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【IPビジネスの最前線】企業が収益化とブランド拡大を両立させる実践戦略
食品・飲料・日用品などのFMCG領域では、店頭で目立ち、手に取ってもらうきっかけづくりが欠かせません。人気キャラクターやアニメなどのIPコラボは、既存顧客以外の関心を引き、SNSでの話題化や来店動機をつくりやすい販促手法です。
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IPとは「Intellectual Property」の略で、日本語では知的財産を意味します。販促の文脈では、アニメ、マンガ、ゲーム、キャラクター、ロゴ、作品の世界観などを活用した企画を指すことが多いです。
FMCG領域でよく見られるのは、人気キャラクターを使った限定パッケージ、対象商品購入でもらえるノベルティ、レシート応募キャンペーン、SNS投稿キャンペーンなどです。消費者から見ると「好きなキャラクターの企画だから気になる」「今だけのデザインだから買っておきたい」という反応が生まれやすくなります。
食品・飲料・日用品などは、生活者が店頭で短時間に選ぶ商品です。いつも買っている商品がある場合、新しい商品やキャンペーン品に目を向けてもらうには、わかりやすいきっかけが必要です。
IPコラボは、キャラクターの認知や好感度を活かして、売り場で足を止めてもらう理由をつくれます。ただし、単にキャラクターを商品に載せるだけでは十分ではありません。作品やキャラクターの世界観を守りながら、商品や売り場に合う形へ落とし込むことが必要です。
当社が実施した調査(2026年3月)では、「キャラクターとコラボしている商品」を購入する頻度は若年層ほど高い傾向が確認されています。同じ傾向は「キャンペーン対象の商品」「店頭のデジタルサイネージで紹介されていた商品」でも見られ、若年層に向けた販促ではキャラクター活用が有効な切り口となることがデータからも示されています。
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IPコラボの大きなメリットは、商品カテゴリの既存顧客とは異なる層と接点を持てることです。普段はその飲料やお菓子を買っていない人でも、好きなキャラクターの限定デザインや特典があれば、店頭で手に取る理由が生まれます。
FMCGは購入頻度が高い一方で、生活者がいつもの商品を選びやすい領域です。そのため、新しい商品やキャンペーン品を試してもらうには、「いつもと違う商品を手に取る理由」が必要になります。IPコラボは「好きな作品だから」「限定だから」「特典があるから」という形で、最初の購入を後押ししやすい施策です。
当社が実施した調査(2026年4月)では、若年層ほど「誰か(専門家・インフルエンサー・AI等)がおすすめしたものを買いたい」と回答する割合が高いことが分かっています。好きなキャラクターやIPは、若年層にとって「選ぶ理由」となる推薦軸の一つとして機能していると考えられます。
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IPコラボは、限定感を出しやすい点も強みです。限定パッケージ、描き下ろしイラスト、購入特典、数量限定ノベルティなどは、店頭で「今買う理由」になります。ファンにとっては、商品そのものだけでなく、デザインや特典にも価値があります。
ただし、限定感を強く打ち出す場合は、対象商品や購入条件をわかりやすく提示する必要があります。「どの商品を何個買えばよいのか」「どの店舗で実施しているのか」が曖昧だと、売り場で迷いが生まれます。限定性は強い武器ですが、買い方が複雑になると機会損失につながります。
IPファンは、キャンペーン情報や特典画像、対象店舗の情報に敏感で、SNS上で話題が広がりやすい特徴があります。告知の段階から話題になれば、キャンペーン開始日に店頭へ足を運ぶきっかけにもなります。
一方で、SNSで話題になっても、実際の購入につながるとは限りません。投稿が伸びても、対象店舗がわかりにくい、売り場で見つけられない、景品の条件が複雑といった状態では、購買につながりにくくなります。FMCGのIPコラボでは、話題化を店頭購買へつなげる導線まで考えることが必要です。
