聞く技術研究所

テレワークにより治安が悪化する街が現れる【月刊よげんの書2023年11月:よげん3】

エクスクリエでは毎月「よげんの書」セミナーを開催しています。

「よげんの書」では日本国内に限らず、世界の経済、政治、エンタメなど、多角的な視点とデータで「今」何が起きているのかをご紹介しています。時代の流れを捉えることで、企業や個人がマーケティングに取り入れるべき時代のテーマを掴むヒントを得る一助になれば、と願っています。

今回は11/22に行われた「月刊:よげんの書11月号」で発表された内容をご紹介します。よげんの書は大久保氏と舟久保のテーマ発表&コメントで構成されており、開催報告ではセミナー中に取り交わされたコメントなども記載します。

テレワークにより治安が悪化する街が現れる

サンフランシスコが荒廃する

米国を代表するリベラルな気風の都市、西部カリフォルニア州サンフランシスコ市が苦境に陥っている。今まで新しいテクノロジーが生まれている場所だったが、街には注射針や空き缶が転がり、麻薬使用者とみられる人が奇声を上げている。治安が悪化し、主要駅前にも人影がまばらだ。非営利団体ベイエリアカウンシルの2022年調査によると、「犯罪を恐れてダウンタウンに行かない」人は65%、「サンフランシスコから移住した理由が犯罪」の人が20%だった。

テレワークで街が空洞化

治安の悪化につながった大きな理由のひとつにテレワークがある。サンフランシスコはリベラルで、IT企業が多い街なので、テレワークを取り入れる企業が多かった。だが、新型コロナウイルスの感染収束後も街に人が戻らず、百貨店、ディスカウント店、スーパー、カフェなどが相次ぎ閉店するなど空洞化が進んだのが原因だ。空洞化で税収が減りってことにより州法「プロポジション47」で取り締まりに消極的な警察の方針もでき、体感治安が悪化し街全体が荒廃している。「割れ窓理論」という、割れた窓ガラスを放置すると、さらにガラスが割られて街全体が荒廃し、犯罪が増えるという考え方がある。サンフランシスコも治安悪化が加速する負のサイクルに陥っている。

新型コロナウイルスは新しい働き方、ニューノーマルを生んだが、同時に副作業も生んでおり、新たな社会課題が発生している。

人が街で生活していれば、テレワークしても変わらなかっただろう。西海岸、シリコンバレー中心に人がたくさん集まり、サンフランシスコの住宅の金額が軒並み上がっていった。それにより、現地の人が住めなくなってしまった。サンフランシスコに職住接近でみんなが住んでいたらテレワークになっても、人が減ることがなかった。だが、オフィス需要しかない街だったからこそ、テレワークで人が減る→オフィスの空室率が上がる→さらに人が来ない街になってしまった。テレワークが原因というよりかは、人が住めないほど家賃が高くなりすぎてしまった街になったことが最初の原因なのかもしれない。

日本も住宅価格がどんどん上がっている。東京のマンション価格の平均が一億円越えとなってしまっては、普通の人は手が届かなくなってしまう。人が一気に引いてしまう場所があれば、日本でも起こりうることだ。

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