過去最高の売上を更新! 原材料高騰による価格改定の逆風を跳ね返したグリコ「ジャイアントコーン」のIPコラボ
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江崎グリコ株式会社様は2025年のジャイアントコーン価格改定にあたり、エクスクリエ(およびグループ企業のトキオ・ゲッツ)を通じた講談社人気6作品とのIPコラボを実施。結果、過去最高の売上を更新しました。
今回は江崎グリコ 乳業事業部 マーケティング部の小山 人志様に取材。キャンペーンの全貌や、社内稟議を通すための準備、IPコラボを成功させるための戦略的な施策設計術を紐解きます。
エクスクリエ長谷川(以下、長谷川):
まずは、江崎グリコ様における「ジャイアントコーン」の位置づけについて改めてお聞かせください。
江崎グリコ小山様(以下、小山):
ジャイアントコーンはグリコの代名詞ともいえる人気商品であり、売上と収益の両面からも事業を支える当社の重要ブランドです。お客様にとっても「グリコのアイスといえばジャイアントコーン」と想起される、象徴的な存在だと思っています。
長谷川:
ジャイアントコーンはどのような生活者をターゲットにしているのですか。
小山:
基本的には「活力を得たい人」です。具体的な年齢層としては、日常において疲れる場面が多く、ジャイアントコーンのような食べ応えのあるアイスが負担にならない、「20~30代の社会人」と「主婦(夫)層」の2軸で設定しています。ただ、発売から60年ほど経つロングセラーブランドですので、シニア層にも「疲れた時はジャイアントコーン」という第一想起が定着しており、結果として老若男女に幅広く愛されていますね。全世代を通じて、疲れたとき、活力を得たいときに、ザクザク食感のアイスで「活力」を与える存在としてブランド価値を提供しています。
キャプション:小山 人志様(江崎グリコ株式会社 乳業事業部 マーケティング部)
長谷川:
誰もが知る非常に強力なブランドですが、どのような課題感があったのでしょう。
小山:
大きく分けて2つありました。
1つ目は、カカオ高騰などによる「価格改定への逆風」です。ジャイアントコーンの最大の価値は、手頃な価格で贅沢な組み合わせを楽しめる「コストパフォーマンスの高さ」にあるはず。つまり、値上げは提供価値ダウンに直結してしまいかねません。しかし、原材料の値上げは想定以上で価格据え置きではカバーしきれず、大幅な値上げに踏み切りました。
2つ目は、将来を見据えた「若年層対策」です。何らかの手を打たなければ先々のブランド維持に影響があることは明白。将来のブランド活性化のためにも戦略的なアプローチが必要だと感じていました。
そんな状況でもいかにお客様の離脱を防ぎ、値上げに負けない商品の魅力を伝えることができるか。マス広告を含めて、強力な打ち手がないか模索している状況でした。
長谷川:
エクスクリエを今回パートナーとして選ばれた理由を教えてください。
小山:
エクスクリエはKPIへのコミットメントが高いことや、細かな注文にも粘り強く応えてくれること、IPコラボやリサーチ領域に強みをもつことなどを、特長として以前から認識していました。これまでの歩みのなかで質の高いサポート体制を実感しており、当社の目指すゴールに対して共に期待以上の成果を創り出せるパートナーだと分かっていたので、今回も安心して任せられましたね。

長谷川:
ありがとうございます。今回当社からは、若年層に向けた「講談社人気6作品のIPコラボ」を提案させていただきました。価格改定という逆境のなかでも、若年層をはじめ新たなターゲットにトライアルさせるだけの強いコンテンツパワーが、講談社の人気作品にはあると考えられるからです。
加えて、「週刊少年マガジン」をはじめとした講談社のマンガは「困難を乗り越えるために一歩踏み出すシーン」が多く、ジャイアントコーンが提供したい「活力」という価値と非常に親和性が高いと言えるでしょう。ただ試すだけにとどまらず、「商品価値を正しく伝える手段」としても、キャラクタープロモーションを推薦しました。
そのうえで改めてお伺いします。「IPコラボ」という提案を受け、率直にどう思われましたか?