人気のあるIPを起用すれば、必ず販促が成功するわけではありません。大切なのは、商品のターゲットとIPのファン層がどれだけ重なるかです。
たとえば、以下のように考えるとIPとの相性がよい場合があります。
◯若年層向けの飲料
SNSで話題が広がりやすいIP
◯ファミリー向けの食品
親子で認知されているキャラクター
◯日用品
キャラクターの世界観だけでなく、家庭内で使う場面になじむか
このようにIPを選ぶ際は、「人気があるか」だけでなく、そのIPのファンが実際に商品を手に取る理由を持てるかまで確認する必要があります。
商品カテゴリとの相性も重要です。“健康”や“安心感”を打ち出したい商品では、IPの印象によって本来伝えたい価値がぼやけてしまう場合があります。反対に、菓子や飲料のように楽しさや気軽さを伝えやすいカテゴリでは、キャラクターの表情やビジュアルが目に留まりやすく、売り場で手に取るきっかけになりやすいです。
重要なのは、「なぜこの商品とこのIPが組むのか」が見えることです。味、使用シーン、ターゲット、季節性、キャンペーンの目的とIPの世界観がつながっていれば、生活者にも企画の意味が伝わりやすくなります。
IPファンは、キャラクターや作品の扱いに敏感です。キャラクターを載せただけの企画や、作品の世界観と合っていない表現は、作品への理解が十分でない企画だと受け取られることがあります。
ファンには「作品を理解している」と感じてもらい、一般客には「楽しそう」「買ってみよう」と思ってもらう。その両立が、FMCGの販促では大切です。キャラクターの人気に頼るのではなく、商品とIPのつながりが自然に伝わる企画にする必要があります。
FMCGのIPコラボで使いやすい施策の一つが、限定パッケージです。売り場で目に入りやすく、商品を手に取るきっかけになります。菓子、飲料、即席食品、化粧品、日用品などは、パッケージの見た目が購買判断に影響しやすいカテゴリです。
複数のデザインを用意すれば、集めたい気持ちも刺激できます。ファンにとっては、商品を買うだけでなく、パッケージを残す楽しみも生まれます。ただし、ファン向けのデザインに寄せすぎると、初めて見る人には「どんな商品なのか」が伝わりにくくなる場合があるため、商品名や味、用途が一目でわかる見せ方は残しておく必要があります。
対象商品を購入するとクリアファイル、ステッカー、カード、アクリルグッズなどがもらえる企画は、FMCGの店頭販促と相性がよい施策です。
購入特典の強みは、来店動機と購買理由を同時につくれることです。好きなキャラクターの特典があるから店舗に行く。対象商品を買う。場合によっては、「全種類をコレクションしたい」というファンのエンゲージメントを高め、リピート利用や1人あたり購買単価の向上(まとめ買い・併買)に繋げる。こうした動きが期待できます。
一方で、景品だけが目立つと、商品理解が残らないことがあります。特典で集客しながら、商品のおいしさ、使いやすさ、便利さも伝える必要があります。
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SNSで話題をつくるだけでは、実際の購買につながったかが見えにくいことがあります。そこで活用しやすいのが、レシート応募や店頭購入型のキャンペーンです。
対象商品を購入し、レシートを使って応募する形式であれば、キャンペーン参加と購買行動を結びつけやすくなります。さらに応募時にアンケートを組み合わせれば、購入理由、IPへの関心、普段の購入状況なども把握できます。
IPコラボでは、SNSキャンペーンも有効です。キャンペーン投稿のリポスト、ハッシュタグ投稿、購入報告、特典開封投稿など、ファンが参加しやすい仕組みを用意すると、話題が広がりやすくなります。
ただし、投稿数だけを追うと、販促としての成果が見えにくくなります。対象商品、購入場所、応募条件、景品内容がわかりやすく伝わる投稿にすることが必要です。SNSで関心を持った人が、次にどの店舗へ行けばよいのか、何を買えばよいのかまで迷わない状態をつくります。
IPコラボは、通常の販促より確認事項や調整先が多く、進行も長期化しやすい施策です。特にFMCGでは、発売日・配荷・店頭展開のタイミングが決まっているため、後から調整しようとしても間に合わないケースが少なくありません。ここでは、実際の現場でよくある流れを、5つのステップに分けて整理します。
