そろそろネガティブなニュースを見たくない人が増える【月刊よげんの書2022年8月号:よげんその5】

2022.10.18

聞く技術研究所

「よげんの書」では日本国内に限らず、世界の経済、政治、エンタメなど、多角的な視点とデータで「今」何が起きているのかをご紹介しています。時代の流れを捉えることで、企業や個人がマーケティングに取り入れるべき時代のテーマを掴むヒントを得る一助になりましたら幸いです。



そろそろネガティブなニュースを見たくない人が増える



辛い話題が多い2020年代


私たちが日々目にするニュースは、新型コロナの感染状況や、自然災害、戦争についてなど、悲劇に関するものが大半を占め、見ていてポジティブな気分になれるものはとても少ない。参考データではあるが、Global News View(GNV)によると、日本の大手全国紙3社の2015年の報道に関して、ネガティブが37.6%、ポジティブが15.6%で、ネガティブの方が2倍多く報道されていた。ニュースはネガティブなものが多いのだ。きっと当時よりも2020年代はネガティブなニュースが多く飛び交っているだろう。そうした深刻な報道が多い中、ポジティブなニュースを専門的に扱う報道姿勢に注目が集まっている。そうしたサイト・サービスに焦点を当てて紹介したい。


イギリスのPositive.News

英国を拠点としている1993年に設立された独立系メディア。いいニュースを報じることを「建設的ジャーナリズム」と呼んでいる。建設的ジャーナリズムは、問題の「現状」に焦点をあて、否定的で対立に満ちた見出しを並べる代わりに「この事柄から何を学べるか」「これから解決のために何ができるか」など、「未来」に焦点をあてることを目的としている。その姿勢を推進していメディアだ。


イギリス発のThe Happy News

The Happy Newsは、ポジティブなニュースを伝える新聞だ。英国の作家兼イラストレーターのエミリー・コックスヘッドによって2015年に発行が開始され、3か月に一度のペースで発行されている。世界中から集めたポジティブなストーリーや、読者から推薦された「EVERYDAY HEROES」─身近に存在する素晴らしい人々や組織の紹介が、ポップでカラフルなイラストと一緒に掲載されている。文字がぎっしりで、白黒が多く、ネガティブな話題が多いこれまでの新聞のイメージを覆すようなものになっている。ポップでカラフル、ポジティブな新聞を読むのでは、だいぶ雰囲気や空気が変わると思う。マーケティングも情報発信する時、暗く、ネガティブなものが多くなってしまう。ポジティブなものを選んで発信して人が集まるマーケティングコンテンツ作成もできるのかもしれない。

ジャックアタリも「ポジティブ」をよく使う。「ポジティブ」と「オプティミズム(楽観主義)」は何が違うのかというと、野球のファンだったとして、この球団は勝てるぞ!と思うのが「オプティミズム(楽観主義)」。球場に行き、球団の役に立つような行動をした結果勝てる!と思うのが「ポジティブ」だと説明した。自分が参加し、何かをすることがポジティブ。温暖化解消のために自分が何かをすることが「ポジティブ」。国が何かをしてくれるだろうと考えることが「オプティミズム」。

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