小山:
価格改定を跳ね返すだけのパワーがありそうな施策かつ、若年層にフォーカスしたエイジング対策という目的にも合致するため、効果が期待できると感じました。
なお、価格弾力性調査によると、想定以上に価格改定による生活者の買い控えが大きいことが判明。それを今回のIPコラボで着実に跳ね返すべく、事前に徹底的な試算してから施策に挑みました。
長谷川:
施策実施前の段階において、エクスクリエからの支援はありましたか。
小山:
エクスクリエには非常に緻密なKPIシミュレーションを作成してもらっています。グループ内に調査会社を持つ強みを活かし、具体的な数字をスピーディーに何度も試算・提示してくれたことが、大きな安心材料になりましたね。
キャプション:提示したシミュレーションシートのイメージ(サンプルデータにつき、数値はダミーです)
長谷川:
ご評価いただきありがとうございます。一般的な「1対1」のコラボではなく、「6作品同時」という珍しい座組には不安はありませんでしたか。
小山:
6作品それぞれで同じメッセージを訴求しきれるのかは心配でしたね。しかし、出版社側の柔軟な協力も得て、「各作品のキャラクターがジャイアントコーンの魅力をセリフとして代弁する」というかたちに落とし込むことができました。この異例のプロジェクトをやりきれたのは、出版社との強固なリレーションを持つエクスクリエ(およびグループ企業のトキオ・ゲッツ)の力があってこそだと感じています。
長谷川:
今回の施策の全体像について、改めて教えてください。
小山:
ジャイアントコーンが獲得したいエクイティは、「食感」というスペックと「元気になれる」という情緒的価値でした。そのエクイティを高めることを目的として、今回は「ザクザク感で魂を燃やせ!無敵のオールスターズキャンペーン」と題し、限定パッケージ商品の発売と、LINEを活用したマストバイキャンペーンを実施しました。第1弾は2025年3月より、第2弾は2025年9月より開始し、3作品ごとのコラボとしています。
『東京卍リベンジャーズ』:©和久井健/講談社
『五等分の花嫁』:©春場ねぎ/講談社
『WIND BREAKER』:©にいさとる/講談社
第1弾では『東京卍リベンジャーズ』『五等分の花嫁』『WIND BREAKER』、第2弾では『FAIRY TAIL』『進撃の巨人』『ブルーロック』のキャラクターがジャイアントコーンの「ザクザク感」を熱く語る、オリジナルデザインのパッケージを展開しました。
『ブルーロック』:©金城宗幸・ノ村優介/講談社
『進撃の巨人』:©諫山創/講談社
『FAIRY TAIL』:©真島ヒロ/講談社
なお、あけくち(OPEN マークの後ろ)にも隠れイラストをあしらっています。なかには金色の枠がついたシークレットデザインも。シークレットを探したくなるファン心理をくすぐる仕掛けとしました。
マストバイキャンペーンは、期間中にジャイアントコーンを指定個数以上購入してレシートを撮影し、LINE アカウントから応募すると、ジャイアントコーンを立てることができるオリジナルグラスセットやアクリルスタンドセットが当たるというもの。15 個購入で応募できるコースと、5 個購入で応募できるコースを用意し、ファンによる積極的なリピート購入を促しました。
長谷川:
今回は事前に試算していたシミュレーションありきで、KPIの目標値に届くよう、実施内容を設計しています。具体的には、初速を押し上げるために開始直後に各メディアや作品公式SNSなどでの露出を最大化させること、キャンペーン中盤の盛り上がりを起こすためにシークレットデザインでファンの収集欲を喚起させることなどは、狙って組み込んでいる部分でした。
小山:
初速の立ち上がりの良さが施策全体の数字を押し上げてくれた印象です。ファンのみなさんが熱狂的だからこそ、中盤で見つかる想定だったシークレットデザインが早々に話題になってしまったことは、思わぬ誤算だったかもしれません(笑)。
長谷川:
今回のプロジェクトで得られた、定量的な成果について教えてください。
小山:
価格改定があるなか、過去最高売上を記録しています。他の施策と比べて顕著なのは奥行の増加でした。3ヶ月間のキャンペーン期間における1人あたり平均購入数は18個で、なかには500個以上購入された熱狂的なファンの方もいたようです。