最初に整理したいのは、IPコラボで何を達成したいのかです。
例えば、
など、目的によって企画内容は変わります。
例えば、「店頭購入」が目的なのに、SNS投稿だけが盛り上がる企画になってしまうケースは現場でもよく見られます。FMCGでは最終的にPOSを動かせるかが見られるため、“何を成果として見るのか”を最初に決めておく必要があります。
目的が決まったら、次はIP選定です。
ここで見たいのは、単純な人気ではなく、
といった点です。
例えば、若年層向け飲料であればSNS拡散力の高いIPと相性が良い場合があります。一方、ファミリー向け食品では、親子で認知されているキャラクターのほうが店頭で動きやすいこともあります。
また、作品の新作公開・周年・映画化など、IP側の盛り上がり時期と重なるかも確認しておきたいポイントです。
IPコラボでは、通常の販促より確認工程が増えます。
例えば、
など、版権元とのやり取りが複数回発生します。
特にFMCGは、「商品製造」「流通商談」「店頭納品」などのスケジュールが固定されていることが多いため、監修遅延がそのまま発売延期につながることもあります。
現場では、「企画は決まったが監修が終わらず販促物が間に合わない」というケースも珍しくありません。早い段階で確認期間を確保しておく必要があります。
企画内容が固まったら、実際の販促準備に入ります。
FMCGでは、以下を並行して進めるケースが多く見られます。
ここで大切なのは、「SNSだけ」「店頭だけ」で終わらせないことです。
例えば、
SNSで興味を持つ
↓
店頭で商品を見つける
↓
購入特典がある
↓
SNS投稿したくなる
という流れまでつなげることで、店頭購入につながりやすくなります。
キャンペーン開始後は、売上だけでなく、
まで確認しておく必要があります。
IPコラボは話題化しやすい反面、「SNSでは盛り上がったが購買につながらなかった」というケースもあります。
逆に、購買やノベルティ配布につながったものの、SNS上ではファン以外に広がらなかったケースもあります。
そのため、
「なぜ売れたのか」
「どこで反応が止まったのか」
まで振り返ることで、次回施策の精度が上がりやすくなります。
人気キャラクターを起用しても、商品とのつながりが見えないと、購買理由が弱くなります。話題にはなっても、「なぜこの商品を買うのか」まで伝わらなければ、販売実績にはつながりにくくなります。
IPは集客の入口になりますが、商品そのものの魅力を代わりに説明してくれるわけではありません。味、使い心地、便利さ、限定性、売り場での見つけやすさまで含めて、購買につながる形に落とし込む必要があります。
ノベルティやグッズが強い企画では、景品目的の購入が増えることがあります。それ自体は販促として有効です。ただし、商品理解が残らなければ、キャンペーン後の継続購入にはつながりにくくなります。
景品で来店を促し、商品を試してもらい、その体験を次の購買につなげる。ここまで考えておくことが大切です。店頭POPやキャンペーンLPでは、特典だけでなく商品の特徴もきちんと伝える必要があります。
IPコラボでは、通常の販促よりも確認事項が多くなります。キャラクターの使い方、色味、ポーズ、文言、景品の仕様など、細かな監修が入ることがあります。
この期間を短く見積もると、販促物の納品が遅れたり、店頭展開に間に合わなかったりする可能性があります。FMCGでは流通との展開タイミングもあるため、制作の遅れは売り場での機会損失につながります。
IPコラボは、人気キャラクターや作品の力を借りて、FMCGの集客力と話題性を高められる販促手法です。食品・飲料・日用品などでは、限定パッケージ、購入特典、レシート応募、SNSキャンペーンと組み合わせることで、店頭で手に取る理由をつくりやすくなります。
一方で、キャラクターの人気だけに頼ると、商品理解や継続購入につながらないことがあります。商品ターゲットとIPファン層の相性、売り場での見え方、応募条件のわかりやすさ、監修・制作期間まで含めて準備することが必要です。
強いIPは、生活者の目を引き、売り場へ向かうきっかけをつくります。ただし、最終的に買われるのは商品です。話題化、来店、購買、継続購入までを一つの流れとして考えることが、FMCG領域のIPコラボ販促では欠かせません。
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