいますが、「話題にはなったのに、店頭では思ったほど動かなかった」というケースも多くあります。どこで買えるのかわからない、売場で見つけにくい、価格や容量に納得できない、いつもの商品との違いが伝わらない。こうした要因があると、関心は購買の手前で止まります。
実際、当社が実施した調査(2026年3月)によると、スーパーでの買い物で「買うカテゴリーは決めているが、具体的な商品は店頭で決める」と回答した人が約半数にのぼっています。事前にカテゴリーへの関心を持ってもらえたとしても、最終的にどの商品を手に取るかは売場で決まる場面が多いということです。
新商品のプロモーションでは、認知だけでなく、店頭での行動まで見据える必要があります。広告で何を伝えるか、SNSでどんな声を集めるか、流通にどんな材料を渡すか、売場でどのように見せるかなど、発売直後の購買行動につながる流れとして考えることが大切です。
FMCGは、身近だからこそ競合も多く、店頭では短い時間で判断されます。生活者は毎回じっくり比較しているわけではありません。いつも買っている商品を手に取る、目立つ場所にある商品を選ぶ、以前どこかで見た商品を思い出して試す、こうした小さな判断の積み重ねで購買が生まれます。
同調査では、「商品棚の目立つ位置に置かれている商品」を購入することが「ある」と回答した人が64.4%にのぼり、商品認知・興味・購入の各段階で他の店頭施策を上回る影響力を持つことが確認されています。発売前に関心を持ってもらうだけでなく、発売直後に売場で「目に留まる状態」を作ることが、購買につながる大きな要因です。
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そのため、新商品の発売日は、「初めて知ってもらう日」ではなく、発売前につくった関心を購買につなげる日と考える必要があります。発売前の段階から商品名や特徴、利用シーンを伝え、生活者の中に接点をつくっておくことが重要です。発売してから初めて商品名を知ってもらうのでは遅いケースがあります。店頭で見つけた瞬間に「これ、気になっていた」と思い出してもらえる状態を、発売前からつくっておくことが欠かせません。
ティザー広告とは、商品やサービスの詳細をあえて一部だけ見せ、発売前や公開前に生活者の期待感や関心を高める宣伝手法です。
ティザー広告を組み立てる際は、まず「最後まで隠す情報」と「先に見せる情報」を決めます。たとえば、商品名は伏せて利用シーンだけを見せる、発売日は公表して特徴は一つだけ伝えるなど、見せる範囲を整理しておくことが重要です。そのうえで、発売日までの間に段階的な接点をつくります。最初は日付やキーワードだけを出し、次にパッケージの一部や利用シーンを見せ、最後に商品全体を公開するなど、少しずつ情報を足していきます。
ただし、隠しすぎると何の商品なのか伝わらず、期待だけを高めすぎると発売後の評価につながりにくくなります。生活者が想像できる手がかりを残しながら、店頭で見つけたときに「これ、見たことがある」と思い出してもらえる状態をつくることが、ティザー広告の役割です。
日用品や食品は、実際に試してみないとわかりにくい五感(味・香り・テクスチャー)が購買の決め手になります。
そのため、発売前にサンプリングやモニターを行うと、生活者がどこに魅力を感じるのか、どこで迷うのかを把握できます。良い反応だけでなく、伝わりにくい点を知ることも意味があります。発売前にそのズレを見つけられれば、広告表現や店頭POP、商品ページの見せ方を調整することができます。
また、実際に試した人の声は、流通商談でも活用できます。「どの層が反応したのか」「どんな場面で使われたのか」「既存品と比べて何が評価されたのか」を示すことができると、“売れる根拠”として伝えやすくなります。
SNSやUGCは、単に投稿数を増やすためだけに使うものではありません。店頭で買うか迷っている生活者にとって、メーカー発信では伝えにくい細かなニュアンスも、生活者の言葉なら自然に届くことがあります。
一方で、UGCは自然発生に任せるだけでは十分に集まりません。発売前から、どのような体験をしてもらい、どのような観点で感想を集めたいのかを考えておく必要があります。話題化を目的にするのではなく、購買判断を助ける情報を増やすという視点で考えることが大切です。
発売4〜2週間前は、生活者に商品を知ってもらい、発売時に思い出してもらうための期間です。認知を広げるだけでなく、「気になる」「試してみたい」と思ってもらう接点をつくります。
