聞く技術研究所

SDLへの移行はやっぱりAppleが早かった【月刊よげんの書2023年11月:よげん2】

エクスクリエ(ドゥ・ハウス)では毎月「よげんの書」セミナーを開催しています。

「よげんの書」では日本国内に限らず、世界の経済、政治、エンタメなど、多角的な視点とデータで「今」何が起きているのかをご紹介しています。時代の流れを捉えることで、企業や個人がマーケティングに取り入れるべき時代のテーマを掴むヒントを得る一助になれば、と願っています。

今回は11/22に行われた「月刊:よげんの書11月号」で発表された内容をご紹介します。よげんの書は大久保氏と舟久保のテーマ発表&コメントで構成されており、開催報告ではセミナー中に取り交わされたコメントなども記載します。

SDLへの移行はやっぱりAppleが早かった

SDL:サービス・ドミナント・ロジックへ移行する

企業はいままでモノを買ってもらうことによって、生活者と繋がっていた。これからは企業が提供する商品を、有形か無形か、モノかサービスかに関わらず、すべての経済・経営活動を包括的に捉える考え方が、2000年代前半から言われている概念が「SDL」(サービス・ドミナント・ロジック)だ。

フィリップ・コトラーがマーケティング5.0の中で唱えた人間中心マーケティングのための影響要素は以下3つだった。

  • デザイン思考
  • デジタライゼーション
  • サービス・ドミナント・ロジック

Goods Dominant Logic(GDL)からService Dominant Logic(SDL)への移行コンセプトイメージ

モノ不振の中、サービス2割超

アップルの業績をアプリ販売や音楽配信などのサービス部門が下支えする傾向が強まってきた。これまではものの売り上げが大半だったのが、iPhoneやMacだったが、販売は不振になっている。モノが売れなくなってきているのだ。11月2日発表した業績では、売上高全体に占めるサービス部門の比率が通期で初めて20%を超えた。
2000年代以降、アップルはサービスの生態系をアプリ販売や動画、ゲーム、金融などに広げ、製品からエクスペリエンスへ、機能からソリューションへと周辺市場とともに移行してきた。市場と一緒にサービスを広げているのだ。それが基盤となり、モノが売れなくなってきた時代に、サービスが業績を支える基盤となっているのだ。

プラットフォームを作ることで、市場に関係のあるプレイヤーを取り込んで、一緒にwith市場でサービスを広げている。製品からエクスペリエンスへの提案や、機能からソリューションへ広げているのだ。

レコノミーの時代になり、ものが売れなくなってきた時代になっている

リサイクル、リユース、レトロ、リスキリング……昨今のトレンドとなっている経済行為を英語にするとREが冠につく経済行動が多いことが分かる。それらを総称して「レコノミー」と呼ばれている。
そんな時代、生活はミニマルになり、モノはロングライフで使われる。さらに、リサイクル、リペアするサーキューラな使い方になるだろう。そうすると、生産の現象が起こる。アップル含めて、モノを作っているメーカーにとって、モノをたくさん作り、モノをたくさん売る時代ではなくなっていく。Goods Dominant Logic(GDL)からService Dominant Logic(SDL)への移行が必要になってきている時代だ。きっとアップルは新しい時代でも代表的なプレイヤーになるので、ベンチマークして学ぶ必要があるだろう。

モノからコトへ、という流れの中で、経験価値が大事になってくる。モノを買っているのではなく、経験を買っているという考え方が経験価値マーケティングのベースとなる。モノ単体では経験にならず、どういう風に使ったらいいのか、という発想になっていく。アップルはiPodのときに成功体験を得ている。iPodはミュージックプレイヤーだ。ハードディスクに音楽を入れる機器はたくさんあったが、その中でiPodが売れたのはiTunesがあったからだ。ソフトウェアとハードウェアをっクスさせることによって、ものすごく良い体験を提供してくれた。それを見て、他のメーカーもサービスと一緒にモノを考えていかなければならない。モノ自体もサービスの中に入れなければいけないと思うようになった。モノの生産が減少する時代に、サービス部分の付加価値や、収益となるのかを考えるに行かざるをえない時代に来ている。

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