聞く技術研究所

EVが世界の構造を変える予兆が見えてくる【月刊よげんの書2023年10月:よげん2】

ドゥ・ハウスでは毎月「よげんの書」セミナーを開催しています。

「よげんの書」では日本国内に限らず、世界の経済、政治、エンタメなど、多角的な視点とデータで「今」何が起きているのかをご紹介しています。時代の流れを捉えることで、企業や個人がマーケティングに取り入れるべき時代のテーマを掴むヒントを得る一助になれば、と願っています。

今回は10/27に行われた「月刊:よげんの書10月号」で発表された内容をご紹介します。よげんの書は大久保氏と舟久保のテーマ発表&コメントで構成されており、開催報告ではセミナー中に取り交わされたコメントなども記載します。

EVが世界の構造を変える予兆が見えてくる

2023年3月発表テスラ:マスタープラン3が発表される

テスラ「マスタープラン3」のポイント

  • 再生可能エネルギーの発電・蓄電で既存の送電網を補強
  • EVの普及
  • 住宅、オフィス、産業にヒートポンプを普及
  • 鉄鋼、化学など「高温産業」を電化
  • 航空機、船舶の電化(エネルギー密度の高い電池を普及)
  • 持続可能エネルギー経済の創出

テスラをEVの会社だと表面的に捉える人は多いだろうが、マスタープランを見ると、テスラのビジネスモデルは電気自動車の販売だけに留まらないことが分かる。EVは事業全体のひとつでしかなく、地球環境のために残りは太陽光発電や蓄電による電力網の補強、鉄鋼・化学産業の電化など5分野に力を入れている。とてもサスティナブルな目標を定めているのだ。同社のパーパスは「化石燃料の時代を終わらせる」であり、今のKPIはEVの販売台数だが、将来は発電と蓄電設備、プラントの販売、サービス収入が加わる。

ヤマダデンキ、EV販売を開始

7月、家電量販店のヤマダデンキに法人向けのEVが並んだ。家電量販店なので、電気で動く自動車を売れないわけがない。ここを第一段階として、消費者に多様なEVと住宅をセットで売る体制を進めていく。日本の新車の流通モデルは、これまではメーカー系列のディーラーが長年主導権を握ってきた。しかし、それが電気自動車の普及とともに崩れつつある。販売先がオープンになり、開かれた流通になって構造を変えていくかもしれない。エネルギーの使い方、使い道が変わり、産業のイメージが膨らんでいくだろう。

テスラはパーパスの規模が大きい。元々エネルギーに変革をもたらす会社で、化石燃料を終わらせる!というゴールにちゃんと向かっている。パーパスはすごく大事で、日本の企業もパーパスを考えているところが増えてきた。しかし、実際の事業と乖離していたり、抽象的なゴールを設定しているところもある。テスラくらいハッキリしていると、訴求力がある。

テスラがやっていることは、他の会社もやること。ホンダもスマートグリッドの中に車を、という構想を立てている。テスラが最初の先駆者として、全体を変えていくのだろう。先駆者になれるビジョンを持っており、これから先駆者としての強みも持てる企業になる。

他と違った、変わった人がこのようなイノベーションを起こすのかもしれない。

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