聞く技術研究所

静かな退職者のための力作オフィスが増える【月刊よげんの書2023年11月:よげん4】

エクスクリエでは毎月「よげんの書」セミナーを開催しています。

「よげんの書」では日本国内に限らず、世界の経済、政治、エンタメなど、多角的な視点とデータで「今」何が起きているのかをご紹介しています。時代の流れを捉えることで、企業や個人がマーケティングに取り入れるべき時代のテーマを掴むヒントを得る一助になれば、と願っています。

今回は11/22に行われた「月刊:よげんの書11月号」で発表された内容をご紹介します。よげんの書は大久保氏と舟久保のテーマ発表&コメントで構成されており、開催報告ではセミナー中に取り交わされたコメントなども記載します。

静かな退職者のための力作オフィスが増える

静かな退職者が増えている

いま働く人の心境は複雑さを増している。オランダの人材サービス大手ランスタッドが実施した世界3万5千人の調査によると、辞めるまでではないが、仕事に熱意をもてず最低限の業務だけをこなす「静かな退職者」が31%いることが分かった。テレワークが一般化したことでリアルなコミュニケーション不足が背景のひとつにある。それによって、仕事への情熱まで失われてしまった人もいるのだ。その課題を解決するため、社員同士の活発な交流を促すオフィス作りに、力を入れる企業も増えている。

リクルート、オフィスは交流の場所と明確に位置づける

リクルートは本社オフィスを2023年7月にリニューアルした。セミナー室、ラウンジ、イベントスペース、食堂、カフェ。雰囲気も大きさもさまざまだ。従業員が対話し、つながるための施設を21ある全階にちりばめた。オフィスは仕事する場所でもあるが、集まってコミュニケーションをする場所を増やした。そう明確に位置づけた。そのうえで、よい場所を作ったから、一律でみんな出社しなさい、とするのではなく、テレワークで効率よくできる仕事はテレワークで。オフィスに来た時にはコミュニケーションしまよう、という使い分けをすることで、オフィスに来た時には集まってコミュニケーションする場所だと位置づけ、使い方を提示している。

リクルート『プレスリリース』2023年11月10日https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/2023/0712_12467.html

ピクサー、入口は1カ所

ヒット作を連発しているアメリカのピクサー・アニメーション・スタジオのオフィス作りは有名だ。CEOをつとめたスティーブ・ジョブズがこだわって設計したことでも知られている。建物の入り口は1カ所にし、多くの人が使う設備である会議室やトイレなどを中心部に配置した。そうすることで、働く者同士が自然に、頻繁に顔を合わせる仕掛けだ。オフィスでの交流がアイデアの発火点になるとの思いが根っこにある。アメリカのアップルの円環型の本社ビルにも受け継がれている。コミュニケーションの活性化によるアイデア発想はちゃんと繋がっていると感じた。静かな退職者への対策だけではなく、いいものを生み出すためにオフィスの工夫も進んでいくように感じる。

コロナ禍で在宅勤務が普及した。それにより、働く人は選択肢が増えた。オフィス、サテライトオフィス、自宅、どこでも働けるようになった。テレワークが普及して2年。柔軟な働き方という環境ができてくる中で、テレワークとオフィスをミックスさせて、最適な働き方を作る、クリエイトするにはまだ至ってない。テレワークの経験も少ないので、どうすれば本当に合理的に、効果的に使えるかを模索している。リンダ・グラットン著『リデザイン・ワーク』にもあるように、コンセプトを考えた方がいい。

人が集まるというのはチームなので、チームビルディングが必要になってくる。アイデアを膨らませるためにも、対話できるオフィスがあった方がいい。スティーズジョブスも人と会うことで、そのアイデアを自分に取り込むのが好きで、ピカソも「凡人は模倣し、天才は盗む」とも言っていた。それが発想の源なのだ。そういう意味では、リクルートのオフィスは素敵だと思う。「●●で会おう!」といえる環境になっている。

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