加えて、ブランドのエクイティ(価値)指標が上昇しました。価格改定後にマス広告を打っていない状況下で、普通なら数値は下降してしまうもの。しかし、インパクトの高い今回の施策により、ブランド価値を高めることができたのではないかと考えています。
長谷川:
明確な成果につながり当社としてもうれしいです。キャンペーン期間中、印象的なUGC(口コミ)はありましたか。
小山:
「久々に食べた!」といった投稿や、「食べたことがなかったけれど、ジャイアントコーンっておいしいんだな」といったうれしいお声をSNSで多く見かけました。ノンユーザーの間口の拡大につながったと思います。また、「“推し”キャラクターのパッケージを見つけるまで何店舗もハシゴする」といった熱量の高い投稿もあり、コンテンツの持つパワーを再認識しました。
長谷川:
社内からの反響もありましたか。
小山:
特に営業担当から「助かる」という声が多数挙がりました。バイヤーへキャンペーンを告知することによって、「エンド」と呼ばれる特売コーナーにジャイアントコーンを置いてもらいやすくなったそうです。価格改定は営業するうえでの大きなネック。それを跳ね返すくらい強くプッシュできる「武器」ができたことは、商談の現場にポジティブな効果をもたらしたと言えるでしょう。
長谷川:
今回の取り組みを通じて、新たな発見や気づきはありましたか。
小山:
若年層が求める「活力」のあり方について、大きな気づきがありました。昨今の若者は「サウナで“ととのう”」のように、時間をかけて心身を整える穏やかな「活力」を好むものであって、ジャイアントコーンのようなパワフルさとは方向性が異なるかもしれないと予測していたんです。しかし今回、パワフルで熱いキャラクターとのコラボでも、熱狂的な反響が見られる結果となりました。
いわゆる栄養ドリンク的な「即効性のある活力」の訴求は中高年向きだと思っていましたが、IPというフィルターを通すことで、若年層へのポテンシャルの高さも見えてきました。今後も可能性を探っていきたいですね。

長谷川:
メーカーのマーケターとして、IPコラボという手段をどう評価されますか。
小山:
ブランドの提供価値とコンテンツが持つ世界観にハレーションが起きないならば、大きな相乗効果が期待できる有効なマーケティング手段だと考えます。
ただし、活用する前にマーケター自身が「この手法が最適解である」と確信できることが大前提。結局はIPコラボも他のマーケティング施策と同様だと思います。「これだけ予算を使えばこれだけの利益が返ってくる」という、どこまでも数字的な対話に尽きるものではないでしょうか。
「今この作品が流行っているから」といった理由だけでは失敗してしまうでしょう。自問自答を繰り返し、自分を論破できるレベルまで材料を用意して臨むべきです。エクスクリエはこの数字を固めていく地道な下準備にも、丁寧に協力してくれましたね。
長谷川:
ジャイアントコーンブランドとして、今後の展望を教えてください。
小山:
現代における「活力」のあり方は多様化しています。単純な身体の疲れだけでなく、心の疲弊にも「活力」は必要です。「活力」というキーワードにおいて純粋想起ナンバーワンのジャイアントコーンは、アイスメーカーの先頭に立って、さまざまな「活力」のかたちに応えていくブランドであるべきでしょう。変化し続けるお客様の価値観を常にウォッチし、寄り添っていきたいです。これからも未来永劫、お客様の頑張りたい気持ちに応え、「活力」を補給していくブランドになっていくことを目指します。
長谷川:
最後に、どのような場合にエクスクリエはおすすめか教えてください。
小山:
単なるキャラクターのキャスティングにとどまらず、コンテンツを通じて「商品の価値理解」を促進させたい場合に最適なパートナーだと思います。緻密なKPIシミュレーションのうえ、目標達成のために「もうひとつ施策を積みましょう」と、論理的かつ積極的に提案してくれる姿勢は、他のプロモーション会社にはなかなかない強みです。SNS周りの運用やキャンペーン設計まで包括的にサポートしてくれる点も心強いですね。責任感を持ち、ブランドの成長に真摯に向き合ってくれるパートナーとして、今後も大いに期待しています。
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