当社が実施した調査(2026年4月)では、買い物で「選ぶのに疲れた」と感じたときの行動として「以前に使ったことがある商品を購入する」が25.9%を占めています。これは、発売前の試供・体験で先行接点を持った生活者ほど、発売後の購買場面で「知っている商品」として選ばれやすくなることを示すデータといえます。
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◯目的
発売時に思い出してもらえる状態をつくる
◯主な施策
SNSでのティザー広告、先行モニター、インフルエンサーへの試用依頼、メールやアプリでの事前案内
◯見るべき指標
投稿の保存数、コメント内容、モニター応募数、検索数、事前告知への反応
この時期は、反応が良い言葉や画像、使用シーンを見つけることも重要です。発売前の反応をもとに、発売直後の広告や店頭POPで使う表現を絞っていきます。
発売週から発売後3週間ほどは、発売前につくった関心を購買行動へ移す時期です。商品の魅力だけでなく、どこで買えるのか、売場で何を目印にすればよいのかを明確に伝えます。
◯目的
興味を持った生活者が迷わず購入できる状態をつくる
◯主な施策
取扱店舗の案内、売場での目印づくり、店頭POP、SNSでの発売告知、購入キャンペーン
◯見るべき指標
店頭POS、配荷状況、キャンペーン参加数、レシート応募数、欠品の有無、販促物の展開状況
生活者が「買ってみたい」と思っても、取り扱い店舗や売場での見つけ方がわからなければ、購買にはつながりません。数字だけでなく、実際の売場の状態も合わせて確認することが大切です。
発売後1か月以降は、発売直後の話題を一過性で終わらせず、継続購入につなげる時期です。購入者の声や使い方を活用し、再び思い出してもらう接点をつくります。
◯目的
一度買った人に、もう一度選んでもらう理由をつくる
◯主な施策
レビュー紹介、使い方提案、レシピ提案、季節に合わせた訴求、リピート購入キャンペーン
◯見るべき指標
レビュー内容、再購入率、SNS投稿、キャンペーン参加状況、継続的な売上推移
この時期に必要なのは、発売時の話題を引き延ばすことではありません。実際に使った人の反応をもとに、続けて買う理由を伝えることです。FMCG領域では、発売直後の売れ行きだけでなく、リピートの兆しまで見ておく必要があります。
新商品では、多くの人に知ってもらおうとして訴求を広げすぎることがあります。しかし、対象が広すぎるとメッセージがぼやけてしまい、自分ごと化されにくくなってしまいます。
発売前の段階では、まず強く反応してほしい生活者を明確にすることが重要です。ターゲットと利用シーンを絞ることで、広告やSNS、店頭POPで伝える内容にも一貫性が生まれます。
当社の調査(買い物における選択疲れ、2026年4月)では、買い物をするときに「失敗したくない」と感じている人が80.6%にのぼるという結果が出ています。新商品を選ぶ際にも同様の心理が働くと考えられ、「誰に、どんな場面で」を絞った訴求は、生活者の購買不安を和らげる上でも有効です。
発売前に注目を集めようとして、商品の魅力を大きく見せすぎることがあります。短期的には話題になっても、実際の使用感と差があると、満足度やリピート購入につながりにくくなります。
特にFMCGは日常的に使われる商品だからこそ、広告で見た印象と実際の使いやすさ、味、香り、容量、価格の納得感がそろっていることが重要です。「画期的」「今までにない」といった表現を使う場合も、実際に体験したときに納得できる価値と合っているかを確認することが大切です。
FMCGの新商品プロモーションでは、発売してから認知を広げるのではなく、発売前から生活者との接点をつくっておくことが重要です。そのためには、ティザー広告やサンプリング、SNS・UGCを単なる話題化のために使うのではなく、購買判断を後押しする材料として設計する必要があります。あわせて、発売前・発売直後・発売後1か月以降の各フェーズで、目的や見るべき指標を分けて考えることが大切です。
また、ターゲットを広げすぎたり、期待値を上げすぎたりすると、発売後の購買やリピートにつながりにくくなります。発売前の段階から「誰に、どのような場面で、なぜ選ばれるのか」を明確にし、店頭での購買と継続購入まで見据えてプロモーションを組み立てることを心がけましょう。
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