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バイヤーの心を動かす!売れる「棚割り提案書」の作り方とデータ活用のコツ

最終更新日: 2026 / 04 / 24

公開日: 2026 / 04 / 24

棚割り提案における「データ」の重要性

通らない提案の特徴

現場でよくあるのが、「売れるはず」という前提で棚割り提案を組み立ててしまうケースです。商品力やブランド力を軸に説明しても、バイヤー側からすると判断材料として不足します。

棚は限られたスペースで構成されており、1つの商品を入れるということは、別の商品を外す判断でもあります。この前提を踏まえない提案は、どうしても説得力に欠けてしまいます。

また、売場の現状を十分に把握しないまま提案を作ると、「この棚ではその商品は動きにくい」といったズレも生じます。

バイヤーが求める棚割り提案とは(データ視点)

バイヤーは単品の魅力ではなく「売場全体の改善」を目指しています。そのため棚割り提案を考える際には、売上・回転率・粗利といった指標をもとに、「導入によって何が変わるのか」を示す必要があります。

「感覚的な説明ではなく、データを基にした構成になっているかどうか」この一点が、提案の通りやすさを大きく左右します。

採用率が上がる!棚割り提案書の3つのステップ

ステップ①:今の棚の「弱点」を見つける

いきなり自社商品の話をせず、まずは今の売場をデータで分析します。

  • 死に筋の発見: 「この商品は売上が落ちており、棚の効率を下げています」
  • チャンスの指摘: 「世の中では〇〇が流行っているのに、御社の棚にはそのコーナーがありません」
  • ポイント: 相手を否定するのではなく「もっと売上を伸ばせる場所を見つけました」というスタンスが大切

ステップ②:データで「売れる根拠」を示す

次に、自社商品を置くべき理由をデータで裏付けます。

  • PI値(レジ通過客1,000人あたりの販売数量)「この商品は1,000人あたり〇個売れており、カテゴリー内でも高い商品力を持っています」
  • 併売データ: 「この商品は、御社で売れているA商品と一緒に買われる確率が○%と高いです」
  • 客層データ(ID-POS): 「御社が強化したい20代女性に支持されている商品です」

 

棚割り提案を作るうえで、まず押さえるべきはデータの種類です。一般的にはPOSデータが使われますが、より精度を高めるにはID-POSの視点も欠かせません。POSデータは売上や販売数量の把握に適していますが、「誰が買っているか」までは見えません。

一方でID-POSは「誰が買ったか(顧客ID)」が紐づいているため、購買頻度や併買傾向など、より具体的な購買行動を把握することができます。「どの顧客層に支持されているか」「どのような組み合わせで選ばれているか」がわかるため、売場のストーリー設計に活かしやすい点が特徴です。

ステップ③:具体的な「棚のイメージ(図)」を見せる

提案が通らない原因の一つに、「図と数字がつながっていない」ことがあります。

棚割図だけではイメージに留まり、数値だけでは実感が伴いません。この2つをセットで示すことで、「この配置にすると売上がどう変わるか」が具体的に伝わります。専用ソフトやExcelを使い、「どこに・何を・何個並べるか」を図解します。

  • ゴールデンゾーンを活用: 最も売れるゴールデンゾーン(床から約75〜135cm)に何を置くか。
  • 関連陳列: 「お肉売場の横に、この調味料を置きましょう」といった具体的な場所の提案。


棚割り提案書に入れるべき「必須項目」チェックリスト

バイヤーがそのまま社内報告に使えるレベルの資料を目指しましょう。
✔ コンセプト:「今回の棚替えでカテゴリー売上を10%上げる」

✔ 棚割図(ビフォーアフター):どこが変わるかひと目でわかる比較図
✔ 売上シミュレーション:商品を入れたあとに、棚全体の利益がどう増えるかの予測数値
✔ 運用条件:発注単位(ロット)や、いつから納品できるかのスケジュール

失敗しないための「だれでもできる」一工夫

自社だけの提案にせず、あえて競合を残す

自社商品ばかりをゴールデンゾーンに並べた提案は、バイヤーに「自社の売上しか考えていない」と警戒されてしまいます。

売上データに基づき、「他社のカットできない売れ筋商品」はしっかりと良い位置に残したまま、自社商品を差し込む提案をするのが現実的にも受け入れてもらいやすいです。

一言添える場合は、「こちらのA社さんの商品は、当店でもリピーターが多いので、この位置で維持しつつ、隣に当社の新商品を置くことで相乗効果を狙いましょう」というように、「カテゴリ全体のバランス」を考えている姿勢を見せることで、バイヤーから「パートナー」として信頼されます。

「店舗スタッフの作業効率」をセットで語る

バイヤー自身が店舗運営を兼務していない場合でも、売場の人手不足や作業負担は常に強く意識されています。そのため、採用可否は商品力だけでなく、「どれだけ現場の負担を減らせるか」という観点でも判断されます。「品出し回数を減らせる設計」や「管理のしやすさ」は、有効な訴求ポイントです。

「この商品は回転が速いので、あえて3フェース取ることで、1日の補充回数を2回から1回に減らせます」
などフェース(並べる数)の工夫についての言及や「既存の棚割りと並び順を大きく変えない構成にしました。これなら店舗スタッフの方も迷わず短時間で並べ替えられます」のように陳列についても触れることで、現場の苦労を知っているバイヤーの心に深く刺さります。


「バイヤーが社内にそのまま出せる資料」を渡す

商談の最後に、「今日お話しした内容を、社内報告用に1枚のA4シートにまとめておきました」と渡すだけで、採用率は劇的に上がります。

バイヤーが上司に説明する際に困る「なぜこれを入れるのか?」という理由(ロジック)を、短い箇条書きにして資料の端に添えておきましょう。この「バイヤーの事務作業を減らしてあげる」という気遣いも、今後も相談したいと思ってもらえる最大の理由になります。

まとめ

棚割り提案が通らない原因は、商品単体の魅力に依存し、「なぜその棚に置くべきか」という売場全体の視点と根拠が不足している点にあります。

バイヤーが求めているのは、売上・回転率・粗利といったデータに基づき、「導入によって売場がどう改善されるのか」を具体的に示す提案です。
そのためには、

・現状の棚の弱点をデータで把握
・自社商品を入れる必然性を数値で裏付け
・棚割図と売上シミュレーションを組み合わせ

これらを踏まえて“実行後のイメージ”まで落とし込むことが重要です。加えて、競合とのバランスや店舗オペレーションへの配慮、バイヤーが社内で説明しやすい資料設計といった視点も、採用率を左右します。単なる商品提案ではなく、「売場改善のストーリー」として設計できるかどうかが、棚割り提案の成否を分けるポイントです。

 

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